老化というのは、体が酸化すること。
鉄が錆びていくようなものです。
動物は呼吸により酸素を取り入れエネルギーを燃やして生きているわけですから、「生きること=酸化すること」。
いわば、老化は避けられない宿命ともいえます。
とはいえ、この呼吸のプロセスの中で、特に悪さをするものがあります。
酸素を吸いこんだときにエネルギー産生に使われず体内に残ってしまう2~3%の酸素由来物質。
これが「活性酸素」と呼ばれているものです。
フリーラジカルというのは、ペアになっていない電子を持っている原子や分子のこと。
ペアになっていないので、とても不安定な存在です。
正常に働いていた遺伝子や細胞膜を次々と破壊し、異常な状態を引き起こします。
つまり病気や老化のもととなるものなのです。
代表的な活性酸素は、「ヒドロキシルラジカル」「スーパーオキシドラジカル」「過酸化水素」「一重項酸素」の四つ。
そのうちヒドロキシルラジカルが人体にもっとも有害なフリーラジカルで、細胞膜の成分である脂質を酸化して「脂質ラジカル」など危険なフリーラジカルを発生させ、動脈硬化やがんの原因になる「過酸化脂質」をドミノ倒し的に増やしていきます。
過酸化水素や一重項酸素はフリーラジカルではないのですが、過酸化水素は体内の鉄分と反応してヒドロキシルラジカルの発生源となり、また、一重項酸素は目や皮膚に大きなダメージを与えます。
若いときは、ホルモンや酵素などが体内でたっぷりと分泌されているので、それらが強固な抗酸化ネットワークをつくり、フリーラジカルや活性酸素が暴れるのを防いでくれています。
ところが年をとると、ホルモンも酵素も減ってきて、悪さを止められなくなります。
それが、いわゆる老化や病気です。
老化を遅らせて若さをキープし、病気を未然に防ぐためには、私たちの体に備わっている抗酸化力を高めてやることが必要です。
つまり、錆びない体をつくるようにすればよいのです。
抗酸化力を高めるには、ストレスを減らすことや、良質な睡眠、適度な運動など、いくつかの有効な方法があります。
何か一つだけで魔法のように若返るというわけにはいきません。
生活全体が大切ということを理解していただいたうえで、まず食べ物や飲み物について考えていきましょう。
「15歳若返る錆びないカラダのつくりかた より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!