2023-01-01から1年間の記事一覧
第6章 すてきな高齢期になるために必要なこと 「○○になりたい」から「こうありたい」へ 高齢になることの大きなメリットの一つは、世俗の価値観から自由になれることだと思います。 人は一般的に、「こうなりたい」と思うものに向かって人生を歩んでいきま…
第5章 高齢期こそ「長い目で見る」力を鍛える 物事を長い目で見ることができるのも、高齢者の有利な点だと思っています。 若くして出世することや、目先の勝負に勝つことに必死になる人生を送ってきた人でも、歳をとってくると、「あんなにあくせくしないで…
第5章 職業に対する決めつけを捨てる 歳をとることで若い人に勝てるのは、経験の多さです。 そう言うと、「いや、自分は会社勤めしか経験してこなかったから」と思う人もるかもしれませんが、会社勤めを40年近くもやっていれば、ほかの人があまり知らないこ…
第5章 「人生いろいろ」で多様性を認める まさに「人生いろいろ」で、みんながこうあるべきという決めつけは、知的にもメンタルヘルスのうえでも好ましいものではありません。 高齢者のすてきなところ、深みを感じさせる部分は、「人生いろいろ」が認められ…
第5章 変節は立派だが付和雷同はみっともない 自分の信念や考え方を変えると「変節だ」と批判されますが、時代が変わったら変節するのは当たり前だと思っています。 何にしても、うまくいかなければ、作戦を変えるのは当然のことです。 自分の信念であれ、…
第5章 「だてに歳はとっていない」と誇れる老人になろう 「世の中に正解はない」と言えるのが高齢者の強み 歳をとると、ものがわかったような気になってきます。 でも、尊敬する高齢者専門の医師は、「長年診れば診るほど、高齢者のことがわからなくなる」…
第4章 高齢だから味わえる自由な仕事選び 組織の役職としての仕事は、ある一定の時期がくれば辞めなければなりません。 つまり、肩書で考えれば、多くの人の仕事人生は50~60代をピークに終わりを迎えます。 でも、脳力で考えれば、自分自身が続けられるか…
第4章 いつまでも現役の消費者でいよう ずっと現役でいたいと望んでいる高齢者は多いでしょう。 「老いと闘えるうちは闘う」という観点からも、可能なかぎり現役でいたほうがいい、と思います。 ただ勘違いしがちですが、「現役」イコール「働きつづける」…
第4章 周囲に安心感を与えられる存在になる 高齢者専門の病院に勤めていたとき、担当していた入院患者に、かつては大臣の地位にあったという人がいました。 その人のもとには、誰もが知る当時の大物政治家が何人か、見舞いに訪れていました。 おそらくその…
第4章 お金や肩書への執着を捨てる 歳をとるとお金は思うほどあてにならない 若いうちは、お金の力を実感できる場面は多々あります。 単純に欲しいものが手に入るだけでなく、「お金がある」ことそのものが魅力となって、人を引き寄せます。 でも、歳をとる…
第3章 俗説や通説と戦う姿勢をもとう 「○○さんの本にはこう書いてあった。だからあなたの意見はまちがっている」 などと、ある一つの説を根拠に、それ以外の説は正しくないと決めつけるのはまったくナンセンスです。 私は10年ほど前から、本の読み方が変わ…
第3章 知識に経験を交えながら議論する 2020年に96歳で亡くなった英文学者の外山滋比古さんと、晩年に雑誌で対談させていただく機会がありました。 「高齢者の勉強法」というテーマだったのですが、彼はのっけから「年寄りは勉強なんかしたらダメだ」と、バ…
第3章 常識的でないことこそが高齢者のおもしろさ 歳をとるほど常識的なことを言いたがる傾向がありますが、当たり前のこと、常識的なことを言っているかぎりは「おもしろい老人」にはなれません。 常識的、あるいは道徳的な高齢者こそが「品のある人」だと…
第3章 常識に縛られない、おもしろい老人になろう 物知り老人=賢い老人ではない 歳をとっても賢い人でありたいと思い、知識を蓄えるために熱心に本を読んでいる高齢者がよくいます。 日本では長いあいだ、物知りな人が賢いとされ、もてはやされてきました…
第2章 一人になったときの予行演習をしておく プロ野球の選手や監督として活躍した野村克也さんは、晩年に妻の沙知代さんに先立たれると目に見えて衰弱し、その後2年あまりであとを追うように亡くなりました。 あれほどパワーのあった人でさえ、配偶者を失…
