第2章 あらゆる料理がおいしくなる魔法の『精進だし』の作り方
▼高血圧対策の味方「自家製だし」
非常に多くの食品に含まれている「隠れ塩分」ですが、市販されている「だし」も例外ではありません。
これらは鰹や昆布など素材のエキスや風味だけを抽出したものと思いがちですが、実際は小さじ1杯あたり1グラム前後の塩分が含まれています。
コンソメや中華スープの素も同様。
本格的に減塩を目指すなら「だし」は自家製の「精進だし」をおすすめします。
「精進だし」とは、植物系の素材だけで作った天然だしのこと。
醤油や塩を加えずに素材の持つ風味だけを抽出するので、塩分やカリウムを気にせず、慢性腎臓病の方も安心して使うことができます。
ここで紹介しているレシピは干し椎茸、昆布、煎り大豆、かんぴょうと4種類の材料を使用しており、奥深い味わいが特長。
薄めの味付けにしてもまったく気にならないほど香味が豊かなので、煮物や汁物など基本のだしとして常備しておくと便利です。
昆布を加えず、そのぶん大豆とかんぴょうを増量すれば、さらに減塩することもできます。
このように香味を増すことでの薄味をフォローする食べ方は、主菜や副菜にも応用が可能です。
たとえば大葉やねぎといった香味野菜をトッピングして後づけの醤油やソースを半分にしたり、レモン汁や唐辛子で薄味の物足りなさを補ったりするのもおすすめの食べ方です。
▼「精進だし」を作ってみよう
調味料をいっさい使わない自家製の精進だしは高血圧対策の強い味方。
風味がよいので薄味でもまったく気にならず、カリウムも控えめなので慢性腎臓病で食事制限のある方でも安心して食事を楽しむことができる。
●材料(一例)
大豆(乾燥)……30g
干し椎茸……1個
昆布(干し)……10×5cm
かんぴょう(干し)…15cm
水……2リットル
●作り方
1.フライパンに大豆を入れて火にかけ、軽く色がつくまで乾煎りする。
2.すべての材料を鍋に入れ、一晩置く。
3.鍋を強火にかけ、沸騰したら火を弱めて、アクをとりながら5分煮る。
4.冷めたら濾し器で出汁がらを取って完成。
▼香味野菜や香辛料でひと工夫
使い慣れた調味料に代えて、ショウガや大葉などの香味野菜、コショウや唐辛子、カレー粉といった香辛料を加えて風味をアレンジすることで薄味の物足りなさを補うことができる。
いろいろな組み合わせを試してみよう。
・コショウ
・レモン
・ネギ
・大葉
・唐辛子
「腎臓の話 より」
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
同時に、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12について?