「ボケ」「痴呆」「認知症」「アルツハイマー病」

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「ボケ」「痴呆」「認知症」「アルツハイマー病」

私たちは日常生活では「ボケ」「痴呆」「認知症」「アルツハイマー病」という4つの言葉をだいたい同じようなイメージで使っているのではないでしょうか。
ここでは、その言葉が意味していることについて考えてみましょう。

まず、「ボケ」という言葉からです。
この「ボケ」という言葉は日常用語で、私たちの生活や仕事の会話の中で、「疲れたので頭がボケてきた」というように、ごく普通に使われています。
また、漫才の「ボケとつっこみ」というように使われる時には、「オトボケ」というような親しみを込めたニュアンスを持ちますし、「このボケなす」というような時には蔑称のようなニュアンスを持つと思います。

しかし、「高齢者がボケてくる」といった使い方をする時は、ほぼ「認知症」と同義の意味合いで使われています。

認知症」という病名が使われるようになるまでは、医学的な病名としては、長年、「痴呆」という言葉が用いられてきました。
しかし痴呆には「知能程度がはなはだしく劣っている」という意味があるため、こうした言葉を病名に使っているのは、病気で苦しむ患者さんに対して差別的で不適切ではないか、という声が識者や医療関係者から上がり、2004年12月に「痴呆」は「認知症」に変更されることになりました。
そして、この変更に伴って、法律や公式文書からは、一切、「痴呆」という言葉は消えることになり、医学会もこれに対応して、2005年10月に「日本痴呆学会」は「日本認知症学会」に変更されました。

認知症は「脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などに障害が起こり、普通の社会生活がおくれなくなった状態」と定義されています。
つまり、認知症は「単なる年のせい」ではなくて、「ある病気」による結果として、毎日の生活の自立が困難ととなった状態を指している病名なのです。
だから、認知症という言葉は1つだけの病気を意味するものでなくて、症状や状態を意味する言葉なのです。
認知症の原因となる病気は次のようにたくさんあります。

認知症の原因となる病気》
◆ 退行変性疾患
アルツハイマー病(アルツハイマー認知症)、びまん性レビー小体病(レビー小対型認知症)、ピック病(前頭側頭型認知症)など
◆ 脳血管性疾患
脳梗塞、脳内出血など脳血管障害(脳血管障害性認知症)
◆ 内分泌・代謝性疾患
甲状腺機能低下症、ビタミンB1欠乏症、ビタミンB12欠乏症など
◆ 脳腫瘍
髄膜腫、神経膠腫悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍など
◆ 外傷性疾患
慢性硬膜下血腫、頭部外傷後遺症など
◆ 感染性疾患
髄膜炎、脳膿瘍、ヘルペス脳炎クロイツフェルト・ヤコブ病など
◆ その他
特発性正常圧水頭症など

ここに示した病気はいずれも認知症の原因になることがあるのです。
認知症の原因となる疾患には、このリストの中には記されていない、非常に珍しくて認知症の専門医でさえもお目にかかったことがないような病気も存在しますが、それらの病気は、通常、典型的な認知症の症状を呈することはありません。
認知症をきたす代表的な疾患としては、ここにリストアップされた病気を知っていれば十分でしょう。

また、頻度的・現実的には、認知症アルツハイマー病が原因のことが非常に多いので、一般的には認知症アルツハイマー病という図式で議論されることが多くなっています。
                                 「ボケない技術(テク) より」


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