老化対策

第4章 周囲に安心感を与えられる存在になる

第4章 周囲に安心感を与えられる存在になる 高齢者専門の病院に勤めていたとき、担当していた入院患者に、かつては大臣の地位にあったという人がいました。 その人のもとには、誰もが知る当時の大物政治家が何人か、見舞いに訪れていました。 おそらくその…

第4章 お金や肩書への執着を捨てる 歳をとるとお金は思うほどあてにならない

第4章 お金や肩書への執着を捨てる 歳をとるとお金は思うほどあてにならない 若いうちは、お金の力を実感できる場面は多々あります。 単純に欲しいものが手に入るだけでなく、「お金がある」ことそのものが魅力となって、人を引き寄せます。 でも、歳をとる…

第3章 俗説や通説と戦う姿勢をもとう

第3章 俗説や通説と戦う姿勢をもとう 「○○さんの本にはこう書いてあった。だからあなたの意見はまちがっている」 などと、ある一つの説を根拠に、それ以外の説は正しくないと決めつけるのはまったくナンセンスです。 私は10年ほど前から、本の読み方が変わ…

第3章 知識に経験を交えながら議論する

第3章 知識に経験を交えながら議論する 2020年に96歳で亡くなった英文学者の外山滋比古さんと、晩年に雑誌で対談させていただく機会がありました。 「高齢者の勉強法」というテーマだったのですが、彼はのっけから「年寄りは勉強なんかしたらダメだ」と、バ…

第3章 常識的でないことこそが高齢者のおもしろさ

第3章 常識的でないことこそが高齢者のおもしろさ 歳をとるほど常識的なことを言いたがる傾向がありますが、当たり前のこと、常識的なことを言っているかぎりは「おもしろい老人」にはなれません。 常識的、あるいは道徳的な高齢者こそが「品のある人」だと…

第3章 常識に縛られない、おもしろい老人になろう 物知り老人=賢い老人ではない

第3章 常識に縛られない、おもしろい老人になろう 物知り老人=賢い老人ではない 歳をとっても賢い人でありたいと思い、知識を蓄えるために熱心に本を読んでいる高齢者がよくいます。 日本では長いあいだ、物知りな人が賢いとされ、もてはやされてきました…

第2章 一人になったときの予行演習をしておく

第2章 一人になったときの予行演習をしておく プロ野球の選手や監督として活躍した野村克也さんは、晩年に妻の沙知代さんに先立たれると目に見えて衰弱し、その後2年あまりであとを追うように亡くなりました。 あれほどパワーのあった人でさえ、配偶者を失…

第2章 健康診断の結果よりも長生きのために大切なこと

第2章 健康診断の結果よりも長生きのために大切なこと 病気があっても、それを抱えたまま幸せに生きる。 「病気とともに生きる」について、具体的に考えてみましょう。 まず、「認知症とともに生きる」です。 高齢者専門の医師が、認知症の患者さんの治療や…

第2章 加齢を怖がる必要はない 根拠のない不安に振りまわされるのは不幸

第2章 加齢を怖がる必要はない 根拠のない不安に振りまわされるのは不幸 これからどんどん体が弱っていくのでは……。 いずれこんな病気になるのでは……。 そんなふうに、まだ現実に起こっていないことに対する「予期不安」のようなものを、多くの人が抱えてい…

第1章 自分の老いも他人の老いも素直に受け入れる

第1章 自分の老いも他人の老いも素直に受け入れる いつまでも老いを受け入れられずにいると、「こんなに足が弱くなった自分はダメ老人だ」「昔のように賢いことが言えないバカ老人になってしまった」と、自分を否定する方向に向かいます。 その否定的な視線…

第1章 できないことはあきらめて、できることを活かす

第1章 できないことはあきらめて、できることを活かす 歳をとると、体や脳が衰えてきます。 それは確かですが、だからといって、いきなり何もできなくなるわけではありません。 たとえば、認知症になると、とたんに何もかもわからなくなると思われがちですが…

第1章 老いることにジタバタしない人には品格がある 老いと闘えるあいだは戦い抜く

第1章 老いることにジタバタしない人には品格がある 老いと闘えるあいだは戦い抜く いま、老いに対する人びとのスタンスが二極化していると感じます。 一方は、老いとずっと闘いつづけなければならないと考える、「アンチエイジング派」です。 いつまでも若…

「なりたい老人」の姿

「なりたい老人」の姿 人は子供から大人になり、そして老人になります。 子供から大人へと移行する思春期には、ほとんどの人が自我の成長にともなって、「自分は何をしたいのか」、さらには「どんな大人になりたいか」について考えるものでしょう。 でも、大…

第9章 コーヒーの香りには人をやさしくする効果がある

第9章 コーヒーの香りには人をやさしくする効果がある コーヒーの香りにも素晴らしい効果があります。 コーヒーの香りの効果のひとつに「人にやさしくなれる」ということがあります。 面白い実験があります。 大型ショッピングセンターにある店の前にお金を…

第9章 香りを使うと認知症の進行を防ぐことができる!?

