老化対策
第2章 思い出す作業を根気強く諦めないで 部分的なもの忘れを自覚して、認知症を自分ごととして身近に感じるようになると、ヒトは考え方によって2つのタイプに大きく分かれます。 1つは、放っておくと将来、認知症になる恐れがあることに気づくと、「私はこ…
第2章 孤独の不安やストレスで認知症が悪化 認知症の多くは、部分的なもの忘れから始まります。 部分的なもの忘れが、全体的なもの忘れに発展すると、認知症が疑われます。 昨晩食べたおかずが思い出せないのが、部分的なもの忘れ。 これが全体的なもの忘れ…
第2章 食事を楽しみ、料理をつくることも楽しむ 新型コロナ感染拡大の局面では、飲食にともなう感染リスクが指摘されたため、1人で食べる「孤食」や黙って食べる「黙食」が推奨されました。 孤食も黙食も、新型コロナ対策には有効かもしれませんが、コミュニ…
第2章 スーパーやコンビニでは、無人レジより有人レジ 要介護・要支援にならなくても、高齢になると身体機能が少しずつ衰えてきて、家族の支えが必要になる場面が増えてきます。 そうした場面で口にしてほしいのは、「ありがとう」のひと言です。 支えてくれ…
第2章 孤独を避ければ認知症は防げる 孤立しないことが大事 ヒトという動物は、もともと「群れ」で暮らす“群がり動物”です。 考えてみると、ヒトは動物としてはか弱いです。 逃げ足だって速くないですし、相手を突き刺す鋭い角も、牙も持ち合わせていません…
第1章 午前・午後・夕方以降と定期的に水分補給 運動して汗をかいていなくても、私たちは皮膚や呼気などからつねに水分を失っています。 これを「不感蒸泄」といいますが、その量は「1日900ml」にも達します。 何もしなくてもこれほどの水分を失っているので…
第1章 好きな本を読んで脳の血流をアップ 私自身が実践している「頭の体操」は、なんといっても読書です。 パズルやクイズはどうも好きになれませんが、読書は子どもの頃から大好きなのです。 この先に何が書いてあるのかとワクワクしながら本のページをめく…
第1章 脳トレは「継続できるかどうか」がポイント 身体を動かすばかりが、運動ではありません。 脳を鍛える「脳トレ」という言葉があります。 脳トレという言葉がなかった時代には、「頭の体操」といったものです。 体操をしたり立ち上がって歩き回ったりす…
第1章 30分に一度は立ち上がり、歩き回る 自宅でテレビを見ながらソファでまったり寛いでいるときでも、オフィスでのデスクワーク(自宅でのテレワーク)でも、30分に一度くらいは立ち上がって下半身を動かして、ミルキング・アクションのスイッチを入れるよう…
第1章 じっと座り続けないようにする 脳の血流を促進させたいけど、スクワットなどの運動は続かない……。 だからといって、打つ手がないわけではありません。 まずは、立つことから始めればいいのです。 じっと座り続けていると、下半身の筋肉はずっと活動停…
第1章 「食後にガム1枚」を習慣にする よく噛んで血流を増やすといっても、食事は通常1日3回だけです。 なかには1日2食の人もいるでしょう。 一口当たりの咀嚼回数を増やしたとしても、1日2~3回しか噛むチャンスがないと、血流をアップする効果も限定的にな…
第1章 かまぼこと同じくらいの硬さのものを噛む 食べることで認知症を予防するというと、カレーの香辛料「ターメリック」がいいとか、青魚に含まれる「エイコサペンタエン酸」(EPA)がいいといった栄養素の話になりがちです。 しかし、こうした特定の栄養素で…
第1章 脳の血流を増やして認知症を防ぐ 認知症予防は脳の血流促進がカギ なにかの拍子に頭の回転が悪くなる場面があると、口の悪い友だちあたりから「血の巡りが悪くなったんじゃないの?」などと、からかわれることがあります。 実は、この“血の巡り”こそが…
「認知症」早期発見の目安 *以下のチェックリストは、日常の暮らしで、認知症の始まりではないかと思われる言動を、認知症の「家族の会」の会員の経験からまとめたものです。 医学的な診断基準ではありませんが、暮らしの中での目安として参考にしてください…
実は100種類以上もある認知症 まずは認知症について、きちんと知っておきましょう。 そもそも認知症とは、脳の機能(認知機能)が持続的に低下して、日常生活に支障をきたす状態を指します。 ですから、実態を踏まえると「認知機能不全症」と呼ぶのが正しいと…
