★ おもな原因はアルツハイマー病、ピック病、脳血管疾患 ★【働き盛りを襲う若年認知症】②

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【働き盛りを襲う若年認知症】◆
            (お話 宮永和夫 栄養と料理より)

認知症は高齢者だけの病気だと思われがちですが、65歳未満の若年者にも発症することがあります。
40歳代、50歳代という働き盛りで認知症になると、仕事を失うことになったり、
若年者向けの福祉サービスが少ないことなどから、本人はもちろん家族も大変な困難に直面することになります。

★ おもな原因はアルツハイマー病、ピック病、脳血管疾患 ★

<若年認知症の原因について・・・>
若年認知症にはいろいろな原因がありますが、代表的なものとしてアルツハイマー病、ピック病、そして脳梗塞などの脳血管疾患の後遺症によるタイプがあります。
最も多いのはアルツハイマー病で、次が脳血管性の認知症です。
交通事故などの脳外傷の後遺症で認知症になる場合もあります。

アルツハイマー病とは?>
脳の神経細胞の外側にβアミロイドというタンパク質が沈着する病気です。
このβアミロイドの毒性によって神経細胞が死滅するため、その神経細胞が持っていた記憶機能などが消失します。

最初のうちは、日常生活上の出来事や体験を忘れたり、日時をまちがえたりする症状が出ます。
また、周囲に無関心になったり、無気力になるなどのうつ症状が出ることもあります。

高齢者のアルツハイマー病には妄想などの精神症状や徘徊などの行動障害が見られることが多いのですが、若年者の場合は、失語や失行(運動機能がそこなわれていないのに動作を遂行することができない)、失認(視力や聴力はあるのに見たものや人の顔が認識できない)などの症状が見られます。
また、振戦(ふるえ)、筋固縮(力を抜いた状態でも関節の動きに抵抗がある)、無動(動作の開始が困難になる)などの神経症状や、興奮などの精神症状がみられます。

<ピック病とは?>
脳の前頭葉と側頭葉の血流低下と萎縮で起きる認知症は「前頭側頭型」といわれますが、そのうち8割がピック病です。

ピック病は脳の神経細胞の内側にタウという異常たんぱく質が沈着する病気です。
このタンパク質の毒性によって神経細胞が死滅するため、その細胞が持っていた言語機能などが消失するわけです。
ピック病は若者の、特に男性に多く、高齢になって発症する人はほとんどいません。

最初は性格や言語に変化が起こります。
具体的には他人に気をつかわず無遠慮になり、人前で他人が困るようなことをいったり、したりします。
また、自発語が少なくなり、物品の名前が出にくくなります。
物品の名前や使用方法がわからないという症状が見られた場合は、ピック病と考えてほぼまちがいありません。

病気が進むと、時刻表のように規則的で決まった生活行動をとったり、同じものしか食べないというような行動障害が出たり、嚥下障害や筋力低下などの神経症状が見られることがあります。
家族にかまわず自分勝手にスケジュールどおりの行動をし、家族が止めようとするといら立って怒り、暴力を振るったりパニックを起こしたりもします。

ちなみにピック病が正しく診断されるようになったのはここ10年ほどで、うつ病統合失調症と誤診されているケースも多いと思われます。

<脳血管性の認知症について・・・>
脳梗塞脳出血が起こると、梗塞や出血の起こった組織には酸素や栄養が充分に行き届かなくなるため、その部分の神経細胞が死滅します。
そのため、その神経細胞が持っていた機能が消失するわけです。

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