炎症反応と病気

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炎症反応と病気

 

炎症反応とは、細菌などから身体を守るために白血球が活性化され、仲間を呼び寄せて攻撃することなのですが、侵入した細菌に対する攻撃のように急性のものと、穏やかでじわじわ進む慢性のものがあります。

実は、この穏やかに進む白血球の攻撃が認知症アルツハイマー病だけでなく様々な病気の原因と考えられているのです。

そうした病気の例をいくつか紹介します。

 

<動脈硬化>

動脈血管の内側に“かさぶた”のようなものができるのが動脈硬化で、血液の流れを妨げるため心筋梗塞脳梗塞を引き起こします。

このかさぶたにはコレステロールが多く含まれるので、血液中のコレステロールが血管に沈着してできると考えられてきましたが、実は血管壁にできた傷に白血球が集まり、それらが血液中を流れてきたコレステロール顆粒を細菌と間違えてのみ込み肥大化したものでした。原因は炎症反応だったのです。

 

<Ⅰ型糖尿病>

食後に血糖値が上がってもインスリンが分泌されず、いつまでも血糖値が下がらないのがⅠ型糖尿病です。この原因は、インスリンを作る膵臓の細胞を白血球が間違って攻撃して、インスリンを作れなくしたためでした。これは自身の細胞に対する炎症反応です。

 

<関節リュウマチ>

関節の腫れや痛みは炎症そのものですが、原因は白血球が間違って自身の関節細胞を攻撃したためです。

 

<アレルギー>

花粉や食物に対してアレルギーになるのは、身体にとって害のないこれらの物質に免疫タンパク質と白血球が過剰に反応するためです。これも一種の炎症反応です。

 

オメガ3系脂肪酸と炎症反応

 

これらの病気に共通する特徴は、“白血球が過敏になり”自分自身の細胞あるいは害のない相手を攻撃することです。

治療に使われる抗炎症薬は、白血球が仲間を呼び寄せるときに使う物質を合成できないようにして、過敏になった白血球の活動を抑えます。

抗炎症薬ではありませんが、オメガ3系脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アルファリノレン酸(ALA)も白血球を呼び寄せる物質の合成を抑えるので、それらを多く含む食品を食べると、上記で述べたような病気を防ぐ効果があると考えられています。

EPADHAは青魚やサケに多く含まれ、ALAは亜麻仁油やナッツに多く含まれています。

魚を多く食べ、時々ナッツをつまむようにしていると、動脈硬化やリウマチだけでなく、認知症アルツハイマー病も防げるかもしれません。

「老化と脳科学 より」

 

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「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?

顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。

それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。

わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。

動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。

虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。

そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。

このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

 

ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

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