1.最適な睡眠時間は6.5~7時間

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1.最適な睡眠時間は6.5~7時間

 

質が高く良い睡眠は脳の健康に不可欠

■睡眠で気をつけたい7つのポイント

 

1.最適な睡眠時間は6.5~7時間

 

睡眠と脳の健康には、非常に深い関係があります。

動物実験の結果、睡眠時間を短くしたラットの脳には、老廃物のアミロイドβが溜まってしまうことがわかっています。

人間でも、一晩の寝不足でアミロイドβの蓄積が増えるというデータもあります。

 

アミロイドβは普通、寝ている間に代謝、分解されて、脳の外へ洗い流されます。

ところが睡眠時間が短いと、排泄が遅れてしまうのです。

寝不足が続けば、アミロイドβはどんどん蓄積されてしまうことになります。

 

最適な睡眠時間には、個人差があるものです。

しかし疫学的なデータからみると、6時間半から7時間眠る人がもっとも認知症になりづらいことがわかっています

ところが、6時間未満と8時間以上はどちらも2倍、認知症になりやすい

 

寝不足も寝すぎもいけないというのは、興味深い事実です。

 

 

脳の健康に悪い影響を及ぼすのは、寝不足、言い換えると睡眠障害です。

睡眠障害は、なかなか寝付けない入眠困難、長い時間寝ているはずなのに疲れが取れない熟眠困難、夜中や早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒の3つに分けられます。

 

精神医学的な面から言うと、神経症の人は入眠困難が多く、うつの人には早朝覚醒が多い傾向があります。

 

ただし、現在は睡眠時間の短さや質よりも、眠くて勉強や仕事ができないなど昼間の活動に支障があることを重視して、睡眠障害と定義するようになってきました。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、タンパク(アミロイドβタンパク)と核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若返りにもつながることにもなります。

高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

 

ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。

十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。

また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。

同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。

ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に大切な栄養素です。

 

ビタミンB12は、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。

加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。

さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

ビタミンB12について?

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運動しながら頭も働かせる。「ながら作業」には一層の効果がある

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運動しながら頭も働かせる。「ながら作業」には一層の効果がある

 

■脳の別々の場所を動かす

 

認知症の予防策として、デュアルタスク(二重課題)の効果が注目されています

いわゆる「ながら作業」のことで、脳の働きを維持するために有効です

 

たとえば室内で体操をしながら、頭の中で計算をする。

または、ジョギングしながら歌を歌う。

古い歌ならばその当時の思い出がめぐるなどして、脳の記憶への刺激になります。

散歩しながら、景色を題材に俳句を作るのもいいでしょう。

 

数人で会話をしながら楽しく散歩することもデュアルタスクになります。

ただし、会話に夢中になって、暴走してくる自転車への注意を怠ってはいけません。

また、コロナ禍の中ではマスクをつけての会話、そしてソーシャルディスタンスにも配慮しましょう。

 

体操しながらテレビを眺めるだけでも、広い意味でデュアルタスクにつながるかもしれません。

運動機能と一緒に頭を使うと、脳の別々の場所を同時に働かせることができるのです。

 

 

国立長寿医療研究センターが開発した「コグニサイズ(cognicise)」は、英語のcognition(認知)とexercise(運動)を組み合わせた造語です。

個人や複数人で、軽い運動をしながら計算やしりとりをするプログラム。

運動と認知トレーニングの組み合わせによって、MCI(軽度認知障害)の段階から認知機能が低下するのを抑制できることが示唆されています。

 

どんな内容の運動をどのくらいやるのが適しているかを調べて自分に課すよりも、好きなことや楽しめることを自分が可能な運動にプラスして、自分なりのやり方を見つけることです。

散歩しながら引き算をするよりは歌う方が楽しいだろうと思いますが、楽しめるのであれば、計算でも英会話でもかまいません。

嫌々やっても、まったく意味がないのです。

 

脳の健康にとって大事なのは、「意・情・知」です。

楽しくやれれば意欲が湧くし、相乗効果も上がります

意を持ってプランニングし、情で楽しみ、結果として知の老化を防ぐ、これが理想です。

 

 

※WHOが2010年に発表した「健康のための身体活動に関する国際勧告」は、65歳以上の成人を対象に、次のような運動を勧めています。

 

