第5章 ダイエットのコツは「急がば回れ」

第5章 ダイエットのコツは「急がば回れ

 

ダイエットしようとする際は、「焦らないこと」が大事です。

「急いては事を仕損じる」とはよくいったもので、ダイエットも「急がば回れ」でいきましょう。

 

やせたいと思っている人は、「できるだけ早くやせたい」と焦りがちです。

 

また、ダイエットするときは、最初ほどモチベーションが高いものでもあります。

 

そのため、ダイエットに臨む人の多くは、「これから1か月で10kgやせるぞ!」などといったムチャな計画を立てがちです。

これが大きな落とし穴なのです。

 

ダイエットは、食事からとるカロリーを制限するか、運動でカロリーを燃やすのが基本です。

ただし、運動でやせるのは、大変です。

三日坊主にも陥りやすいので、短期間に体重を落とそうとする場合、多くは食事の摂取カロリーを制限しようとします。

 

 

カロリー制限は効果的でやせやすいのですが、運動をサボっていると、カロリーの不足分を補うために、筋肉のたんぱく質が分解されて消費されてしまいます。

 

そうやって筋肉が減ってしまうと基礎代謝が落ちます。

基礎代謝は、じっとしているときでも使われている基礎的なエネルギー代謝のことで、1日に消費するカロリーの約6割を占めています。

 

筋肉が減って基礎代謝が下がると、ダイエットをやめて食事量をもとに戻した途端、カロリーが消費しにくくなってリバウンドが起こります。

これが、よくあるダイエットの失敗例なのです。

しかも運動をしない限り筋肉は減ったままですから、体形は大きく崩れやすくなります。

 

 

リバウンドを避けながら、着実に体重を落としたいなら、月2kg減を上限とすべきです

そのためには、カロリー制限だけに頼らず、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を組み合わせるのが理想的です。

 

「食事×運動の二刀流」を適度に心がけるということです。

 

有酸素運動とは、息が上がりすぎないペースで、中程度の運動をリズミカルに続けるもの。

運動中にエネルギー源として体脂肪を燃やす作用があります。

 

有酸素運動の代表格であるウォーキングやジョギングなら、筋肉のおよそ3分の2が集まっている下半身を刺激する効果があり、その減少にブレーキがかけられます。

足腰を動かすとミルキング・アクションも活発になり、脳にも血液を送り込みやすくなりますから、一石三鳥です。

 

 

多くの人にとってジョギングはハードルが高いかもしれませんが、通勤や買い物などのついでに歩く距離をのばしてウォーキングをするくらいなら続けられそうではないでしょうか?

バスや電車をひと駅手前で降りて歩くだけでも、減量効果はあります。

 

有酸素運動には、血圧を下げる働きもあります。

 

ウォーキングやジョギングで血液循環がよくなると、血管の内側で、血液が流れる方向に沿って「ずり応力」という力が作用します

 

その刺激で、血管の内側の細胞(血管内皮細胞)から、一酸化窒素(NO)が分泌されます。

一酸化窒素には血管を広げる働きがあるので、血圧が下がりやすくなるのです。

 

※ポイント 体重を落とすなら一気にやせようとせず、月2kgを上限にしましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB12について?

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第5章 脳を守るために血圧を下げる方法 肥満を避ける

第5章 脳を守るために血圧を下げる方法

肥満を避ける

 

家庭でいつ測っても正常血圧よりも高いなら、打つ手は2つあります。

 

1つは、肥満気味なら減量すること

もう1つは、塩分過多の自覚があるなら、減塩すること

肥満も塩分過多も、高血圧を招くからです。

 

肥満気味の人は、減量に努めて肥満を避けることを考えましょう。

「やせたほうがいい」といわれると「そんなことはわかってる。けれど、やせられないんだ!」と反感を買いそうです。

 

肥満気味の人は、たんぱく質の摂取量を増やす代わりに、ごはんやパン、甘い飲料など、糖質を豊富に含む食品・飲料の摂取量を少々減らしてみてはいかがでしょうか?

