元気な長寿を支える、肉の力

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元気な長寿を支える、肉の力

 

「お肉を食べると元気が出る」

「何だかスタミナがついた気がする」

 

肉を食べた後こんな風に感じる人は多いのですが、実はこれ、たんなる思い込みではないのです。

 

精神安定や満足感を得るのに不可欠な脳内物質セロトニン

このセロトニンの原料となるトリプトファンが多く含まれているのが、肉です。

 

ですから、肉食が幸せな気分をつくるといっても、間違いはないでしょう。

 

体内で分泌されるセロトニンの量が少ないほどうつ病になりやすいともいわれていますから、セロトニンを増やすために肉を食べるのは、とてもいいことです。

 

最近は高齢で活躍する著名人が積極的に肉を食べているという報道も多く、彼らに憧れる人たちが、「自分も肉食で健康に長生きしたい」と、そのライフスタイルをまねるという現象もあるようです。

 

元気で高齢な著名人といってまず思い浮かぶのは、聖路加国際病院名誉院長で2017年に105歳で亡くなられた日野原重明先生ですが、彼の肉好きは有名で、100歳を超えてからも週2回はステーキや肉料理を楽しんでいたそうです。

 

100歳を過ぎてもさっそうとして精力的に仕事に取り組んでいた日野原さんの長寿を支えていたのは、ヒレ肉など赤身の肉をコンスタントに食べ続ける食生活にあったのかもしれません。

 

また、90歳には次なるエベレスト登頂をめざすというプロスキーヤー三浦雄一郎さんのタフな肉食には目を見張るものがあります。

86歳になっても500グラムのステーキをぺろりと平らげる、エネルギッシュなライフスタイルは、体内に十分なたんぱく質があるからこそでしょう。

 

肉に多く含まれるたんぱく質は、筋肉や血管をつくり、脳神経の働きを活性化させ、免疫機能を高める大事な栄養素。

年を取るほどに良質なたんぱく質を取る必要があります。

 

たとえば、豚肉はビタミンB1をたくさん含んでいますし、牛肉には必須アミノ酸やヘム鉄などが多く、ラム肉にはカルニチンという健康成分が多く含まれて、アンチエイジングにぴったりですから、ぜひ積極的に取りたいものです。

 

ついでにいうと、肉にはコレステロールがたくさん含まれるからと嫌う人がいるようですが、コレステロールは男性ホルモンの原材料であるとともに、脳にセロトニンを運ぶ働きがあるとされています。

 

大抵の方は、普段肉を食べる時間帯など意識していないでしょうが、実は肉を食べるのに最適な時間があるのです。

 

一番適しているのは、夕食ではなく、肝臓の働きが活発な朝食か昼食の時間です。

 

肉に含まれるアミノ酸を分解したり、それをもとにたんぱく質を合成したりするのが肝臓の働きですが、18時以降は肝臓の働きが悪くなるため、肉をとってもあまり分解できず、かなりの割合で無駄になる可能性があります。

 

意外かもしれませんが、胃の機能がマックスになるのは昼の12時ごろです。

 

臓器にはそれぞれ活発に働く時間帯があるので、この時間帯に肉を食べると胃もたれも起こしにくいというわけです。

 

1日に最低限必要なたんぱく質の量は、体重1キロあたりでおよそ1グラムです。

 

体重が60キロの人なら60グラムになりますから、肉の重量に換算すると、鶏むね肉で約250グラム、豚もも肉で約270グラム、牛もも肉なら280グラムを食べれば必要量が取れることになります。

ただし、これはおよその分量であってグラム数にこだわる必要はありません。

 

しかし、「年を取るほどもっと肉を食べたほうがいい」というのが感想です。

 

日々受診する患者さんたちを見ていると、よく「日本人はたんぱく質が足りていない」と感じます。

それは肌のツヤや筋肉のハリなどから受ける印象なのですが、いま一つエネルギッシュなものを感じないのです。

さっぱりした食品を好む人ほど見た目が老けていることもあって、やはり食生活の影響が大きいことを実感しています。

 

でも、老けない心身をつくるには、たくさん肉を食べてたっぷりのたんぱく質を取ればいいのですから、難しいことではありません。

栄養の宝庫である肉を、毎日の食事にしっかり取り入れて、元気なスーパーシニアをめざしてほしいものです。

「感情の老化を防ぐ本 より」

 

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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。

これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。

血管はアミノ酸たんぱく質コレステロールなどの脂質によってつくられます。

アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。

たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。

動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。

 

また、脳の機能にとって神経伝達物質がきわめて重要な存在です。

ドーパミン、GABA、セロトニンがよく知られていますが、アセチルコリンも重要な役割をもつ神経伝達物質のひとつです。

記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

 

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

ビタミンB12について?

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