1.週あたり150分の中強度有酸素運動、または、週あたり75分の高強度有酸素運動、または、同等の中~高強度の運動を組み合わせた身体活動を行なう。

2.有酸素運動は1回につき、少なくとも10分以上続ける。

3.さらなる健康効果のため、中強度有酸素運動を週300分に増やす、または、週150分の身体活動を高強度の有酸素運動にする、または、同等の中~高強度の身体活動を組み合わせて行なう。

4.この年齢群に属する高齢者で運動制限を伴う場合には、バランス能力を向上させ転倒を防ぐための身体活動を週3日以上行なう。

5.筋力トレーニングは週2回以上、大筋群を使うトレーニングをする。

6.健康状態によって、高齢者がこれらの推奨する身体活動を実施できない場合は、身体能力や健康状態の許す範囲で可能な限り活動的でいること。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

 

脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

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少し汗をかく程度の有酸素運動を週に3回、30分くらいずつ行う

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少し汗をかく程度の有酸素運動を週に3回、30分くらいずつ行う

 

■身体機能の低下を示すサイン

 

身体機能の低下を示すサインには、次のようなものがあります。

 

  • 歩くスピードが遅くなった。
  • 早歩きすると足がもつれたり、つまづいたりしやすい。
  • 若い頃に比べて、握力が低下した。
  • ふらついて転倒したことがある。
  • 身体を動かすと、すぐに疲れるようになった。
  • 姿勢が悪くなった。

 

ひとつでも思い当たるなら、すぐに衰えを食い止めにかかるべきです。

 

使われない器官の機能が衰えていくことを、廃用性退化と言います。

脳の神経細胞は使わずにいると機能が低下しますし、手足の筋肉や関節も同じ。

身体は怠けてしまうのです。

筋肉を使わなければ、筋肉から脳へ送られる刺激もありません。

 

脳に刺激が少ないと、「意・情・知」の働きも低下します。

悪循環です。

 

脳の中に沈着するタンパク質アミロイドβが、神経細胞を壊し、アルツハイマー病の原因になります。

動物実験では、運動しているネズミほど、脳にアミロイドβが溜まらないと証明されています。

 

人間にも、同じことが当てはまります。

脳の老化防止は、身体の老化防止と同時に進める必要があるのです。

 

■お勧めは有酸素運動

 

運動は、筋肉や関節の廃用性退化を防止することを第一の目的に行います。

 

したがって、息を止めて身体に強い負荷を一気にかける無酸素運動ではなく、呼吸しながらゆっくり行なう有酸素運動がお勧めです

身体の糖質や脂肪が、酸素と一緒に消費されるからです。

50歳代より上の人なら、少し汗をかく程度で週に3回程度、30分くらいずつ行います。

 

 

真っ先に鍛えるべき筋肉は、太ももの前側にある大腿四頭筋です

身体の中でも大きな筋肉なので、使わずにいると基礎代謝が落ちて太りやすくなったり、免疫力が低下する原因にもなります。

ここが弱くなると膝関節の曲げ伸ばしが辛くなり、逆に柔らかく保つことができればひざ痛を改善できます。

 

大腿四頭筋を鍛えるには、相撲の四股やスクワットが適しています。

加齢によって関節の可動域も狭くなるので、ストレッチで曲げ伸ばしするといいでしょう。

錆びかけた機械に潤滑油を注すような効果があります。

 

<お勧めする運動

 

○呼吸しながらの有酸素運動

大腿四頭筋を鍛える

(相撲の四股、スクワット、貧乏ゆすり)

○速足でじわっと汗をかくくらいの散歩

○日常生活での運動の習慣

 (階段の上り下り)

△テレビを見ながらの5分間体操でも、やるとやらないとでは大違い

 

※デュアルタスク(二重課題)はより効果的になる

 

<ダメな運動

 

×ちんたら散歩

×きついノルマを課したマシントレーニン

 

大切なのは、きつく感じない程度に留めることです。

運動の必要を痛感して取り掛かる人ほど、きついノルマを課し過ぎます。

毎日ジムに通い、汗だくになりながら何種類ものマシンに挑んでも、長くは続かないものです。

 