 

もちろん、無理やり減らす必要はありません。

できる範囲で、これまでと比べて糖質の摂取を減らすだけでも、減量効果がもたらされるでしょう。

その分、栄養不足にならないように、肉・魚・大豆製品・乳製品など、たんぱく質が豊富な5大たんぱく源を食べるように意識するといいです。

 

 

それにしても、なぜ太っていると血圧が上がるのでしょうか?

 

どれだけ太っても、血液を送り出す心臓のサイズは変わりません。

そのため太ると、軽自動車のエンジン(心臓)で、大量の荷物を積んだトラック(太った身体)を走らせるように、エンジン(心臓)に大きな負担がかかるようになるのです。

 

太った身体の隅々まで血液を巡らせるため、心臓は強い圧力で血液を送り出そうと頑張らなくてはならないので、血圧が上がるというわけです。

 

ただし、自分が太っているか、太っていないのかは、独断や主観で決めないでください。

 

医学的には、身長と体重から求める体格指数(BMI=体重[kg]を身長[m]で2回割った値)が25以上だと肥満とされます

 

本来、しかし、体脂肪率を正確に測るのは難しいものです(家庭用の体組成計・体脂肪計で測る値は、電気抵抗から類推した参考地でしかありません)。

 

そこで体脂肪率と相関性が高いBMIを、肥満の判断基準としています。

つまりBMIが高いほど、体脂肪率も高くなる傾向があるということです。

 

 

それでは早速、自分のBMIを計算してみましょう。

 

身長165cmで体重70kgだとすると、BMIは「70÷1.65÷1.65=25.7」。

BMI25以上ですから、肥満と判定されます。

 

太りすぎは不健康ですが、実はやせすぎも不健康です。

 

BMIが18.5未満はやせすぎ(やせ)。

高血圧を避け、認知症リスクも低く、もっとも健康的で病気による死亡率が低いのは、年齢性別を問わず、太りすぎでもやせすぎでもない「BMI-22」の体重だとされています

 

厚生労働省では、次の通り、年齢別にBMIの目標値を公表しています。

 

 

目標とするBMIの範囲(18歳以上、男女共通)

 

◎18~49歳 18.5~24.9

◎50~64歳 20.0~24.9

◎65~74歳 21.5~24.9

◎75歳以上 21.5~24.9

 

死亡率が低いBMI22のときの体重を、「目標体重」(理想体重)と呼びます。

目標体重は、次の式で計算できます。

一度自分の身長から計算しておきましょう。

 

◎目標体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

 

身長165cmなら、「1.65×1.65×22≒60kg」が目標になります。

 

目標体重までやせるのが大変なら、最低でも厚生労働省の年齢別のBMIの目標値の上限を下回るように頑張ってみましょう。

 

※ポイント 目標体重を目安に体重をコントロールするように意識しましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB12について?

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第4章 糖尿病ではなく「高血糖症」と呼ぶべき

第4章 糖尿病ではなく「高血糖症」と呼ぶべき

 

「高血圧=血圧が高くなる病気」ですが「糖尿病=尿に糖が出る病気ではありません」。

 

糖尿病は進むと尿にも糖が出るようになりますが、糖尿病の本質は、血糖値が高くなりすぎて、下がりにくくなることです。

 

認知症は本来、「認知機能不全症」といい換えるべきだと思っていますが、同じように糖尿病は「高血糖病」といい換えるべきでしょう

 

日本人の糖尿病の95%以上は、食事や運動といった生活習慣の乱れによって起こるもので、これを「2型糖尿病」といいます。

 

2型があるということは、1型もあります(3型以降はありません)。

1型糖尿病」は、生活習慣ではなく、遺伝的な体質やウイルス感染によるものです。

 