第2章 健康診断の結果よりも長生きのために大切なこと 病気があっても、それを抱えたまま幸せに生きる。 「病気とともに生きる」について、具体的に考えてみましょう。 まず、「認知症とともに生きる」です。 高齢者専門の医師が、認知症の患者さんの治療や…
第2章 加齢を怖がる必要はない 根拠のない不安に振りまわされるのは不幸 これからどんどん体が弱っていくのでは……。 いずれこんな病気になるのでは……。 そんなふうに、まだ現実に起こっていないことに対する「予期不安」のようなものを、多くの人が抱えてい…
第1章 自分の老いも他人の老いも素直に受け入れる いつまでも老いを受け入れられずにいると、「こんなに足が弱くなった自分はダメ老人だ」「昔のように賢いことが言えないバカ老人になってしまった」と、自分を否定する方向に向かいます。 その否定的な視線…
第1章 できないことはあきらめて、できることを活かす 歳をとると、体や脳が衰えてきます。 それは確かですが、だからといって、いきなり何もできなくなるわけではありません。 たとえば、認知症になると、とたんに何もかもわからなくなると思われがちですが…
第1章 老いることにジタバタしない人には品格がある 老いと闘えるあいだは戦い抜く いま、老いに対する人びとのスタンスが二極化していると感じます。 一方は、老いとずっと闘いつづけなければならないと考える、「アンチエイジング派」です。 いつまでも若…
「なりたい老人」の姿 人は子供から大人になり、そして老人になります。 子供から大人へと移行する思春期には、ほとんどの人が自我の成長にともなって、「自分は何をしたいのか」、さらには「どんな大人になりたいか」について考えるものでしょう。 でも、大…
第3章 腎臓を守る&機能改善!「腎リハ」のススメ 腎機能は簡単な運動をするだけで改善する! ▼運動で腎臓の毛細血管への負担を下げる これまで慢性腎臓病(CKD)患者にとって運動は“禁忌”とされてきました。 CKD患者が運動を行った場合、腎臓に大きな負担が…
第2章 カリウムを含む食品は腎臓病のステージに合わせて調整 ▼カリウム減は料理法をひと工夫 カリウムは人体に欠かせないミネラルの一種です。 余分なナトリウム(塩分)の排出を助けて血圧を調整したり、細胞の浸透圧維持や神経伝達機能のサポートをしたりと…
第2章 たんぱく質の調整で腎臓の負担をコントロール ▼適切なたんぱく質量を知ろう 生きていくうえでは欠かせない三大栄養素のひとつ「たんぱく質」ですが、体内でエネルギーに代わる過程で尿素やクレアチニンなどの老廃物を生み出します。 これらの老廃物を…
第2章 あらゆる料理がおいしくなる魔法の『精進だし』の作り方 ▼高血圧対策の味方「自家製だし」 非常に多くの食品に含まれている「隠れ塩分」ですが、市販されている「だし」も例外ではありません。 これらは鰹や昆布など素材のエキスや風味だけを抽出した…
第2章 食物繊維が肥満と腎機能の悩みを一気に解決する ▼食物繊維で腎臓の負担を軽減 厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、食物繊維の摂取目標量は成人男性で1日21グラム以上、成人女性では18グラム以上とされています。 この…
第2章 1日350グラムの野菜が腎臓に効く! ▼目標は生野菜を両手いっぱい 健康を維持するうえで欠かすことのできない食べ物が野菜類です。 各種ビタミンやミネラルを豊富に含んでいる一方で、肉類のような脂質はほとんどなし、余分な塩分を体外に排出するカリ…
第2章 部位と調理法をひと工夫すればお肉も普通に食べてOK ▼お肉はどう食べるかが大事! 世代を問わず肉料理が大好きな日本人。 鶏の唐揚げやハンバーグ、豚の生姜焼きなどは誰に聞いても好きなおかずの上位にランクインするほどの鉄板メニューです。 栄…
第2章 三大栄養素のバランスをチェック ▼三大栄養素がエネルギーを作る 人間の体を動かすエネルギーは、三大栄養素とも呼ばれる「糖質」「脂質」「たんぱく質」の3つの栄養成分で成り立っています。 「糖質」は私たちの主食であるお米やパンのほか、イモ類…
第2章 腎機能を高める最強の食事法 腎臓にとってよい食べ方、悪い食べ方 ▼食べ方の問題点を確認してみよう 多くの生物と同様、私たち人間もつねに何かを食べなければ生きていくことはできません。 しかし近年、この「食べる」という行為自体に腎臓を傷める…