脳の情報伝達のしくみ

脳の情報伝達のしくみ

 

セロトニン神経があるのは、脳幹のほぼ中央に位置する縫線核という部分です。

いわば、脳のへその部分にセロトニン神経があるわけです。

その位置からしても、セロトニン神経の重要性が想像できるでしょう。

 

セロトニン神経は、脳全体にさまざまな情報を送って、心と体をコントロールしています。

その手段となるのが、セロトニンという神経伝達物質というわけです。

 

セロトニン神経が活発であればセロトニンの分泌が多くなり、弱くなれば分泌が少なくなります。

そして、分泌が多ければ、それだけ情報も脳全体に伝わりやすくなります。

 

とはいえ、1つひとつの神経細胞は、ごく小さいものです。

これで、どうやって広い脳全体に情報を伝えることができるのでしょうか。

 

その役割を負っているのが、神経細胞から突き出している軸索という器官です。

これがケーブルのような役割をはたして次の神経細胞と接続して、次々に情報を遠く離れたところに送り届けているわけです。

 

ただし、神経細胞神経細胞の間には隙間が空いています。

そこで、その隙間を越えて情報をバトンタッチするために、神経伝達物質を使っています。

詳しくいうと、軸索の末端にインパルスと呼ばれる電気信号の衝撃が到達すると、そこから神経伝達物質が放出されて、さらに次の神経に情報が送られるというしくみになっているのです。

 

セロトニン神経でいうと、神経細胞のインパルスの衝撃が末端に達することでセロトニンが放出されて、相手の神経細胞の表面にあるセロトニン受容体がそれを受け取るわけです。

 

セロトニン以外にも、このような神経伝達物質は100種類以上存在しています。

そして、神経伝達物質の種類や成分によって、心や体に興奮が引き起こされたり、抑制が利いたりというように、作用が変わってくるわけです。

 

セロトニン神経が活発に働くのは、目が覚めている時間帯です。

つまり、朝起きてから夜寝るまで、セロトニン神経は休むことなくインパルスを出し続けていることになります。

 

一方、睡眠中はセロトニン神経の活動が弱くなり、セロトニンはほとんど分泌されなくなります。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。

気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。

とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。

しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。

しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/

 

イライラが止まらないのは性格のせいではなかった!

イライラが止まらないのは性格のせいではなかった!

 

たとえば、通勤時間の駅のホームを歩いていると、見知らぬ人の肩がぶつかってきたのに、相手は何もいわずにそのまま去って行ってしまった。

そんなときの自分自身の反応が、ときによって変わることはありませんか。

 

あるときは、ムカッとしてイヤな気分がいつまでも残り、会社に着いても「礼儀知らずなやつだ」と腹を立てているかと思えば、ときによっては「混雑していたのだからしかたがない。あの人にも事情があったのだろう」と考えて、すぐに忘れてしまうこともあります。

 

これは、セロトニンの状態に違いがあったからかもしれません。

脳内のセロトニンの量が充分でないと、重しがうまく働きません。

重しのないダルマが、叩かれてもすぐにはもとに戻らないのと同じように、ちょっとしたストレスを受けただけでも平常心を失ってしまうのです。

いつまでもうじうじと文句をいい続けたり、場合によってはその場でキレて大声で怒鳴り散らすということにもなりかねません。

 

しかし、セロトニンがたっぷり脳内に蓄積されていると、ちょっとやそっとのストレスを受けても、すぐにもとに戻ることができます。

重しがしっかりしているために、少しのことには動じない状態でいられるからです。

 

もちろん、ぶつかった瞬間は、ムッとしたり、腹を立てたりするのは人間として当然のことです。

ときには「気をつけろ」ぐらいいってもおかしくはありません。

 

問題はその先です。

セロトニンが減っていると、いつまでも腹を立てた状態でいたり、時間が経ってもムカムカし続けてしまうのです。

しかしセロトニンがたっぷりあれば、その場で腹を立てたとしても、それでおしまい。

そこから先はうだうだと考えることがありません。

 

ストレスをさらっと受け流せるがどうか、それを左右するのがセロトニンというわけです。

 

受け流すというのは、決して逃げることではありません。

一瞬カッと興奮するかもしれないけれども、すぐにもとの冷静な顔に戻っている様子を思い浮かべるといいでしょう。

それがまさに、ダルマに象徴される「心の復元力」を持っている状態です。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