1型糖尿病の発症を避けることはできませんが、糖尿病の95%以上占める2型糖尿病は生活習慣の改善によって避けられます

 

2型糖尿病の背景にも遺伝的な体質は絡んでいますが、生活習慣の工夫で避けたり、発症しても身体へのダメージを最小限に抑えたりすることは可能なのです。

 

 

糖尿病発症と深く関わるのは、胃の後ろにある「すい臓」でつくられる「インスリン」というホルモンです。

インスリンは上がった血糖値を下げてくれる人体で唯一のホルモンです。

 

体内には100種類以上のホルモンと、それに似た性質のものが見つかっていますが、人体で血糖値を下げられるホルモンは、インスリンただ1つだけなのです

 

逆に、血糖値を上げるホルモンには、同じすい臓でつくられる「グルカゴン」、「成長ホルモン」「コルチゾール」「カテコールアミン」など数多くあります。

 

1型糖尿病では、すい臓でインスリンをつくる「β細胞」が、自己免疫疾患などでダメージを受けて、必要なインスリンをつくれなくなれます。

それにより、血糖値が下げられなくなるのです。

このため、1型糖尿病の患者さんは、糖質を含む食事をするタイミングなどにインスリンを自ら注射して血糖値を下げます。

 

2型糖尿病では、インスリンの分泌量が足りなかったり、分泌されるタイミングが遅れたり、血糖値を下げる効き目が落ちたりして(これを「インスリン抵抗性」と呼びます)、インスリン作用が不十分になった結果、血糖値が高くなり、下げられなくなります。

 

ここでとり上げる糖尿病は、この2型糖尿病のほうです。

以降、「糖尿病」というときには、特段の断りがない限り、2型糖尿病を指しています。

 

※ポイント 糖尿病を正しく理解して、認知症リスクを下げましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB12について?

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第4章 糖尿病だと認知症の発症リスクが倍増

第4章 糖尿病だと認知症の発症リスクが倍増

 

糖尿病と認知症の関わりについて見てみましょう。

 

糖尿病と動脈硬化認知症との関連を語る前に、まずは「糖質」「血糖」「血糖値」について正しく理解しておく必要があります。

 

糖質は、脳の神経細胞をはじめ、全身の細胞の基本的なエネルギー源です。

そのため、いつでも体内で利用できるように「血糖」として血液中を循環しています(血糖とは、細かくは血中のブドウ糖グルコース]のことです)。

 

また、ひと口に「糖質」といっても、さまざまな糖質があります。

 

ごはんやパン、麺類といった主食に多く含まれているのは「デンプン」ですが、これはブドウ糖を無数に連ねたものです。

 

お菓子などに含まれる砂糖の主成分は「ショ糖」ですが、これはブドウ糖と果糖(フルクトース)が合体したものです。

果糖はその名の通り、果物に多く含まれています。

 

食事に含まれるこうした糖質も、体内の筋肉や肝臓に蓄えられている糖質(グリコーゲン)も、最終的には全身の細胞がエネルギー源として利用しやすい血糖につくり替えられます。

 

この血糖が、血液1dl(100ml)中にどのくらい含まれているかを示した数値が、「血糖値」なのです。

健康な人であれば、血糖値は70~110mg/dl未満の範囲に収まるように調整されていますが、これよりも血糖値が高くなり、下がりにくくなるのが「糖尿病」です。

 

 

さて、ここから久山町研究の貴重なデータを引用しましょう。

 

久山町研究では、糖尿病を評価する指針である「耐糖能レベル」を用いて、「正常耐糖能」「空腹時血糖異常(IFG)」「耐糖能異常(IGT)」「糖尿病」という4つのカテゴリーから認知症リスクを検討しています。

 

空腹時血糖異常と耐糖能異常を合わせて「境界型糖尿病」(糖尿病予備軍Iと呼びます。

 

耐糖能というのは、血糖値を正常範囲に保つため、血糖を処理して血糖値をコントロールする能力のことです。

 

