脳にとっては「意欲」が大事。何事もデュアル、トリプルで楽しむ
■意欲が盛んなら感情と知能が働く
脳には「意・情・知」が大切です。
意欲は脳の前頭葉。
感情は前頭連合野。
知能は、海馬から側頭葉、頭頂葉が担当しています。
身体にとって大切なのが血管なら、脳にとって大切なのは意欲です。
順番に言うと、まず身体全体が元気であること。
次に血管が元気であること。
その次に、意欲が盛んであることで感情と知能が働き、脳の健康と人間らしい生活が成り立っています。
1.デュアルで楽しむことが大切
しかし意欲は、加齢に伴って衰えてくるものです。
脳の老化を防ぐためには、意欲をどう維持して前頭葉の活動を活性化させるか、が大切になります。
そのためのキーワードは、楽しむということです。
運動もゲームも、楽しくなければ成果は上がりません。
運動のところで、デュアルタスクの効果について触れました。
2つの作業を同時に行うことで、脳は活性化します。
しかし、何も難しい作業に挑む必要はなく、楽しむことが肝心です。
2.旅行はトリプルで楽しい
デュアルを超えて、効果をトリプルにする方法もあります。
旅行に行くときを思い起こしてください。
単に「旅行に行って楽しかった」では、もったいないです。
まず、どこへ行って何をするか、目的地とプランをあれこれと練ります。
それから実際に行って楽しみ、帰ってきたあとはビデオや写真などを見ながら思い出を振り返ります。
一度の旅行で、三度の楽しみを味わうわけです。
3.散歩の効果を3倍にする
日課の散歩にも、同じ工夫を取り入れてみましょう。
まず「今日はここへ行ったから、明日はあちらへ行ってみよう。あそこの公園に行くと、どんな花が咲いているかな」と考える。
翌日はその公園へ行き、花を探して愛でながら歩く。
帰って来て「今日、あの花はつぼみだったけど、明日は咲くかな」と反芻してみる。
そうやって脳を楽しませたり刺激したりすると、単なる散歩の効果が3倍になります。
計画したり、判断したり記憶をよみがえらせたりするのは、前頭葉の仕事だからです。
皇居の周りをジョギングするのはかっこよくてあこがれます。
じつは、車の排気ガスを吸うのは気になりますが、同じコースを回るだけでは脳はあまり働かないように思います。
せっかく同じ時間を使うなら、合わせて前頭葉を刺激するほうがお得です。
脳の健康は、何かひとつだけやっていれば維持できるものではありません。
ひとつの行動に何か楽しみをプラスすることで、脳が老化するリスクを減らす工夫をすべきです。
「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が「卵黄」です。
なお、レシチンをアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
アルツハイマー型認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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