何かに取り組もうとする「意欲」こそが、脳の機能を維持する最大の秘訣

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何かに取り組もうとする「意欲」こそが、脳の機能を維持する最大の秘訣

 

段階3.脳の神経細胞の老化――「楽しみ」を見つけてカバーする

 

脳の寿命と密接なかかわりがあるのは、脳を構成する神経細胞(ニューロン)とグリア細胞(神経膠細胞)のネットワークです。

 

神経細胞は情報処理の主役で、グリア細胞神経細胞を保護し、栄養を与えたり老廃物を排除するのが役目です。

ニューロンと血管を繋ぐ役割も担っています。

 

神経細胞の老化には、いくつかパターンがあります。

 

まず、数が減っていく老化です。

加齢に伴い、神経細胞一つひとつの働きは低下しますが、全体の数も減ってしまうのです。

その数は、まいにち10~20万個に達するという説もあります。

もっとも、脳の神経細胞は1千数百億個もありますから、みるみるうちに機能が衰えていくわけではありません。

 

しかし、神経細胞が減るにつれ、脳は委縮して、シワが深くなっていきます。

高齢者の脳をMRIやCT(X線コンピューター断層撮影)の画像で見れば、認知症ではなくても委縮している様子がわかります。

正常な老化でも、神経細胞の減少によるダメージは受けるのです。

とはいえ、物忘れのような症状が50代くらいから現れるケースは少ないといえます。

 

記憶を司っているのは大脳辺縁系にある海馬ですが、海馬が衰えるのは、もっと高齢になって正常老化が進んだ場合が多いからです。

 

老廃物が溜まるのも、脳の老化現象です。

神経細胞の中だけでなく、神経細胞神経細胞の隙間やくも膜の下などに、いろいろな老廃物が溜まってきます。

リポフスチンという色素が沈着して作られる球体は、皮膚にできるシミと同じ性質のものです。

 

神経細胞の減少や老廃物が溜まっていく様子は、顕微鏡や画像診断で確かめることができます。

 

 

神経細胞が減ると新しく生まれてくる機能もあるのですが、ごくわずかにすぎません。

代わって神経細胞を保護してくれグリア細胞が増えるほか、補完するネットワークも働きます。

 

神経細胞の老化を防ぐには、こうした代償機工ネットワークの働きを高めることが大切です

 

いわば、衰える部分の周りを強化するので、筋肉がいいモデルになるでしょう。

筋肉も使わなければどんどん衰えますが、鍛え続ければ70歳や80歳になってもある程度維持できます。

 

何もしないか、鍛えるか。

その差は大きいのです。

 

 

身体の筋肉を鍛えれば強く太くなるのと同じように、代償機構とネットワークを働かせることによって、脳の神経も機能を維持できます。

筋肉と異なるのは、腹筋や背筋だけに絞るようなトレーニングができないことです。

 

つまり、脳全体の機能を高めるような工夫が必要です

そのためのキーワードは何かというと、自分自身の「意欲」です

何事にも貪欲に取り組もうという意欲こそ、脳の機能を維持する最大の秘訣です

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。

しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。

このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。

これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。

 

ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。

新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。

この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。

しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。

このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。

 

ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。

このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。

高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。

その中でも重要なものがビタミンB12なのです。

脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。

あきらめずにチャレンジし続ければ、復活の日はいつか訪れるかもしれません。

 

ビタミンB12について?

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首と目の動脈に注意する

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首と目の動脈に注意する

 

かつて日本人には、東北などの寒い地方を中心に高血圧の傾向がありました。

漬物などの保存食に、塩をたくさん使ったからです。

その結果、脳の血管に障害が生じ、死因の多くも脳卒中(脳出血脳梗塞)でした。

 

そのあとに待っているのが、血管性認知症です。

 

脳血管に障害があると、周りにある神経細胞がダメージを受けて認知症に至るのです。

かつての日本では海外諸国と異なり、血管性認知症認知症の原因疾患の代表でした。

しかし、その後、血管性認知症が大きく減ったのは、塩分摂取量が控えめになり、脳血管障害が克服されてきたためです。

 