耐糖能レベルは、空腹時に75gのブドウ糖入りの飲み物を飲み、血糖値の変化を調べる「75G経口糖負荷試験」(75gOGTT)の結果により、次のように分類されます。

 

 

4つの耐糖能レベル

 

正常耐糖能 空腹時血糖値110mg/dl未満かつ負荷試験2時間後値が140mg/dl未満

空腹時血糖異常(IFG) 空腹時の血糖値がやや高い

耐糖能異常(IGT) 負荷試験2時間後の血糖値がやや高い

糖尿病 空腹時血糖値126mg/dl以上あるいは負荷試験2時間後値が200mg/dl以上

 

対象となったのは、1988年の健診で75g経口負荷試験を受け、認知症のない60歳以上の住民1017人で、追跡調査は15年間です。

 

その結果、「正常耐糖能<空腹時血糖異常<耐糖能異常<糖尿病」という順番に、脳血管性認知症の発症リスクが高まっていました。

正常耐糖能と比べると、糖尿病だと脳血管性認知症の発症リスクは1.8倍も高くなっていました。

 

さらに、アルツハイマー認知症に関しても、耐糖能異常と糖尿病は正常耐糖能と比べて発症リスクが高くなっていました。

 

糖尿病だとアルツハイマー認知症の発症リスクは正常耐糖能の2.1倍でした。

 

※ポイント 糖質を含む食品・飲料のとりすぎによる糖尿病に注意しましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB12について?

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第4章 高血圧だと認知症リスクが10倍以上!

第4章 高血圧だと認知症リスクが10倍以上

 

まずは、高血圧と認知症の関わりについて見てみましょう。

 

久山町研究では、1988年に検診を受診した認知症のない65~79歳の住民668人を、血圧レベルで4つに分類して17年間追跡調査。

「脳血管性認知症」と「アルツハイマー認知症」の発症リスクを検討しています。

 

収縮期血圧」とは、心臓がドクンと収縮して血液を送り出したときの血圧で、「最高血圧」(上の血圧)のこと。

拡張期血圧」は、心臓が拡張して血液を受け入れているときの血圧で、「最低血圧」(下の血圧)のことです。

 

 

4つの血圧レベル

 

正常血圧 収縮期血圧120mmHg未満かつ 拡張期血圧80mmHg未満

高血圧前症 収縮期血圧120~139mmHg または 拡張期血圧80~89mmHg

高血圧ステージ1 収縮期血圧140~159mmHg または 拡張期血圧90~99mmHg

高血圧ステージ2 収縮期血圧160mmHg以上 または 拡張期血圧100mmHg以上

 

この分類で、正常血圧の人が脳血管性認知症を発症するリスクを1とするなら、高血圧の人が脳血管性認知症を発症するリスクは、次のようになりました(中年期は50~64歳、老年期は65~79歳。中年期は、同じ集団が15年前に検診した際の血圧値を用いています。性、年齢、降圧薬服用、糖尿病、喫煙、飲酒などの因子を調整済み)。

 

 

高血圧と脳血管性認知症の発症リスク(正常血圧の櫃のリスクを1とした場合)

 

高血圧前症 中年期2.4倍 老年期3.2倍

高血圧ステージ1 中年期5.9倍 老年期4.7倍

高血圧ステージ2 中年期10.1倍 老年期7.3倍

 

 

中年期でも老年期でも、血圧が高くなるほど、脳血管性認知症の罹患リスクが上がることがわかります

 

とくにステージ1以降の高血圧では、正常血圧の人と比べると統計上有意な差があり、中年期ではステージ1で約6倍、ステージ2で約10倍もリスクが高いことがわかりました。

 

一方、アルツハイマー認知症に関しては、老年期のみならず中年期の血圧レベルの上昇が、発症リスクを高めるような傾向はみられませんでした。

 

※ポイント 高血圧で脳血管性認知症の発症リスクが高まることを知っておきましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、活性酸素やホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

 

ビタミンB12について?