軽すぎては意味がないと思いがちですが、もっと意味がないのは止めてしまうこと

テレビを見ながらできる毎日5分の体操でも、やるとやらないとでは大違いです

達成感より継続を追求すべきなのです。

 

 

周りに人がいない環境ならお勧めしたいのが、貧乏ゆすりです

つま先を支点にした小刻みな膝の上げ下げが、太ももの運動になります。

逆にかかとを支点にして、つま先を上げ下げするのもいいです。

これなら、テレビを見ながらでもできます。

 

散歩を日課にするのもお勧めですが、ちんたら歩くだけでは筋肉への刺激になりません。

同じ時間を使うなら、やや速足でじわっと汗をかくくらいの負荷を身体全体にかけ、効果を高めるべきです。

 

生活の中で、なるべく動く習慣をつけることも必要です。

駅のエスカレーターを使わずに階段を上り下りするだけでも、筋肉や関節の萎縮防止になります。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

 

脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

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■人格が丸くなる人と尖る人

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■人格が丸くなる人と尖る人

 

メンタルの老化によって、人格が変化することがあります

これには円熟化と先鋭化(せんえいか)があり、人格が丸くなって怒らなくなった場合は円熟化、怒りっぽかった人がますます怒りっぽくなるのは先鋭化です

丸い飴玉になる人と、金平糖みたいに尖る人がいるわけです。

 

どちらになれるかは、人それぞれ。

元の性格が影響するのは当然ですが、脳の血管と神経細胞の老化が、どの部分に影響を及ぼすかにもよります。

前頭葉の上面のほうが委縮すると、意欲が落ちていき、性格的には丸くなります。

下のほうが委縮すると抑制が外れるので、先鋭化する傾向があります。

 

 

認知症のひとつであるピック病(前頭側頭型認知症)の特徴的な症状も、人格の変化です。

理性や感情のコントロールがきかなくなり、自己中心的な言動が目立ち、怒りっぽくなったり、交通違反をしたり、店でものを取って食べて平然としているなど、日常生活で常識を外れた行動異常が見られます。

 

初期には記憶が保たれているので、記憶が低下しても人格が変わらないアルツハイマー病とは対照的。

40~60代の比較的若い世代で発症するのも、特徴です。

 

このピック病は、大脳の前頭葉・側頭葉が委縮することによって、意欲が暴走してしまうのです。

 

 

■変化を促す4つのピーク

 

では、性格は何によって形成されるのかと言われると、これが難しい。

遺伝という言い方をすると親の影響だけになってしまいますが、第一に先天的な要素があります。

 

母親のお腹にいる胎児のときから、脳の神経細胞は育ち、ネットワークを形成します。

そのネットワークの作られ方によって先天的な性格は決まるのですが、その細かい仕組みは解明されていません。

 

たとえば一卵性双生児の場合、遺伝子がまったく同じですから、同じような病気にかかることがありますが、一致率は50%くらいです。

性格も同じにはなりません。

それは、生まれたあとの環境要因が影響するからです。

 

もちろん、穏やかな環境や精神状態に置かれたほうが、健やかに育つことは確かでしょう。

 

 

発育には、いくつかピークとなる時期があります。

親から離れて小学校に入る前の5、6歳までと、ホルモンが変わってくる第二次性徴気、つまり思春期です。

それから、社会人になるという大きなライフイベントの時期が、身体面にも精神面にも影響を及ぼします。

そして初老期から老年期に、老化が進むわけです。

 

 

■性格と病気の親和性

 

若い部下への対処に困った上司の方から、相談を受けることがあります。

「どれほど注意しても、仕事ぶりが変わらない。発達障害ではないか。注意欠陥・多動性障害(ADHD)ではないか」と言うのですが、入社試験に受かって会社勤めができている人なら、基本的にそうした障害はないものです。

 

「意・情・知」の下には、持って生まれた性格と、現在置かれた環境があります。

注意や叱責を気にしすぎ、その日にやるべき仕事を一から十まで書き出し、終わらせなければという重圧でさらに時間がかかり、延々と残業する部下がいます。

一方で、「もういいや」と諦め、5時になると帰ってしまう部下もいます。

 

これは、元々の性格の違いです。

それぞれの性格が、老化によって円熟化するのか、あるいは先鋭化されるのかは、また別の話です。

 

 