ハーバード大学が20年にもわたって行なった調査によると、激しい怒りの後には、急性心筋梗塞狭心症などの心臓発作を起こすリスクが4.7倍まで急上昇するそうです。

ただ、血管に悪いとわかっても、怒りや嫉妬といった感情は自然に湧き上がってくるもの。

完全になくすということはできません。

避けることはできないのなら、湧き起こってきた怒りを以下に鎮めるか、ストレスが持続しないように、いかに発散するかが大事です。

 

カーッと頭に血が上ったとき、簡単にできるリラックス法が、息を吐くということ。

ふーっと腹式呼吸で息を吐くと、副交感神経の働きを強めてくれます。

オフィスでも、どこでもすぐにできるのでおすすめです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/

 

打たれ強い自分に変わる「ハッピーホルモン」

打たれ強い自分に変わる「ハッピーホルモン」

 

「ストレスフリーな脳」は、誰でも手に入れることができます。

「つらいことがあると、すぐにへこんでしまう性格だから無理」「生まれつき気が弱いから」という人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

鍛え方しだいで、誰でもストレスに負けない、打たれ強い人になることができるのです。

 

ストレスに耐える力が生まれつきのものではないことは、長年の脳神経の研究からも証明されています。

結論からいうと、ハッピーホルモンであるセロトニンオキシトシンを増やすことによって、そうした力を身につけることができるのです。

 

そもそも、性格というもの自体、生まれつきということはありません。

 

確かに、人間の脳細胞の数は、生まれたときにほぼ決まっており、一部の細胞を除いて増えることがありません。

しかし、脳細胞の数自体は増えなくても、知識や経験を積むことによって、細胞同士をつなぐ神経のつながりはどんどん複雑化していきます。

これによって、私たちは知識や経験を自分のものにしていくのです。

 

つまり、脳というものはあくまでも生後の環境によって発達するものなのです。

知識や経験が環境によって育まれていくことはもちろん、性格もまたそうした知識や経験をもとにして、後天的につくられるものだということを頭に入れておいてください。

 

また、日本人と欧米人では、生まれつきストレスに耐える能力に違いがあるのではないかと考える人もいるでしょう。

実際に、日本人の脳と欧米人の脳を比較した研究者もいるのですが、決定的な差を見出すことができませんでした。

やはり、人種の差よりも生まれ育った環境差のほうが大きいと考えられます。

 

欧米に限らず、中国や東南アジア諸国でも、大変な生活環境でたくましく生きている人をよく見かけます。

しかし、それは彼らが生まれつきたくましかったわけではなく、周囲の環境に適応するため、あるいはそうした教育を受けてきたために、ストレスに負けないたくましさを手に入れたに過ぎません。

 

「ストレスフリーな脳」は持って生まれたものではなく、ハッピーホルモンを増やすちょっとした努力を続けるだけで、今からでも誰もが手に入れることができるものなのです。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。

しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。

このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。

これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。

 

ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。

新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。

この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。

しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。

このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。

 

ニューロン(情報の伝達と処理に特化した神経細胞)同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。

このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。

高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。

その中でも重要なものがビタミンB12なのです。

脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/

 

ダルマの片目は、社会を見通す「心の目」

ダルマの片目は、社会を見通す「心の目」

 

大願成就を祈るダルマには、最初に目を書き入れます。

 

「ストレスフリー」とは、ストレスのなかで手も使わず足も使わず、倒れても確実に起き上がってくるようなありようだと述べました。

そのときに大切なのは、ダルマのように片目はつねに見開いていることだと思うのです。

 

会社での人間関係、家庭内のトラブル、社会の矛盾など、私たちを襲ってくるストレスに対して、けっして目をつぶることもそらすこともない、カッと目を見開いて事の本質や人間の本心を見通す目を養うことが重要です。

そう考えると、この目はもちろんものを見る目ではありますが、同時に「心の目」を表しているように思えてきます。

 

では、事の本質や人の本心を見通す「心の目」とは、具体的に何を指しているのでしょうか。

 

それは、相手の気持ちや考えを読み取る心です。

 

私たちには、ことばを使わなくても他人とコミュニケーションをする能力が備わっています。

たとえば、相手のちょっとしたしぐさや目つき、視線などを観察することで、私たちはその人の心の動きや考えを、かなりの程度知ることができます。

 

こうした能力こそが、「心の目」なのです。

そして、この能力を兼ね備えているからこそ、私たちは他者と共感することが可能になるわけです。

 

逆にいえば、「心の目」を社会に向けて開いていないと、他人の気持ちや心を推し量ることができません。

自分勝手な行動に走ったり、自分の殻に閉じこもってしまう結果になりがちです。

 