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第4章 「高血圧」と「糖尿病」は大きな認知症リスク 脳は血管とともに老いる

第4章 「高血圧」と「糖尿病」は大きな認知症リスク

脳は血管とともに老いる

 

生涯現役医師を貫いて105歳で亡くなった日野原重明先生も影響を受けたというウィリアム・オスラーという著名なアメリカの内科医は、「ヒトは血管とともに老いる」という名言を残しました。

 

血管は、全身に血液を巡らせるために欠かせない人体のインフラ(基盤)ですが、その全長は地球を2周以上する約9万kmに達するといわれます。

 

地下に埋まった水道管やガス管といった社会的なインフラなら、老朽化したところから交換していけばリフレッシュできます。

しかし、血管はそういうわけにはいきません。

 

水道管やガス管がダメージを受けると、水やガスの流れがスムーズでなくなるように、血管が古びてボロボロになると血液の流れが悪化します。

 

全身に37兆個もある細胞が必要とする酸素と栄養素は、血液によって運ばれますから、血管が古くなって血液が滞ると、細胞は満足に働けなくなります。

それが老化に直結するので、「ヒトは血管とともに老いる」というわけです。

 

 

繰り返し触れているように、認知症も老化によって起こります。

 

血管が古くなり、血液の流れが悪くなると老化が加速して、脳の神経細胞がダメージを受けます

それによって認知機能が落ちてしまうのです。

 

脳の老化に直結する血管の老化とは、より具体的にいうなら「動脈硬化」です。

 

心臓から身体の末端まで血液を運ぶ動脈は、しなやかで弾力性に富み、心臓のポンプ機能で押し出された血液を全身の隅々まで運んでくれます。

心臓から送り出された血液が、全身を巡って心臓に戻るまでの時間は、わずか50秒です。

 

本来はしなやかで弾力性に富んだ動脈が、弾力性を失って硬くなると、血液が流れにくくなります。

そして、「血栓」という血のかたまりができて、詰まりやすくなるのです。

これが動脈硬化の恐ろしいところです。

 

心臓の血管で動脈が詰まると「心臓病」、脳の血管で動脈が詰まると「脳卒中」が起こりやすくなります。

心臓病と脳卒中は、がんや老衰、肺炎とともに日本人の死因トップ5にランクインしています(出典:厚生労働省「人口動態統計」[2020年])。

 

動脈硬化は、認知症のリスクも高めてしまいます

 

動脈硬化が深く関わるのは、認知症のなかでも「脳血管性認知症」と呼ばれるタイプです。

動脈硬化があり、「脳梗塞」や「脳出血」などの脳卒中を起こすと、神経細胞が大量に壊死して認知症が急激に進みます。

これが、脳血管性認知症です。

 

大きな発作を起こさなくても、脳の血管に動脈硬化で小さな障害がたびたび起こっていると、一進一退を繰り返しながら、脳血管性認知症が徐々に進むこともあります。

 

 

脳の血管に動脈硬化があり、血液の流れが悪くなると、アルツハイマー認知症の原因となるアミロイドβ(異常なたんぱく質)が悪さしやすくなることがわかっています(東京大学医学部付属病院の坂内太郎登録研究員、間野達雄助教、岩田敦講師らのグループによる)。

マウスで慢性的に脳の血流が低下した虚血状態をつくり出すと、神経細胞の間を流れる「間質液」が淀みやすくなり、生じたアミロイドβ同士が集まってくっつきやすくなります。

 

それが、より毒性の高い「オリゴマー」というものを形成し、神経細胞を障害することがわかったのです。

 

※ポイント 身体の老化と認知症のリスクを高める動脈硬化に気をつけましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。

LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?

それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。

LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。

ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。

それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。

 

この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。

ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。

ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。

心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。

この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。

そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。

 

それはビタミンBです。

ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。

ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。

体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

ビタミンB12について?