「軽度認知障害」の16~41%は回復が見込める がんが早期なら完治するように、認知症も軽症のうちなら、治せるかもしれないと思う方も少なくないようです。 しかし、それは誤解です。 認知症は進行性で不可逆的な(元に戻ることができない)疾患です。 超がつく…
いかに認知症を予防するか 認知症の多くは、もの忘れ(記憶障害)から始まります。 認知症と診断されたときには、単なる物忘れとあまり変わりなく、身体は元気でピンピンしていることが少なくありません。 しかし、認知症が進行すると、症状がだんだん悪化し、…
65歳以上の5人に1人が認知症と診断される時代に 一部の例外を除けば、認知症は老化にともなって起こります。 20世紀になって医学が発達して、寿命が十分に延びるまでは、認知症に似た症状の報告は、ほとんどありませんでした。 なぜなら、認知症になる前に寿…
第6章 自然にまかせず、「そうなる」と意識して生きる 歳をとればとるほど知恵がついて、いろいろなものが受け入れられるようになると思われがちですが、実際は、なかなかそのとおりにはいきません。 たとえば、養老孟司さんや瀬戸内寂聴さんのような、「だ…
第6章 感情は豊かに、でも感情的にはならない 高齢になると、脳の前頭葉が委縮してくるため、感情のコントロールがききにくくなります。 役所の職員や店のスタッフの対応に腹を立てて、大声で怒鳴りつけている高齢者がよくいます。 その姿を見た人からは「…
第6章 人に頼るかわりに自分に何ができるかを考える 「成熟した依存」の方法はいろいろ考えられます。 体が弱ってきている人が、公的なサービスのホームヘルパーにきてもらうかわりに近所の人の助けを借り、ふだんから世話になってきたお礼も兼ねて、お金を…
第6章 「成熟した依存」ができる人になる 人に頼らないことは美徳のように思われがちですが、高齢になれば誰もが人に頼らざるをえなくなります。 足腰が弱ってきても自立生活にこだわっていると、転倒して骨折し、それをきっかけに寝たきりになるといったリ…
第6章 めざしたいのは洒脱(しゃだつ)な老人 文豪の永井荷風は、耽美的な作品を残す一方で、私娼街に入り浸る生涯を送り、“不良老人の元祖”とも呼ばれているひとです。 極端な話かもしれませんが、普通の社会人で父親でもある中年男性が、永井荷風のような生…
第6章 すてきな高齢期になるために必要なこと 「○○になりたい」から「こうありたい」へ 高齢になることの大きなメリットの一つは、世俗の価値観から自由になれることだと思います。 人は一般的に、「こうなりたい」と思うものに向かって人生を歩んでいきま…
第5章 高齢期こそ「長い目で見る」力を鍛える 物事を長い目で見ることができるのも、高齢者の有利な点だと思っています。 若くして出世することや、目先の勝負に勝つことに必死になる人生を送ってきた人でも、歳をとってくると、「あんなにあくせくしないで…
第5章 職業に対する決めつけを捨てる 歳をとることで若い人に勝てるのは、経験の多さです。 そう言うと、「いや、自分は会社勤めしか経験してこなかったから」と思う人もるかもしれませんが、会社勤めを40年近くもやっていれば、ほかの人があまり知らないこ…
第5章 「人生いろいろ」で多様性を認める まさに「人生いろいろ」で、みんながこうあるべきという決めつけは、知的にもメンタルヘルスのうえでも好ましいものではありません。 高齢者のすてきなところ、深みを感じさせる部分は、「人生いろいろ」が認められ…
第5章 変節は立派だが付和雷同はみっともない 自分の信念や考え方を変えると「変節だ」と批判されますが、時代が変わったら変節するのは当たり前だと思っています。 何にしても、うまくいかなければ、作戦を変えるのは当然のことです。 自分の信念であれ、…
第5章 「だてに歳はとっていない」と誇れる老人になろう 「世の中に正解はない」と言えるのが高齢者の強み 歳をとると、ものがわかったような気になってきます。 でも、尊敬する高齢者専門の医師は、「長年診れば診るほど、高齢者のことがわからなくなる」…
第4章 高齢だから味わえる自由な仕事選び 組織の役職としての仕事は、ある一定の時期がくれば辞めなければなりません。 つまり、肩書で考えれば、多くの人の仕事人生は50~60代をピークに終わりを迎えます。 でも、脳力で考えれば、自分自身が続けられるか…