★ 65歳未満で発症する若年認知症が増えている ★【働き盛りを襲う若年認知症】①

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【働き盛りを襲う若年認知症】 
            (お話 宮永和夫 栄養と料理より)

認知症は高齢者だけの病気だと思われがちですが、65歳未満の若年者にも発症することがあります。
40歳代、50歳代という働き盛りで認知症になると、仕事を失うことになったり、
若年者向けの福祉サービスが少ないことなどから、本人はもちろん家族も大変な困難に直面することになります。

★ 65歳未満で発症する若年認知症が増えている ★

<若年認知症とはどのような病気なのか?>
認知症はかつて痴呆と呼ばれていた病気で、高齢者に多く見られることから、老化に伴って起こるものだという認識が一般的でした。
しかし、認知症は単なる老化現象ではなく脳の病気であり、高齢者よりは数は少ないものの若い人にも起こります。
そこで、18歳から39歳の若年期、および40歳から64歳の初老期で発症するケースをまとめて、65歳未満で発症する認知症のことを若年認知症と呼んでいます。

病気そのものは高齢者の認知症と変わりません。
アルツハイマー病や脳血管疾患、その他さまざまな病気が原因で脳の働きに異常が生じ、おもに記憶障害が起こります。
家族や友人の顔を忘れてしまったり、勤務先へ行く道がわからなくなったり、自分の行動を自分で認識できなくなったりします。
そして、病気が進行すると食事や排泄などの日常生活にも介助が必要になってきます。

<患者数は?>
平成8年度の全国調査では2万7000人から3万5000人と報告されていますが、その後の増減はわかっていません。
現在、10年ぶりの実態調査が進められており、来年中には患者数が報告される予定です。

現在の患者数が明らかになっていないので断言はできませんが、患者さんを診察している印象からいうと、おそらく若年認知症の患者数は増加しています。
そして、今後も増えていくのではないかと考えられます。

<患者が増えているのはどうして?>
理由の一つとして、今の日本はたいへんなストレス社会であることが考えられます。
たとえば、現在、働き盛りの年代にうつ病が増えており、その大きな原因一つがトスレスであるということは異論のないところでしょう。
アルツハイマー病など認知症の原因となる疾患の多くも、ストレスが引き金となって発症することが少なくありません。
若年のうつ病が社会問題としてとりざたされるほど増加しているのですから、若年認知症も増えていると考えていいと思います。

また、よくいわれるように最近の日本人の食生活はすっかり乱れてしまい、そのせいで生活習慣病などの病気が増加していますが、食生活の乱れは当然のことながら脳の健康にも非常に悪い影響を及ぼしています。
昔に比べて抗ストレス作用を持つ食物の摂取が減少しているのでストレスに弱くなりますし、脳の血行を促進するような食物の摂取も減少しています。

もちろん、ほかにもさまざまな理由はあり、解明できていないことも多いのですが、若年認知症も含めた認知症の増加は、ストレスの増大と食生活の変化によるところが大きいと思います。

治療薬との併用でアルツハイマー病に有効と発表された脳ビタミン
http://www.endokoro.com/libra/v_article015.html