第13回 ビタミンB12の特徴・・・

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まず、ビタミンB12は他のビタミンよりも格段に”体重”の大きなビタミンであり、
たとえていうならば、ビタミンB1、B2、B6やCを駆逐艦とすれば、
B12は航空母艦にも相当するくらいの大きさです。

複雑な構造をもちつつ、このように大きいB12の構造には、有機合成化学者が
興味を持って、その合成法に力を注ぎ、遂にその全合成も完成、ノーベル賞
中には、B12の全合成という業績も含まれているのです。

これほど大きさに差があるということは、小さな分子には単純な機能、
大きな分子には多種の機能があるという原則から考えても、他に比べて
航空母艦ほどの飛びぬけた大きさのビタミンB12には、単一ではない
いろいろな働きがあるだろうと推定が行われるのは自然な成り行きでしょう。

実際、その働きは、発見の当初に知られた血液学的ビタミン(貧血)から
はじまって、神経系や免疫調整作用のビタミンとして、認められてきました。

また、他のビタミンが一般的に酵素の行う生体反応を助ける潤滑剤で
あるのに対し、B12はそれ以外の作用として、こわれた組織を修復してくれる
”修理工”としての役目まで果たしてくれることまでわかっているのです。

B12のこのような驚くべき作用・機能は、分子の総体的大きさからくるもの
なのです。
つまり、巨大な航空母艦が、飛行機の発着のために多数の装置や構造が
準備されているように、B12の分子も、上述のいろいろな”驚くべき作用”を
遂行するためには、分子の破片ともいうべき小片をたくさん積み木のごとく
積上げた後、接着して、各種の機能に対応した部分を全部つくり上げて
でき上がったものなのです。

関連URL http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html