納豆+卵+ごはんは理想のバランス
タンパク質を摂取できる4種類の食品(肉、魚、卵、大豆)のなかで、唯一植物性なのが大豆です。
タンパク質は、20種類のアミノ酸を組み合わせてできていますが、その組み合わせかたは、食品によって異なります。
納豆や豆腐など、大豆製品に含まれるタンパク質は、動物性のタンパク質にあまり含まれない種類のアミノ酸が豊富。
体内で合成できない必須アミノ酸も豊富です。
肉や魚を食べるだけでは不足してしまう栄養素を補える理想的な食品なのです。
大豆は保存性が高いこともあり、昔はよく食べられていました。
ところが現代人は、大豆をあまり食べなくなり、動物性のタンパク質過多な食生活の人が増えています。
動物性タンパク質は、人間にとって良質なタンパク質ですが、動物性のものばかり食べて栄養が偏ると、生活習慣病や、心臓や脳の血管の疾患を引き起こすことも分かっています。
脳の血流は、理性や感情のコントロールにも影響を与えますから、性格だって左右します。
脳の細胞を作るのに重要な栄養素に、「チロシン」というアミノ酸があります。
チロシンは、大豆のタンパク質に多く含まれます。
脳をうまく働かせるためにも、動物性のタンパク質だけを食べず、大豆製品も毎日しっかり食べることを意識してほしいところです。
とはいえ、大豆製品をたくさん食べるのはなかなか難しいと思います。
そこで、植物性のタンパク質の不足を補ってくれるのが、お米です。
炭水化物のイメージが強いですが、意外にもタンパク質も含んでいるのです。
ただ、お米はアミノ酸スコアが低いのが難点。
肉と魚が約100点、卵も100点なのに対し、お米は60点しかありません。
お米だけを食べていても、タンパク質の合成率は悪いんです。
アミノ酸スコアの良いタンパク質を加えればいいのです。
たとえば、ごはんにかつお節をかけたり、納豆と卵をかけたり、とくに卵は、アミノ酸スコアが100点だけでなく、タンパク質を合成するのに必要なビタミンやミネラルもバランス良く含んだ「栄養価の優等生」。
一緒に食べることで、納豆とお米が持つ栄養素を格段に多く身体に吸収することができます。
納豆に卵を混ぜてごはんにかける人は多いと思いますが、栄養価的にその組み合わせは大正解だったんです。
いままで納豆だけで食べていた人も、ぜひ今日から卵を加えてみてください。
そのブラスワンだけで、栄養摂取の効率がグンと上ります。
ほかにも、かつ節をかけた冷や奴や麻婆豆腐のように、植物性のタンパク質と動物性のタンパク質を組み合わせた料理は栄養バランスがとってもいいですよ。
大豆製品は、普段の生活では見落とされがちな食材です。
しかも、納豆や豆腐は一度にたくさん食べるような食材でもありませんから、圧倒的に摂取量が少ないです。
普段から取り入れるように心がけるのはもちろん、肉、魚、卵と組み合わせて、上手に栄養を摂っていきましょう。
「栄養で人生は変わる より」
※納豆と生卵の食べ合わせがダメな理由
納豆にはさまざまな栄養素が含まれていますが、そのひとつに「ビオチン」というビタミンB群の一種が含まれています。
ビオチンを摂取することで、髪や爪、肌などを健康に保ち、新陳代謝をアップ、美肌効果、アンチエイジング効果があるといわれています。
一方の生卵にはタンパク質の一種である「アビジン」が含まれています。
アビジンはビオチンと結合する性質があり、結合することでビオチンの吸収が妨げられてしまいます。
このアビジンは卵の中でも卵黄には含まれず、卵白のみに含まれる成分です。
そのため、納豆と生卵は相性が悪く、納豆に生卵を混ぜたい人は、卵白を取り除いて卵黄だけにしましょうといわれているのです。
ここまでの情報に嘘はありませんが、問題はビオチンへの期待度が高すぎるという点です。
納豆と生卵は食べ合わせが悪いと言い切れるほどでのものではありません。
また、納豆のビオチン含有量は100g当たり18.2μgと特別多い値ではありませんが、生の全卵は100g当たり25.4 μg、卵黄では100g当たり65.0 μgですから、納豆と生の卵白の食べ合わせというよりも、生の全卵を食べても卵白のアビジンに邪魔されてビオチンを摂取できないので、ビオチンの摂取が目的なら卵黄のみにするという話から始まったように思えます。
ちなみに、アビジンがビオチンの吸収を阻害するのは生の時で、卵白を加熱すればアビジンの働きが弱まるため、ビオチンの吸収は阻害されにくくなります。
ビオチンは納豆に限らず多くの食品に含まれているので、通常の食事をとっていれば不足することはありません。
さらに、腸内細菌によっても合成もされるため、ビオチンが不足することは滅多にないのです。
それでも美肌効果やアンチエイジング効果があるから多くとりたい。
だから「納豆を食べるときは卵白を取り除いた方が良い」と思うかもしれませんが、ビオチンを多くとればとるほど、効果がアップするわけではありません。
なぜなら、ビオチンは水溶性ビタミンなので、過剰摂取した場合は吸収されずに排泄されてしまうからです。
ビオチンが不足する可能性が高い人は、納豆を食べる時に卵白を混ぜるのはやめた方が良いですが、不足していない人は好きな食べ方で食べれば良いのです。
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
レシチンはアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
なお、レシチンをアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
アルツハイマー型認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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