「欲しい、欲しい」と思うときは、強い不安があるのだと考える
どんなに欲しいものを追いかけても、
その背景にある理由がわかっていなければ、
心は満たされません。
何が自分に、そう思わせているのか、
きちんと見極めなければいけないのです。
時間、地位やお金、承認や賞賛、特定の状況など、「欲しい、欲しい」と願い続けている人がいます。
常に何かが足りないと感じている。
そういう人たちは、本当に何かが欲しいのではありません。
多くの場合、「欲しい」の底に強い不安があるのです。
だから、「○○が欲しい」と話す人たちに、「何がどのような理由で欲しいのか」を尋ねても、あいまいな答えしか返ってきません。
また、話を煮詰めていくと、実は簡単に手に入るものを求めている場合もあります。
以前、悩み相談に来た女性が、「結局、私は心安らかな毎日がほしいだけなんです」と言うので、「それは、どういう毎日ですか?」と尋ねてみました。
彼女が話し始めたのは、「朝7時頃起きて、ゆっくりお茶を飲んで、朝食をきちんととって……」と、今すぐにでもできそうなことです。
それなら話は早いと、具体的に聞いていきました。
「では、今何時に起きているんですか?」
「8時にしか起きられないので、いつもバタバタなんです」
「それなら早寝して7時に起きれば、すぐ心安らかになれるじゃないですか」
「いや、忙しくて寝るのが遅いから、睡眠時間は削れません」
「だったら、仕事を早く終わればどうですか?」
「時給で働いているので毎日1時間短くすると、月に○○円も低くなって……」
と、つつましい計算が始まりました。
しかし、自分が何を大切にしたいのかがわかっていれば、人に聞くまでもありません。
朝ゆっくり過ごして平穏な日々を送りたいのなら、多少の収入減は受け入れる。
お金が欲しいのなら、あわただしい毎日は仕方ないと考え、しっかり働く。
どちらかを選べばいいわけです。
悩む必要はまったくありません。
結局、自分が何を求めているのか、何を大切にしたいのかが、よくわかっていないから混乱してしまい、不安になるのです。
そして、「何か」が手に入れば、幸せになれると勘違いするのです。
逆に、何が欲しいのかを聞いていくと、非現実的な夢を語り始める人もいます。
「豪邸が欲しい」「有名になりたい」など、初めから明らかに本人も無理だと心の中では思っていることを「欲しい」と言う人もいます。
そんな人たちの共通項は、満たされていない「何か」があり、きわめて不安な状態が続いていること。
そして、自分自身が不安であることにすら気づいていないことです。
「こんなはずではなかった」
「このままでいいのだろうか」
そんな漠然とした不安の代用品が「欲しいもの」であり、もっと言うなら、「自分の生活を思いどおりにしたい」という欲望なのです。
「思いどおりにしたい」という意味では、ここ数年流行している「物を持たない暮らし」と同じです。
最近では、家具さえほとんどない殺風景な部屋で暮らす生活が注目されています。
しかし本質を見れば、そういったシンプルすぎる部屋は、ガラクタで溢れるゴミ屋敷と変わりありません。
極端なほどシンプルな暮らしの根本に何があるかと言えば、対象を「思いどおりにしたい」という欲望です。
物を捨てる行為は、「物を所有したい」という欲望と同じであり、「思いどおり」の中に「捨てる」ことが含まれているに過ぎないのです。
どんな暮らしをするのも自由です。
ただ、物事が思いどおりになることは少ないと覚悟してやったほうがいいでしょう。
しかし、もっとも大事なのは、なぜ自分が「欲しい」と思うのか、あるいは、「捨てたい」と思うのかです。
その理由がわかっていなければ、どんなに「欲しいもの」を追いかけても、あるいは、無駄な物が一切ない殺風景な部屋で暮らしてみても、問題は永遠に解決しません。
だから、話の次元を変えないといけないのです。
自分はいったい何が不安なのか。
どのような状況が自分を不安にさせているのか。
手間と時間をかけてきちんと考え、見極めなければいけないのです。
「禅僧が教える心がラクになる生き方 より」
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新しい生活パターンへの対応、とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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