コレステロールとアルツハイマー病の関係は?

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コレステロールアルツハイマー病の関係は?

コレステロールは健康を害する諸悪の根源のようにいわれていますが、実はコレステロールは、身体(脳を含む)の基本単位である細胞膜の原材料なので、私たちの生命の維持になくてはならないものなのです。そして、このコレステロールは脂肪の一種なのです。

脂肪は人間とって重要なエネルギー源です。身体を維持するために、私たちは絶えず食事から脂肪を摂る必要があります。ただし、脂肪の摂り方に問題があると、血液中のコレステロール値が高くなり、脳卒中や心臓病になりやすくなるのです。

最近、血中のコレステロール値が高いと動脈硬化の発症・進行が速まるだけではなく、アルツハイマー病にもかかりやすい、という報告がされました。一般的に、正常のコレステロール値は血清1dlあたり220mg以下とされていますが、240mg以上の人では、コレステロール値が20mg上がる毎に、アルツハイマー病になる危険が1.42倍に高まるといわれています。では、アルツハイマー病にならないように、血中コレステロールを抑えつづけるには日常生活でどのように脂肪を摂ればいいのでしょうか?

最近は羊肉などもブームですが、基本は動物性の脂肪をひかえて、魚や植物性脂肪を中心に摂取するべきです。イワシ、サンマ、サバなどの青魚の脂肪にはEPAやDHAと呼ばれる不飽和脂肪酸が多く含まれていて、これらは血中のコレステロール値を下げる働きがあるので「血液サラサラ」に役立ちます。そして、DHAの摂取量が増えるほどアルツハイマー病にかかりにくくなるという統計もあります。

大豆油やコーン油の植物性脂肪に含まれるリノール酸不飽和脂肪酸で、DHAやEPAと同じようにコレステロール値を下げる作用があります。そのために、加工食品のパッケージには、健康に配慮した食品であることをアピールするために、「植物性油使用」ということがよく書かれています。しかし、この点には注意すべきことがあります。というのは、サラダ油などの植物性脂肪は、そのまま使えば不飽和脂肪酸による「血液サラサラ」効果があるのですが、熱を通したり加工すると性質が変わり、その摂り過ぎは「血液ドロドロ」につながってしまうのです。

植物性油使用の代表的な食品であるマーガリンですが、一時、マーガリンは植物油から作られているので、動物性脂肪から作られているバターよりも身体に良いといわれていましたが、最近の研究ではマーガリンも旗色が悪く、マーガリンの取り過ぎは心臓病やアルツハイマー病の危険を増すことが明らかになっています。

マーガリン以外にも、加熱された植物性油を使う食品も食べすぎはいけません。お菓子のポテトチップの袋にも「植物性油使用」と書いてあるし、自宅での野菜炒めにも体に良いからと、植物性油を使う人が多いでしょうが、ポテトチップも野菜炒めも、植物性油が加熱されてしまうので要注意です。

熱を通しても変性しにくい植物性油は、オリーブ油と菜種油(キャノーラ油)です。昔から料理にオリーブ油を使いつづけている地中海沿岸の民族は、心臓病やアルツハイマー病の発症が少ないのです。イタリア人などは、油で炒めたパスタに、さらにオリーブ油をふりかけます。食べて飲んで太って、の三拍子の人が多いのですが、統計的にみると意外に長寿なのです。その原因の一つはオリーブ油なのかもしれません。

食事の摂り方で気を使ってもコレステロール値が下がらない場合は、スタンチンというよく効く薬があります。通常の高コレステロール血症であれば、スタンチンを服めば220mg以下に持っていくことができます。しかし、冒頭で触れたように、コレステロールはもともと身体に必要なものなので、コレステロール値を下げすぎると血管が脆くなって脳出血を起こしやすくなったりします。ですから、スタンチンを出してもらいたい場合は、必ず、信頼できる医者に相談してください。
                                  (ボケない技術(テク) より)


アルツハイマーの予防・対策
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