第9章 香りを使うと認知症の進行を防ぐことができる!? 認知症になると、香りを感じる機能がどんどん鈍化していくと言われています。 香りをキャッチする嗅覚のレセプターが鼻の中にあるのですが、認知症や認知症予備軍の人は、このレセプターの細胞数が少な…

第9章 コレステロールと老人性うつの関係性

第9章 コレステロールと老人性うつの関係性 最近注目されているのが、老人性うつとコレストロールの関係です。 老人性うつは65歳以上の人が患ったうつ病のことで、その数は全体のうつ病患者数の4割にも及んでいます。 やる気が起きない、興味や関心がわかな…

第9章 「昔のよかったこと」を思い出すことは脳の栄養になる

第9章 「昔のよかったこと」を思い出すことは脳の栄養になる 幸福度と脳の状態には関連性があるということを知っていますか? 日本人は世界的に見て幸福度が高くない国です。 一方、世界で一番幸福度が高い国はフィンランドです。 5年連続で世界トップです…

第9章 自己重要感を満たすなら自分でコントロールできることから考える

第9章 自己重要感を満たすなら自分でコントロールできることから考える 自己重要感のNGな満たし方でもうひとつ「マウンティング(自分のほうが相手より立場が優位であることを示そうとする行為)があります。 たとえば、お店でお金を払うとき、お金を投げるよ…

第9章 ストレスと認知症を遠ざける方法 「自分は重要な人」を実感できる場をつくる

第9章 ストレスと認知症を遠ざける方法 「自分は重要な人」を実感できる場をつくる 日本では認知症を発症する人が増えています。 認知症は、生活習慣やストレスなどの影響を大きく受けます。 ここでは特にストレスと認知症を遠ざける方法を紹介します。 こ…

第8章 人を嫌いになるきっかけの9割が匂いだった

第8章 人を嫌いになるきっかけの9割が匂いだった 男性は嗅覚の衰えが女性よりも速く、自分の匂いがわからなくなってしまうこともあります。 実際にすごい加齢臭がしていても、本人は自分の匂いに気付いていない可能性があるので、注意が必要です。 ちなみに…

第8章 内向的な人がつながりをつくるにはどうしたらいいのか?

第8章 内向的な人がつながりをつくるにはどうしたらいいのか? 人とのコミュニケーションは脳にとってとてもプラスな行為ですが、「友だちはいらない」「人と話すのは苦痛」、友だち付き合いをすることがストレスになる人がいるのも事実です。 無理をして付…

第8章 老人脳にならない人間関係のつくり方 うなずいてもらうだけで脳は大喜び!

第8章 老人脳にならない人間関係のつくり方 うなずいてもらうだけで脳は大喜び! 「会話」は、一見何気なくやっているように見えますが、脳から見ると高度な作業をしています。 相手はどういう意図を持っているのか、それに対してどう返すか、頭の中でかな…

第7章 老人になると依存傾向が起きやすい理由

第7章 老人になると依存傾向が起きやすい理由 高齢の両親と同居をしている人から聞いた話です。 「両親ともに、娘である私になんでも頼ってくるんです。同居を始めた頃はよかれと思ってなんでもサポートしていたのですが、自分たちでやれそうなことまでだん…

第7章 悪いストレスの解消方法

第7章 悪いストレスの解消方法 「悪いストレス」を減らすには、どうしたらいいのでしょうか。 悪いストレスとは、不安・執着・怒り・寂しさ・恐れ・悲しみなどが原因で起きるものと、病気や不調、過度の運動や睡眠不足などから起きるものとがあります。 病…

第7章 「いいストレス」と「悪いストレス」を分けて考えてみる

第7章 「いいストレス」と「悪いストレス」を分けて考えてみる ストレスは体にも脳にもよくありません。 そんなことは知っているよと言うかもしれないですが、ストレスのマイナス効果は、あなたの想像以上かもしれません。 たとえば、ストレスが多いと脳で…

第7章 老人の「ポジティブバイアス」が事故を引き起こす原因にもなる

第7章 老人の「ポジティブバイアス」が事故を引き起こす原因にもなる 「高齢者ドライバーの免許返納」は近年話題になっているテーマです。 都市部であればともかく、移動手段が少ない地域では、車は生活の足でもあるので、ある年齢に達したからといって免許…

第7章 詐欺に引っかからないための方法とは

第7章 詐欺に引っかからないための方法とは ポジティブバイアスが働くときは、2種類のパターンが考えられます。 それは、「自己承認欲求が満たされている人」のパターンと、「自己承認欲求が満たされていない人」のパターンです。 自己承認欲求が満たされて…

第7章 「自分は大丈夫」と思っている人がオレオレ詐欺にだまされてしまう理由

第7章 「自分は大丈夫」と思っている人がオレオレ詐欺にだまされてしまう理由 オレオレ詐欺、料金請求詐欺、預貯金詐欺、還付金詐欺……。 高齢者が引っかかりやすいと言われている詐欺の数々です。 さまざまな場所でこれらの詐欺の危険性が告知されています…

第7章 会話に「擬音語」を入れると体も脳も動きがよくなる

第7章 会話に「擬音語」を入れると体も脳も動きがよくなる 脳にいい言葉としてぜひ使ってほしいのが「擬音語」(擬声語とも言います)です。 擬音語は、動物の声や物の音を言葉で表現したもので、たとえば「にゃ~にゃ~」「わんわん」「がらがら」「ざあざあ…

第7章 「ありがとう」という言葉の持つすごいパワー

第7章 「ありがとう」という言葉の持つすごいパワー 言葉の使い方が悪い人は、老人脳になるリスクが高くなります。 人は楽天的性格と悲観的性格の2つに大きく分けられるのですが、楽天的な人はポジティブな言葉を使い、悲観的な人は自分にも人にもネガティ…