精神医学では「病前性格」といって、性格と病気の親和性に注目します。

 

うつになりやすい人や統合失調症になりやすい人には、性格的な傾向があるのです

一方、認知症になりやすい性格傾向はありませんが、認知症の症状の現れ方には、元の性格が影響します

 

また、会社の給料が低いとか、上司が細かくガミガミ言いすぎるせいで仕事にやる気が出ないとすれば、性格より環境が原因でしょう。

 

まず元の性格があり、次に環境があり、さらに老化が影響することでメンタル面は変わってきます

これも人間の面白いところです。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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ビタミンB群が不足するとエネルギーを生み出すことができず、疲れがなかなか回復しなくなったり、細胞の修復機能がダウンして、肌荒れや口内炎が治りにくくなったりするのです。

なかでも注目が、ビタミンB12です。

古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

 

また、ビタミン欠乏症が原因で、認知症になるケースがあるそうです。

ビタミンの種類は、ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸

東京武蔵野病院 副院長 田中信夫先生によれば、認知症患者の血中ビタミンB12は、通常の人より少ないそうです。

認知症の方に、ビタミンB12を投与すると、ボケ症状、特に感情障害、夜間せん妄、意欲、自発性の障害などの精神障害が軽くなると言われています。

高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

 

現在60歳以上の2割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。

ビタミンB12は胃の内因子という糖たんばくと結合し吸収されますが、年齢とともに胃が小さくなったり胃の状態が悪くなったりして、内因子が少なくなりビタミンB12の吸収が悪くなってしまうのです。

血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。

とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。

萎縮性胃炎など胃の病気などで内因子が作れない場合も吸収が困難になります。

しかし、ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による押し込み効果によって胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。

吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と考えられています。

最近では、ケタ違いに大量のビタミンB12を摂取することで、脳神経系にさまざまな効果が認められることがわかってきました。

脳神経系への積極的な作用を期待するには、1日に3000μg(マイクログラム)をとるよう提唱しています。

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

 

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段階4.メンタルの老化――意欲を高めて役割を果たす

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段階4.メンタルの老化――意欲を高めて役割を果たす

 

脳の神経細胞の老化は、メンタルの老化という形でも現れます

血管の老化と神経細胞の老化によって、人間ならではの形で現れてくるのが、精神面の衰えなのです

 

例えば、抑うつ感、気弱、おっくうさといった精神状態です。

 

メンタルが老化すると、普通にこなしていたことが何となく面倒になってきます。

仕事に対するやる気や趣味の楽しさを感じなくなったり、若い頃に比べると情熱が減ってきたり、身体の疲れを感じやすくなったり。

「まあ、いいか」が口ぐせになって、諦めたり先延ばしにすることが増えたりします。

 

 

これらは正常な老化ですが、わかりにくいのはメンタルの健康に定義や指標がないからです。

平均値から健康な範囲を定義づけたり、それを逸脱すれば機能異常だと判断することができません。

 

そこで心理学や精神医学では、メンタルの健康について「価値基準」という評価を行ないます。

 

学生だったら、毎日学校に通い、授業をさぼらず勉強できるかどうか。

社会人なら、会社へ行って仕事をするなど、与えられた役回りをきちんとこなせるかどうか。

その人にとっての価値をクリアしていればメンタル面で健康だという評価を、価値基準と呼ぶのです。

 

平均値を当てはめるのではなく、個人個人の環境や立場に応じて、社会的にやらなければならない役割を全うできているかどうかで判断するわけです。

 

 

血管や神経の老化を生物学的だとすると、メンタルの老化は人間独特の社会生活や行動をする上での症状です。

漠然と「今日は会社に行くのが嫌だな」と感じてしまう。

若い頃には徹夜仕事など平気だったのに、無理が利かなくなってくる。

人はそれを体力の低下と捉えがちですが、メンタルの老化なのかもしれません。

いつも仕事をさぼっているあの人も、実はメンタルの老化が進んでいるのかもしれません。

周りから「アイツ、やる気ないな」と見えてしまうのですが、踏ん張りが利かなくなって「ここらでいいかな」と妥協するしかないのは、本人にとっても辛いことかもしれません。

 

個人によって幅はありますが、次第に価値基準を満たせなくなり、役割を完全に達成できなくなったときは病的な状態だといえます。

 