原因となる血管を守れば、血管性認知症は一次予防(発症させない)が可能です。

ほかの認知症とは、そこが最も違うところです。

 

一方で、脂肪の取り過ぎも問題です。

多くの人がその傾向をもっている糖尿病や脂質異常症のダメージは、長い時間をかけてやってきます。

 

 

脳の血管の老化について考えるとき、まず大事なのは首と目です

脳はたくさんの血液を必要とします。

心臓から脳へ向かう動脈は左右の頸動脈と椎骨動脈です。

したがって首の血管が大切なのは、わかりやすいと思います。

 

暑い日に首筋を冷やしたり、冬にマフラーを巻いたりするのは、動脈を流れる血液を冷やしたり温めたりするためです

首の血流は、とても大事なのです

 

では、なぜ目が大事なのかというと、脳の血管を直接見ることができるからです

画像検査をしなくても、網膜の奥に脳の中の動脈が見えるのです。

眼科に行くと瞳を覗き込まれますが、網膜の色素変性などのほか、眼底動脈の硬化も見ているのです。

 

 

脳の血管に関係する病気について説明しましょう。

 

動脈瘤は、脳の動脈の壁が薄くなったりもろくなったりした部分に血液が溜まって、コブのようになることです。

これが破裂すると、くも膜下出血です。

 

慢性硬膜下血腫は、たとえば転んで頭を打ち、直後は何ともないように見えながら数週間から数カ月かけてじわじわと出血して症状が出てきます。

血管が損傷を受けて血種ができ、次第に神経を圧迫してくるのです。

 

その結果、頭痛や物忘れ、認知症状や失禁、歩行障害などの症状をきたします。

それが「慢性」の意味です。

 

慢性硬膜外といって硬膜の外に血種ができる場合もありますが、慢性硬膜下のほうが多いです。

 

いわゆる脳卒中は、脳出血脳梗塞に分かれます。

脳梗塞にも2つあって、ひとつは心臓などから動脈を通ってプラーク(動脈硬化などの血管壁に見られる、扁平もしくは隆起したかたまり)のような塊が飛んでくるケース。

もうひとつは、血管の細くなっている部分が詰まってしまうケース。

つまり心筋梗塞と同じ症状です。

血管が破れて出血してしまうのが、脳出血です。

 

 

脳の血管障害にはパターンがいろいろあるのですが、症状の出方は、発生する場所によります。

脳の寿命に影響するかどうかも、やはり場所次第です。

大脳に大きな脳梗塞ができると手足が不自由になったり、脳幹に近ければ呼吸に支障が出たりします。

脳梗塞でも脳出血でも、小さかったり、損傷しても大きな影響が及ばない場所であれば、症状は軽くてすみます。

 

昔は、脳の表面まで巻き込むような大梗塞が多かったのですが、最近は血管の老化に伴う小梗塞の多発が増えてきています。

身体に麻痺が残ったり、ろれつが回らなくなるような大梗塞は、最近では珍しくなりました。

 

生活習慣病への備えが進んだことが大きいし、脳梗塞を起こしやすいかどうか前もってMRI(磁気共鳴断層撮影)などで調べられるようになったために、予防が進みました。

MRIで小脳梗塞が見つかったら、脳梗塞にならないように血液がサラサラになる薬を飲むなど、前もって対策を取れるようになったのです。

 

昔は日本人の死因は脳卒中が1位でしたが、いまは順位が下がってきています。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

 

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何よりも大事なのは身体の血管。血管の年齢は脳の年齢に直結する

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何よりも大事なのは身体の血管。血管の年齢は脳の年齢に直結する

 

段階2.脳の血管の老化――生活習慣病が血管を老化させる

 

脳の寿命にとって非常に大切なのが、血管です

全身にくまなく酸素と栄養を運ぶ血管の年齢は、身体の年齢と脳の年齢に直結します

 

血管には、動脈と動脈の2つがあります。

ポンプである心臓から出ている動脈は、非常に細い末梢血管となって全身へ行き渡り、酸素と栄養を身体の隅々まで届けます。

代わって静脈が、二酸化炭素を運んで心臓へ戻ってきます。

 