つまり、あの片目を見開いているダルマの姿というのは、社会とのコミュニケーションを図り、共感する力を象徴していると思えるのです。

外界に向けて目をしっかり見開きながら、それでも戦わず、逃げずにいるという状態は、まさに「ストレスフリー」な生き方を体現しているのではないでしょうか

 

 

大願成就で目を書き入れる意味

 

大願が成就すると、ダルマのもう片方の目に目玉が入ります。

ここに至るまでの過程は、人の生き方をよく示していると思います。

信念を持ち続け、困難や障害に遭っても「七転び八起き」でやっていくと、最後には願いが叶う――そんな象徴として、私たちは願をかけて、神棚や目立つ場所にダルマを飾るわけです。

 

願いというのは人によって、お金持ちになりたい、いい成績をとりたい、美しくなりたい、試合に勝ちたいなど、さまざまでしょう。

そうした夢や希望を描いて、私たちは努力を積み重ねます。

 

そして、努力が実を結んで希望が叶い、お金持ちになったり試合に勝ったりといった報酬がもたらされると、それに合わせてもう片方の目が開かれるわけです。

そうしてみると、願い事が叶ったときに入れる片目は、「生きる目標」の象徴と呼んでいいでしょう。

 

報酬のために努力する――もちろん、これは私たちの人生において欠かせない要素です。

誰もが夢や希望を持っているからこそ、それを目指して努力できるからです。

ただ、そうした夢や希望だけを目標に生きていると、思わぬ落とし穴が待ち構えています。

 

今やいくらがんばっても、給料も地位もなかなか上がりません。

むしろ、給料や地位が下がることもあれば、下手をすればリストラされることだってあります。

現代の日本のような時代では、出世やお金持ちになることを人生の目標としている限り、幸せになることは不可能なのです。

 

さらに、過去に例を見ないような自然災害が頻発するようになりましたし、新型コロナが世界的に流行して感染症の恐ろしさも実感しました。

実際に、昨日まで賑わっていた店が一夜にして客足が途絶えたり、好景気に沸いていた業種が突如落ち込んだりという事例を私たちは目の当たりにしました。

世の中の不確実性はさらに増すばかりです。

 

では、そんな時代には、何を人生の指針とすればよいのでしょうか。

 

その答えも、実はダルマが用意してくれています。

ヒントは、願いが叶ってから開く目ではなく、ずっと見開いている目にあります。

 

現代の世の中において本当に大切なのは、しゃにむに個人的な目標を実現しようと邁進することではなく、社会に目を開き、他者と共感しながら生きていくことなのです。

今の時代で幸せな人生を求めようとするなら、他者とのコミュニケーションを大切にして、何よりも共感する力を磨くことです。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。

コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。

役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。

これが、正常なストレス反応の流れです。

 

ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。

こうなると、状況が一変します。

コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。

まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。

 

副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。

ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。

そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。

その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。

 

また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。

私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。

このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。

ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアATPが十分につくれなくなる。

ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/

 

「ストレスフリー」を体現しているダルマの姿

「ストレスフリー」を体現しているダルマの姿

 

「心の復元力」ということばを聞いたとき、連想するのはダルマの置物です。

 

手足がなく、転んでもすぐ起き上がる、あのダルマの姿とありようこそが、イメージする「心の復元力」、そして「ストレスフリーな脳」を体現しています。

 

その理由として、第一に、ダルマには手がありません。

手がないというのは、物事をうまくコントロールしたり、イヤなものを払いのけたりできないことを意味しています。

 

私たちは、何かのストレスに襲われたときに、それに伴う不快な点を克服しよう、あるいは相手を打ちのめしてやろうと考えがちです。

ところが、手がなければ文字通り手出しができません。

つまり、ダルマに手がないことは、ストレスや悩みに対してムダな抵抗をしないことを象徴しているのです。

 

第二の理由は、ダルマに足がないことです。

足がなければ逃げることができません。

ストレスに襲われたとき、足があれば今いるところから簡単に逃避できますが、ダルマにはそれができません。

そこにとどまるしかないのです。

 

手がないことで戦うことをせず、足がないことで逃げることすらしない。

ただ、じっとそこにたたずんでいるのが、ダルマの姿であり、そこに「ストレスフリー」な生き方の核心を見ることができます。

 

ダルマというと、壁に向かって9年間座禅を続け、ついに悟りを開いたという達磨太師の故事ばかりが強調されがちです。

しかし、あの置物を見ていると、むしろそこには「戦わない」「逃げない」という人間のありようが込められているような気がしてならないのです。

 