 

しかし、画像で見ると脳が委縮しているのに、バリバリ働いている人もいます

それは意欲の問題です

「意・情・知」のうちの意と情は、メンタルに強く影響するのです

 

老化に伴い、社会的な役割の中で自分の果たすべき仕事の量が落ち、無理が利かなくなってくるのは自然なことです。

しかし、反対に、ミスは少なくなるように脳は働くものです。

 

体力や集中力の低下を経験や判断力でカバーしたり、上手に手を抜くことで、若い人に負けないクオリティと自らのメンタルステートを保つ

そうやって価値基準を満たそうとする老練さこそ、健康な老化だと考えます。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク(アミロイドβタンパク)合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、タンパク(アミロイドβタンパク)と核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若返りにもつながることにもなります。

高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。

 

ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。

十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。

また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。

同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。

ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に大切な栄養素です。

 

ビタミンB12は、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。

加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。

さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

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「情」で大切なのは「楽しい」という感情

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「情」で大切なのは「楽しい」という感情

 

意欲を高めることの次に大切なのは、情です。

感情にもさまざまありますが、脳の健康のためには、悲しみや辛さを感じるより、前向きな方が望ましいのです。

 

健康な人でも年齢を重ねるにつれ、意欲は自然と落ち、社会的な活動も減ってしまいます。

それは正常な老化ですから、どうやって意欲を湧き立たせていくかが大切。

 

意欲を支えるキーワードは、「楽しい」という感情です

「好きこそものの上手なれ」という言葉の通り、楽しむことは大切です

ゴルフやカラオケが好まれるのは、仲間に勝つことが快感だったり得点で上達を感じられたりするなど、楽しさがあるからです。

楽しくなければ意欲は薄れ,何に取り組んでも長続きしないものです。

 

 

楽しむことには、意欲も高める相乗効果があるのです

鍛えた筋肉が衰えないのと同じように、神経細胞も活性化し、ネットワークの働きも維持できます

 

意欲がなければ、喜怒哀楽の感情も湧きません。

もっとも、喜と楽がよくて怒と哀はダメと割り切れるわけではなく、怒の感情をプラスのエネルギーに換えて頑張れることもあります。

何事もバランスが肝心です。

 

しかし、感情の起伏が激しすぎる人は、神経細胞を維持しやすい代わり、ストレスを溜めたり寝不足になりやすいというマイナス面があるかもしれません。

 

怒ると頭に血がのぼると言われる通り、イライラすると、戦いの神経である交感神経が速やかに働き、血圧を上昇させます。

血圧が下がった状態では戦えないので、目がカーッと開かれ、のどが渇きます。

しかし血圧が上がり過ぎると、脳の血管が切れてしまう場合もあります。

 

「知」を鍛えるゲームは?

 

「意・情・知」のいちばん上に位置するのが知能です。

認知症というのは、脳の老化のうち知の部分の破綻です。

 

知能そのものの衰えを予防する方法としては、計算ドリルや漢字パズルなどの脳トレが有名ですが、学術的にはあまり効果はないとされています

 

数字が変わるだけで、やることは同じ計算やパズルだからです。

集中力はつくかもしれませんが、脳の一定の部分しか使いません。

同じ作業を繰り返していると、使わない部分の脳はさぼってしまうのです。

 

巷に溢れている脳トレは、脳機能の一部分を捉えた鍛え方にすぎないと思います。

もちろん、意欲をもって楽しんでいればいいのですが、義務のようになって苦痛に感じながらやるのでは、意味がないと思います。

 

また改めて詳しく述べますが、お勧めは囲碁や将棋、トランプやマージャンなどの対人ゲームです

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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ハーバード大学が20年にもわたって行なった調査によると、激しい怒りの後には、急性心筋梗塞狭心症などの心臓発作を起こすリスクが4.7倍まで急上昇するそうです。

ただ、血管に悪いとわかっても、怒りや嫉妬といった感情は自然に湧き上がってくるもの。

完全になくすということはできません。

避けることはできないのなら、湧き起こってきた怒りを以下に鎮めるか、ストレスが持続しないように、いかに発散するかが大事です。

 

カーッと頭に血が上ったとき、簡単にできるリラックス法が、息を吐くということ。

ふーっと腹式呼吸で息を吐くと、副交感神経の働きを強めてくれます。

オフィスでも、どこでもすぐにできるのでおすすめです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。

 

ビタミンB12について?