生活習慣病に注意すべき理由は、どの病気も血管を老化させるからです

糖尿病は、血液中のブドウ糖が多すぎる状態になって血管を傷つけます。

高血圧は、動脈硬化を進めます。

血管の壁が厚く硬くなり、弾力を失って傷つきやすくなるのです。

 

脂質異常症も、動脈硬化を進めます。

血液中のコレステロール中性脂肪が血管の壁を傷つけ、過剰な脂質が溜まってしまうからです。

 

 

動脈がきちんと流れなければ、酸素と栄養は身体の必要な場所へ届きません。

水道と同じで、途中で詰まってしまったら、その先へは行けないのです。

血液が届かなくなった細胞は、壊死してしまいます。

糖尿病が悪化して足の指などを切らなければいけなくなるのは、動脈がダメになってしまった結果です。

 

スポーツをやっている人は心臓が強くなります。

しかし身体を動かすほど多くの酸素を必要とするので、血管が詰まってしまうと、酸素の供給が追いつかなくなって心筋梗塞に至る恐れがあります。

プロスポーツ選手で若くして亡くなる人には、そういうケースもあるのです。

 

 

たくさんの酸素と栄養を必要とする脳には、たくさんの血液が送られます。

心臓の機能が衰えたり貧血状態に陥ったりすると、酸素や栄養を運ぶ赤血球が少なくなってしまうので、血管が立派でも供給が悪くなります。

 

したがって、心臓病や貧血はきちんと治しておかなければいけません。

ビタミンや鉄が不足すると貧血になり、脳の働きが衰えてしまうのです。

 

 

脳の血管が動脈硬化を起こすと、脳梗塞脳出血を引き起こします。

しかし、一般に脳より身体の末梢の動脈硬化のほうが先に進むので、まず気を付けるべきは身体の血管です

脳の中のどんな神経細胞より、全身に張り巡らされている血管の方が大事だと言ってもいいほどです。

神経細胞の寿命が尽きる前に、血管の老化によって脳の血流が低下してしまうからです。

 

酸素の量が一定以下になると、細胞はダメージを受けます。

DNAの再生にミスマッチが起こって、がん細胞が生まれたりするのです。

血管の老化を防止できてから、神経細胞がどのくらい生きられるかを考える段階に至ります。

 

血管から脳の神経細胞へ酸素を無限に行きわたらせることが可能になれば、脳の寿命を延ばすこともできるはずです。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。

LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

 

でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?

それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。

LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。

ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。

それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。

 

この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。

ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。

ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。

心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。

この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。

そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。

 

それはビタミンBです。

ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。

ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。

体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。.

 

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脳の老化の仕組みを、4段階に分けて理解しておく

 

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脳の老化の仕組みを、4段階に分けて理解しておく

 

健康を維持するには、阻害する因子を取り除き、病気を未然に防ぐことが手っ取り早い方法です。

脳についても同じ。

脳に悪い影響をおよぼす因子を突き止め、ひとつずつ減らしていくことが、老化を防ぐ要諦なのです。

 

脳の老化は、次の4段階に分けて仕組みを知り、それぞれに予防方法を考えます。

 

段階1.身体全体の老化

段階2.脳の血管の老化

段階3.脳の神経細胞の老化

段階4.メンタルの老化

 

脳の老化予防を心掛けることは、とても大切です。

 

SCDやMCIからアルツハイマー病に移行する前であれば、元の状態に回復させることが可能だからです

アルツハイマー病の病変がある人でも、進行を遅らせることができます

まだ変化の自覚がない人なら、文字通り脳の健康寿命を延ばすのに役立ちます

 

では順番に説明しましょう。

 

段階1.身体全体の老化――生活習慣病を予防する

 

「心身」と言うとき、先に来る文字は「心」です。

まず心が元気でなければ、身体も元気に動かないことを意味しているのでしょう。

 