 

転ばない人より「七転び八起き」できる人が強い

 

手足のないダルマは、ストレスを受けるだけの弱い存在なのでしょうか。

 

いいえ、そうではありません。

 

そこで、「七転び八起き」ということわざが大きな意味を持ってきます。

 

ダルマの形をした起き上がり小法師は、叩かれたり押されたりすると、いったんは倒れるものの、必ずまた起き上がってきます。

普通の置物や人形ならば、叩いたり押したりするとすぐ倒れてしまって、もとに戻ることはありません。

ところがダルマは、そこでまた何事もなかったようにクルッと立ち上がってくるのです。

この復元力はすごいことだと思いませんか。

 

人間に当てはめてみてください。

仕事でミスを犯して落ち込んでいたかと思っていたら、翌日には元気いっぱいで出社してきた。

親に叱られて当たり散らしていたのに、5分後にはケロッとしている――これが、倒れても、すぐにもとに戻ることのできる人です。

 

そして、これこそが、「ストレスフリーな脳」の持ち主なのです。

 

そもそもストレスがない世の中というものは存在しません。

ストレス自体を

どんな会社でも家庭でも、何かしらのストレスはあるものなのです。

それならば、ストレスは必ずあるということを前提としたうえで、なおかつストレスと無理に戦わず、しかも逃げない。

さらに、ストレスに襲われたら、いったんはへこむことがあっても、確実に起き上がることが私たち現代人には求められているのです。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。

コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。

役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。

これが、正常なストレス反応の流れです。

 

ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。

こうなると、状況が一変します。

コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。

まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。

 

副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。

ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。

そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。

その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。

 

また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。

私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。

このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。

ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアATPが十分につくれなくなる。

ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/

 

なぜ、打たれ弱い人が増えたのか?

なぜ、打たれ弱い人が増えたのか?

 

ストレスに強く打たれ強い人は、心の復元力が強い人です。

 

だから、仕事や人間関係でトラブルに見舞われても、「今はうまくいかないが、そのうちなんとかなるだろう」「確かに失敗はしてしまったが、これをいい糧としよう」と考えることができるのです。

 

でも、心の復元力を持ち合わせていないと、ストレスを受けたとたんに、すぐにへこたれてしまいます。

上司に文句をいわれたり、家族や友人との仲がうまくいかなかったりすると、とたんに落ち込んでしまうのがこのタイプの人です。

 

では、復元力の強い心を持つ人とは、具体的にどのような人でしょう。

 

中国や東南アジア諸国を旅行したことがある方は、現地でこんな人々をよく見かけたのではないでしょうか。

市場で丁々発止、値切り交渉を繰り広げる客と店主、あるいはバスや列車が20分や30分遅れようと動じることもなく悠然としている乗客――こうした人々を目にするたびに、「たくましいなあ」と感心してしまいます。

 

かつては、日本にもこうした「たくましい人」がたくさんいました。

 

私の父や母の世代は、戦時中、物資の不足や空襲の恐怖のなかで、明日をもしれない状態で生き抜いてきました。

戦後になると、軍国主義から民主主義へと価値観が大転換するとともに、食糧不足のなかで生きるか死ぬかの苦しい生活を送ってきたのです。

 

そうした体験によって受けた衝撃は、現代社会のストレスの比ではありません。

それでも、人々は希望をもって懸命に働き、日本を復興させてきたわけです。

この世代の人たちには、本当の意味での「たくましさ」があったに違いありません。

いわば「ストレスに負けない心」を持っていたのです。

 

それに比べて現代の日本はどうでしょうか。

日々の生活は比べものにならないほど便利になりました。

さらに、インターネットの発達によって、家に居ながらにして世界中の情報が瞬時に入ってきます。

ところが、そうした便利さと引き換えに、グローバル化による競争激化によって仕事における精神的緊張は増すばかり。

家にパソコンを持ち帰って、まさに1日24時間労働をしているような状態になってしまいました。

 

実は、長年の脳科学の研究によって、そうしたストレスだらけの社会環境の変化が、「たくましさ」や「心の復元力」を失わせたことがわかってきたのです。

 

かといって、現代の社会環境を昔のような状態に戻すことはできません。

それならば、私たち自身の精神の状態をもう一度見つめ直して、ストレスに負けない心を養うのが最善の方法です。

 

ストレスによって失われた「心の復元力」を鍛え直す方法は、おいおい紹介していくことにしましょう。

その方法を身につけることで、ストレス社会を生き抜く武器を手に入れることができるのです。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。

コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。

役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。

これが、正常なストレス反応の流れです。

 

ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。

こうなると、状況が一変します。

コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。

まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。

 

副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。

ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。

そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。

その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。

 

また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。

私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。

このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。

ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアATPが十分につくれなくなる。

ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/

 

質のよい睡眠をもたらす「メラトニン」の効用

質のよい睡眠をもたらす「メラトニン」の効用

 

ストレスに負けない心身をつくるために、もう1つ大切なホルモンがメラトニンです。

メラトニンが睡眠にかかわる物質だということは、耳にしたことがあるかもしれません。

 

そして、ストレス解消と睡眠には深い関係があることは、経験的におわかりと思います。

ひどくイヤなことがあっても、ぐっすりと一晩眠ることで、翌朝にはすっかり気分がよくなったという体験は誰にもあることでしょう。

質のよい睡眠をとることができれば、ある程度のストレスは十分に消すことができるのです。

 

では、質のよい睡眠をとるにはどうしたらよいでしょうか。

 

実は、それに深くかかわっているのが、メラトニンというホルモンです。

メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれているように、これが脳内の松果体から分泌されると、私たちはぐっすり眠ることができます。

そして、興味深いことに、メラトニンをつくる原料となるのがセロトニンなのです。

 

質のよい睡眠をとるには、昼間セロトニンがたくさん出る生活をして、メラトニンの原料をしっかり蓄える生活をすることが不可欠です。

 

メラトニンが正常に分泌されないと、眠りの指令を出すことができないので、夜になっても眠くなりません。

お風呂に入って布団にくるまることで自然に眠れるというわけではなく、そこにはメラトニンというホルモンが関わっているのです。

 

このように、ハッピーホルモンであるセロトニンオキシトシン、それに加えてメラトニンの3つは、それぞれが密接に関係を持ちつつ、私たちがストレス社会を生きていくうえで、大切な3本柱となっているのです。

 

 

脳科科学的に見た「新しい生活様式」の問題点

 

これまで私たちが過ごしてきた現代社会というものは、多くの人が都会に密集し、お互いに密接にコミュニケションをとることで大きな進歩を遂げてきました。

人々は密閉された部屋の中に閉じこもることで、温度も湿度も人工的にコントロールでき、効率よく仕事できたわけです。

 

そう考えてみると、都会生活というのは、「密閉・密集・密接」という、いわゆる「三密」によって成り立っていたともいえます。

三密が私たちの現代生活を特徴づけていたのです。

 

ところが、人間にとって効率のいい町は、ウイルスにとっても感染を広げるのに都合のよい場所でした。

三密は、新型コロナが広がる願ってもない条件となってしまったのです。

 

そこで、新型コロナの対策として打ち出されたのが三密を回避することでした。

通勤や通学はなるべく避け、ソーシャルディスタンスを守り、自宅からテレワークを行ったり、オンライン授業に参加したりするなどの「新しい生活様式」です。

 

では、新型コロナが終息したら、もとの生活に戻ることができるのでしょうか。

ウイルスが完全に消えるということは考えられませんし、たとえ新型コロナが終息したとしても、いずれまた別の感染症が登場することでしょう。

 

となると、三密を避けたひきこもり生活は、程度の違いはあるにせよ、今後も続ける必要があるということです。

 

しかし、ひきこもり生活というのは、運動不足や外部とのコミュニケーション不足になるだけでなく、生活のリズムも乱れがちです。

ハッピーホルモンであるセロトニンオキシトシンが分泌されにくい生活環境といってよいでしょう。

つまり「ストレスに弱い脳」になってしまう恐れがあるのです。

 

もちろん、新しい生活様式にはメリットもたくさんありますので、大いに取り入れるべきだと思っています。

仕事の種類にもよりますが、毎朝の通勤電車で時間や体力を消耗することなく、自然環境のよい場所に住んでテレワークをするという生活は、今後増えていくことでしょう。

 

ただし、1つ間違えると、ハッピーホルモンが不足してしまうというデメリットがあることを忘れてはいけません。

 

そんなことがないよう、新しい生活様式のもとでも「ストレスフリーな脳」をつくることを意識して、ハッピーホルモンをたっぷり分泌させることを心がけてほしいと思います。

脳科学者が教える「ストレスフリー」な脳の習慣 より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。

コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。

役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。

これが、正常なストレス反応の流れです。

 

ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。

こうなると、状況が一変します。

コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。

まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。

 

副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。

ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。

そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。

その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。

 

また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。

私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。

このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。

ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアATPが十分につくれなくなる。

ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/