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「意・情・知」の大切さ

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「意・情・知」の大切さ

 

「知情意」という言葉があります。

人間の精神活動の基本で、普通は「知性・感情・意志」を指します。

ドイツの哲学者カントの唱えた「知情意」は、情と意が右と左で知が上にある、三角形の概念です。

 

 

わたしは「知性・感情・意志」ではなく、「知能・感情・意欲」と捉えています。

知能とは、人間が道具を使ったりコミュニケーションを取ったり、社会生活を送っていく上での認知機能のことです。

 

土台は意=意欲

 

この中で土台となるのは、意欲です。

一番下に意、その上に情、一番上に知が乗っかっているタテ並びの「意・情・知」です。

 

まず意欲を持たなければ、感情は動かず、知能を駆使するような活動に至らないからです

脳の健康は、意欲がどのくらい強いかに左右されると考えています

 

身体のコンディションと血管の健康が、そこへ影響をおよぼします。

身体が不調のときは、何をするにもやる気が湧きません。

身体の調子がよければ、前向きにも貪欲にもなれます。

 

人間の活動にとって最も重要な意欲を、脳の中で司る部分は前頭葉です。

ところが血管性の障害が起こったとき、真っ先に機能が衰えるのは前頭葉なのです。

するとたちまち、意欲が失われてしまう。

繰り返し述べている血管の大切さに、やはり話は戻るわけです。

 

 

意欲が活発になると、脳の中の神経細胞は活性化します。

ニワトリが先か卵が先かのような話ですが、神経細胞がたくさん働いている人は意欲が旺盛で、意欲があれば代償機能やネットワークも維持されるのです。

 

意欲には、自分から進んで取り組むことによって出てくる場合と、周囲から期待されることによって出てくる場合があります。

 

仕事そのものが生きがいだと感じる人は、自分の目標を達成することに意欲が湧くでしょう。

仕事は客観的な成果を要求されますから、たとえ気が進まなくてもやらざるを得ない面があります。

でもその時にも、課せられた責任を果たすとか顧客のために尽くすという点で、やりがいを感じる人もいるでしょう。

 

 

定年間近になった会社員が窓際に追いやられたり、再雇用で給料が下がったために意欲を失ってしまうのは、脳にとってもったいない話です。

 

若い社員に伝えるべき経験や、ベテランにしかできない仕事もあるはずです。

好きなことや新たなやりがいをセッティングしてあげられれば、脳の神経細胞が活性化され、ネットワークも活発になります。

そこでもうひと働きできれば、会社にとってもプラスになるはずです。

居場所を与えられることや他人から得られる評価は、受け身の意欲だとしても脳を刺激するのです。

 

定年退職した途端、生気をなくしてしまう人がいます。

主婦の方から「子どもが小さいときは頑張っておかずをいっぱい作ったけど、独立してしまってダンナだけになったら、もう作る気がしない」というお話を聞くこともあります。

 

こういう方々は、意欲をもてる対象を新たに探す必要があります。

たとえば、働くのはお金を稼ぐためと割り切っている人は、やりがいのある趣味を見つけなければなりません。

 

 

意欲は、生物として本能的に備えている睡眠欲や食欲、性欲と結びついています。

人によっては低かったり、病的に高い場合もありますが、多くの人間は知性や道徳観によってその度合いをコントロールしています。

 

フロイト精神分析学では、自分を抑えるスーパーエゴ(超自我)という心の領域があって、意欲や欲望や本能と、道徳心や社会性のバランスをとっていると考えます。

 

 

脳科学から見ると、睡眠欲や食欲も含めた本能的な欲求は大脳辺縁系が司っていて、左右の大脳半球に挟まれている間脳が中継しています。

その欲求をコントロールしているのは、人間にとって司令塔に当たる前頭葉です。

本能を理性で制御しているわけですから、フロイトの説は脳科学的に見ても正しい部分があるといえます。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。

LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

 

でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?

それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。

LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。

ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。

それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。

 

この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。

ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。

ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。

心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。

この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。

そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。

 

それはビタミンBです。

ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。

ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。

体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

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