ストレスを抱えると胃に潰瘍ができるなど、心の不調は身体に現れるものです。

「健全なる身体に、健全なる精神」という言葉もあります。

身体が健康でなければ、精神の健康を保てないのもまた事実です。

 

どんなに脳が元気に働いても、身体が倒れてしまえば元も子もありません。

心肺機能が衰えたり人工透析が必要になったりして自由に歩き回れなくなれば、他人とのコミュニケーションや見聞を広げる行動に制限がかかってしまいます。

社会性を失うにつれ、脳の働きは衰えていきます。

 

したがって脳の寿命を延ばすには、身体の寿命が先に尽きないことが大前提です

身体全体の老化予防なしに、脳の老化予防はありえません

 

身体の健康の阻害因子は、脳にもダメージを及ぼします。

具体的には、生活習慣病を予防すること

すでにかかっていれば、適切に治療することが第一です

生活習慣病は、認知症にも直結するからです。

 

生活習慣病で多いのは、糖尿病、高血圧、脂質異常症です。

 

脂質異常症は、以前は高脂血症と呼ばれていました。

中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールが基準より高い、または善玉(HDL)コレステロールが基準より低い状態のことです。

 

 

糖尿病、高血圧、脂質異常症をどうやって改善させるかについては、後日詳しく見ていきます。

 

※脳が健康な状態から認知症へ至る間に、医学的には2つの段階があります。

 

まず「主観的認知機能低下(SCD=Subjective Cognitive Decline)」。

検査をしても認知機能の低下は見られないものの、次のような変化が生じたことを自覚している状態をいいます。

 

なぜかイライラする

眠れなくなる

外出がおっくになる

趣味に楽しみを感じなくなる

ど忘れが増える

同じことを何度も聞くようになる

頭痛・胃痛

 

その先が、認知機能の低下が確認できる「軽度認知障害(MCI=Mild Cognitive Impairment)」。

物忘れが主な症状ですが、日常生活に大きな支障はなく、認知症とまでは診断されない状態をいいます。

ただし、年間にMCIの人の10~15%がアルツハイマー病へ移行するとされるので、認知症の前段階と捉えることもできます。

 

日本には、認知症の人が460万人、MCIの人が400万人いるといわれます。

SCDとMCIを認知症に進ませないためにどうすればいいかは、大きな課題です。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。

LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

 

でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?

それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。

LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。

ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。

それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。

 

この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。

ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。

ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。

心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。

この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。

そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。

 

それはビタミンBです。

ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。

ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。

体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。.

 

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脳の老化に早めに気づくために、ちょっとした「変化」を見逃さない

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脳の老化に早めに気づくために、ちょっとした「変化」を見逃さない

 

■自分の「変化」に気づくことが大事

 

人間の身体は、老化から逃れられません。

 

自覚しやすい老化現象といえば、老眼と白髪(特に鼻毛に混じる)です。

臓器だと、肝臓や腎臓の機能が悪化すれば、血液検査の数値で一目瞭然です。

 

脳の老化は、わかりにくいのが特徴です。

働きぶりが数値で示せないこと。

加えて、衰えを自動的に補完する機能がある程度まで自然にカバーしてしまうからです。

そのため、異常が顕在化するのに時間がかかります。

 

 

脳の老化に早めに気づくためのキーワードは、「変化」です

それまでの暮らしぶりや仕事ぶりに比べて、違う「何か」を見逃さないことです

 

たとえば、なぜかイライラする。

眠れなくなる、外出がおっくうになる、趣味に楽しみを感じなくなる、ど忘れが増える、同じことを何度も聞くようになる、などのちょっとした違和感。

あるいは、頭痛や胃痛の場合もあります。

 

 

どういう変化が現れるのか、一概には言えません。

個人の人生や置かれた環境によって異なるので、ほかの人には当てはまらないからです。

変化を判断するには、学校や会社や家庭で担ってきた役割を、変わらずに果たせているかどうか確かめること

これまでの生活と比較するのが、一番いい方法です

 

そうした変化に真っ先に気づくのは、たいていは自分自身です。

ところが気づいたとしても、その分よけいに頑張ってしまったり、いずれ元に戻るだろうと軽く考えがち。

都合の悪いことは否認しようとするのが、人間の正常心理なのです。

 

