ミネラル

栄養学において、ミネラル(元素)は無機質ともいわれます。カロリーはなく、約100種類あります。ミネラルは、教科書に載っていた周期表から、水素、炭素、窒素、酸素を除いたものです。
体内でつくることができないため、食物から摂る必要のある必須ミネラルが16種類あります。ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、リン、硫黄、セレン、塩素、ヨウ素です。
加工食品や清涼飲料の保存料として多く使われているリンは、骨や葉を形成し、筋肉の収縮にもかかわっていますが、たくさん摂り過ぎると、カルシウムを骨から溶け出させてしまいます。
魚介類などに多く含まれている亜鉛が不足すると味覚が損なわれます。最近、食事がおいしく感じられないという方は亜鉛不足かもしれませんね。味覚障害で、塩味を感じにくくなり、知らず知らずのうちに塩分の摂りすぎになっていることもあります。
亜鉛は、体内でタンパク質の合成に関わり、酵素の構成成分にもなります。
ミネラルの中で、特に亜鉛やマグネシウムなどは、体内で働く約200~300種類の酵素の働きをサポートしています。しかし、中には、体にとって有害なものもあり、酵素にくっついて、働きを邪魔してしまうミネラルもあります。
余談ですが、歯の詰め物やかぶせ物に使われる金属の中には、年数を経てすり減ったり、食物に含まれる酸で変化するものがあり、それが血液中に入り、アレルギー症状を起こす原因のひとつにもなっています。
有害ミネラルには、水銀、鉛、アルミニウム、カドミウム、ヒ素、ニッケル、スズ、ベリリウムなどがあります。日本は土壌などの特質上、米や海産物に含まれる、水銀、カドミウム、鉛などの有害なミネラルの摂取が多くなるといわれています。
これらの有害ミネラルはもともと自然界に存在しているものと、電池や水道管など人間がつくったものがあります。
水銀は地中のマグマの中に存在していて、25℃以上になると気化するため、温暖な日本では、大気中に混ざったものを、人間、あるいは魚介類が摂取し、それをまた人間が取り込むという循環が繰り返されます。
鉛は1983年以前には水道管に使われていました。住宅の塗料やゴミを焼却するときの煙などにも含まれています。
アルミニウム(ポリ塩化アルミニウム)は河川水を水道水として浄化するときに使用されます。
カドミウムは電池などに使われています。ゴミとして焼却するときに大気や土壌、海を汚染します。この影響を一番受けるのが米です。
ヒ素は自然界に存在していますが、ハイテク機器、工場排水、殺虫剤、排気ガスなどにも含まれています。タンパク質と結合しやすいため、タンパク質の合成や、酵素の働きを邪魔します。
「青春は食文化」より
縁処 –endokoro-
http://www.endokoro.jp/