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第3章 動物との触れ合いでストレスやうつ状態を緩和

第3章 動物との触れ合いでストレスやうつ状態を緩和

 

犬などの愛玩動物との触れ合いが、認知症患者さんのストレスやうつ状態の緩和に役立つことがあります。

これは古代ローマ時代から兵士のリハビリに使われてきた長い歴史がある「アニマル・セラピー」と呼ばれるメソッドです。

 

アニマル・セラピーには、大きな効果が2つあります。

 

1つは、癒し効果です。

ヒトに慣れている動物と触れ合っていると、動物が嬉しそうに反応してくれます。

そこで生まれる言葉によらない(メンバーバルな)コミュニケーションが、患者さんにとって何よりの癒しになるのです。

 

裏を返すと、そんなささいな関わりすら嬉しく感じられるほど、認知症患者さんは孤独で寂しい思いをしているともいえます。

動物の話題を介して、他の人たちとコミュニケーションをとるきっかけも得られるでしょう。

 

 

もう1つは、動物を撫でると生理的な効果も期待できます。

犬や猫などの毛を優しく撫でると、喜んでくれます。

それと同時に、撫でている側も、穏やかな気持ちになるのです。

 

これは気のせいではなく、脳内で分泌されるホルモンによるものです。

このとき、脳内では「オキシトシン」や「セロトニン」といったホルモンが分泌されています。

 

オキシトシンは別名「母性のホルモン」と呼ばれており、授乳中のお母さんの脳内で盛んに分泌されて母乳の分泌を促しています。

撫でられている動物にも、オキシトシンは分泌されているそうです。

 

ストレスやうつ状態の緩和が望まれるのは、認知症の患者さんだけではありません。

 

ストレスやうつ状態が長く続くと、健常者でも認知症のリスクは高まります

 

ストレスを感じた時に分泌される「コルチゾール」というホルモンの濃度が上昇すると、学習や記憶に関わっている脳の「海馬」という部分の機能が低下してしまい、もの忘れが多くなることが報告されています。

コルチゾールは、免疫力も低下させます。

 

アルツハイマー認知症では、この海馬が真っ先に委縮することもわかっています。

また、65歳以上の高齢期のうつ状態があると、認知症のリスクが1.9倍になるという報告もあります(Livingston G,et al.Lancet.2017)。

 

ですから、事情が許すなら、好きなペットを家族の一員として迎えるのもよいでしょう。

できれば、犬や猫のように、撫でて互いにオキシトシンが分泌できるような動物がよいと思います。

 

ペットが飼えるかどうか自信が持てない人は、犬や猫などと触れ合えるカフェなどで一度交流してみるとよいでしょう。

 

犬を飼うと基本的には毎日、散歩するようになるでしょう。

愛犬と一緒に散歩することが習慣になれば、運動量が増えてミルキング・アクションが活発になり、散歩中に五感も刺激されるので、脳の活性化につながります。

 

散歩で知り合った人たちとの交流も、脳活性の一助になります。

 

また、犬にとっても、散歩は認知症の予防につながるそうです。

ヒトに飼われている動物は長生きなので、認知症リスクも高まります。

その予防に散歩が有効なのです。

 

将来的に、AI内臓でコミュニケーション力が高く、本物そっくりの毛並みを再現した精巧なペット型ロボットが登場したら、認知症患者さんを癒したり、認知症予防に威力を発揮したりするのかもしれません。

 

※ポイント 動物好きならペットを飼ってアニマル・セラピーの効果を得ましょう

「一生ボケない習慣 より」

 

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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。

コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。

役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。

これが、正常なストレス反応の流れです。

 

ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。

こうなると、状況が一変します。

コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。

まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。

 

副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。

ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。

そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。

その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。

 

また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。

私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。

このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。

ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアATPが十分につくれなくなる。

ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。

 

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