やがて家族や職場の同僚など、周囲の人が気づきます。

その間、変化はさらなる老化へ進んでいるわけです。

 

 

脳が健康な状態から認知症へ至る間に、医学的には2つの段階があります。

 

まず「主観的認知機能低下(SCD=Subjective Cognitive Decline)」。

検査をしても認知機能の低下は見られないものの、上記のような変化が生じたことを自覚している状態をいいます。

 

その先が、認知機能の低下が確認できる「軽度認知障害(MCI=Mild Cognitive Impairment)」。

物忘れが主な症状ですが、日常生活に大きな支障はなく、認知症とまでは診断されない状態をいいます。

ただし、年間にMCIの人の10~15%がアルツハイマー病へ移行するとされるので、認知症の前段階と捉えることもできます。

 

日本には、認知症の人が460万人、MCIの人が400万人いるといわれます。

SCDとMCIを認知症に進ませないためにどうすればいいかは、大きな課題です。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

 

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

 

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

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脳だけにある独自の検疫システム

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脳だけにある独自の検疫システム

 

脳はほかの臓器にない働きをたくさんもっています。

 

すごいと思うことのひとつは、特別な検疫システムです。

「Blood-Brain Barrier(BBB=ブラッド・ブレイン・バリア、血液脳関門)と呼ばれています。

 

体内に取り込んだ空気や飲食物に含まれる有害な物質は、肝臓で解毒されます。

解毒しきれなかった細菌やウイルス、化学物質などは、血液に乗って身体を回ってしまいます。

身体の隅々まで酸素と栄養を運ぶ毛細血管の壁は薄くスカスカなので、有害物質も一緒に細胞の中へ染み出してしまい、身体の害を及ぼします。

 

 

ところが、脳にはフィルターのような特別な場所があって、有害物質の侵入を防いでいます

それが、毛細血管と神経細胞の間にある血液脳関門です。

脳内細胞の90%を占めるグリア細胞が毛細血管の外壁を覆い、不要な物は沁み込ませないようにしているのです。

 

脳は、必要な物と必要ない物を独自にセレクションしているわけです。

ただしアルコールやニコチンなど、このフィルターを通り抜けてしまう困りものの有毒物質もあります。

 

 

脳のもうひとつのすごさは、バックアップ機能をもっていることです

ある部分が傷ついて働かなくなると、すぐに別の部分が代行するのです

 

たとえば脳の中の動脈の一部であるウィリス動脈輪は、内頚動脈と椎骨動脈という2つの動脈を連絡することによって、血液の循環を調節する機能をもっています。

片方の動脈に血栓が詰まって血液が流れなくなってしまったとき、もう片方の動脈で最低限の血液を流すしくみです。

 

脳の血管が詰まると細胞が壊死し、生死に直結します。

そのため、あらかじめ代替機能備わっているのです。

 

 

ネットワークがダメージを受けて身体の特定の機能が失われたときも、まわりの部分から連携を取ることができます。

脳梗塞脳出血の後遺症で手足に麻痺が残ることがありますが、リハビリを続けると少しずつ動かせるようになるのはそのためです。

 

手足を動かせなくても、動かすイメージでトレーニングしていると、脳の運動系へ刺激が送られます。

そのため、手足を動かす神経のネットワークが再生するのだと思われます。

動かそうとする部分からの刺激が脳に届き、記憶系や感覚系が運動系を刺激するのです。

リハビリは、脳の中に新たなネットワークを構築するために行うわけです。

 

事故や糖尿病による壊死などで手足の切断を余儀なくされた人が、失った部分に痛みやかゆみを感じることがあります。

幻肢痛と呼ばれます。

理由は正確にわかっていないのですが、切断された末端の神経が脳に刺激を送っているという説や、脳が自分の身体を認識しようとする作用ではないかという説があります。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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血液脳関門とは

「薬物の血中から脳内への移行を制限する機能。

アミノ酸グルコースなどの神経活動のエネルギー源となる栄養素は脳内に選択的に輸送されるが、多くの物質は脳内に自由に入るわけではない。

……水溶性の高い物質あるいはタンパク質などの大きな分子はこの関門を通過し難いが、脳毛細血管に発現している多くのトランスポーターによって、栄養素(グルコースアミノ酸ヌクレオチドなど)は選択的に血液脳関門を通過する。

……内皮細胞内に入った毒物・薬物を血中へ戻すことにより脳内への侵入を妨げていることが知られている。」(日本薬学サイトより)

 

脳は脂肪成分が多く、その量は60%とも言われています。

脳の中身を考えても血液脳関門を水溶性の高い物質が通過しにくいということがわかるのではないでしょうか。

さらに、血液脳関門を通過できるということは、脳にとって栄養となる重要な意味を持つ物質と考えられるでしょう。

 

ビタミンB12は水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造を持っています。

脳はタンパク質とともに脂肪成分を多く含む器官です。

そのためビタミンB12は血液脳関門を通過できるという特徴を持った貴重な栄養素なのです。

 

ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

現在、ビタミンB12は神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。

末梢神経の不調はもちろん、中枢神経の機能低下にも有効であることが明らかになっています。

 

ビタミンB12について?

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大脳皮質の巨大ネットワークが脳の活動の要

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大脳皮質の巨大ネットワークが脳の活動の要

 

脳がほかの臓器と大きく違うのは、流れる血液の量です。

 

脳が必要とする血液の量は、毎分800ミリリットル

心臓が身体中に送り出す血液は毎分4、5リットルですから、重さでは体重の2%にすぎない脳が、およそ5分の1を使っているのです。

その中でも最も多く血液を必要とするのが、司令塔である前頭連合野です。

 

 

脳は、およそ10%の神経細胞(ニューロン)と、90%のグリア細胞(神経膠細胞)で構成されています。

主役は脳の全体の10%しかない神経細胞で、情報処理という脳の機能を支えています。

グリア細胞は、栄養補給などで神経細胞を助けています。

 

神経細胞を構成する物質は身体のほかの部分の細胞と変わりませんから、iPS細胞で神経細胞を作ることもできます。

ほかの細胞と最も違うのは、ダメージを受けたとき、皮膚などの細胞は自然に治るのに、脳の神経細胞は治らないところです。

*iPS細胞:万能細胞の一種。幹細胞と同様に、増殖して各種の細胞へと分化が可能な細胞。山中伸弥らが初めて作成に成功した。

 

 

ただし、ほかの細胞の寿命が24時間から10年ほどなのに対し、神経細胞は数十年も生きます。

受精後17週で千数百億個に達し、以降は増えることがありません。

大人になると、1日に10万から20万個ずつ死滅していきます。

 

神経細胞は、ほかの神経細胞と接合してシナブスというつなぎ目を形成し、ネットワークを広げて情報を伝え合います。

大脳皮質だけで140億個ある神経細胞の一つひとつが、数個から数万個の神経細胞とつながり、巨大なネットワークを構成するのです

これこそ、人間の脳の活動の要です

*シナプス神経細胞(ニューロン)とほかの神経細胞の結合部。

 

 

神経細胞は、神経伝達物質をつくって放出します。

脳を覚醒させるドーパミンや、活動を抑えるセロトニンが有名です。

神経伝達物質は60種類ほどが確認されていますが、実際には100種類以上存在するといわれます。

 

 

神経細胞の機能は、次第に解明されてきました。

ファンクショナルMRI(磁気共鳴機能画像法)で集められた多くの人のデータから、喜怒哀楽によって同じ神経細胞が共通して活動する、といった解析が進んでいます。

何かの刺激に対して、この細胞は反応するけれども、この細胞は反応しない、といった微細なレベルまで研究されています。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。

しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。

このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。

これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。

 

ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。

新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。

この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。

しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。

このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。

 

ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。

このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。

高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。

その中でも重要なものがビタミンB12なのです。

脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。

あきらめずにチャレンジし続ければ、復活の日はいつか訪れるかもしれません。

 

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