脳の老廃物除去

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脳の老廃物除去

 

ネズミを使った実験から、睡眠は単に有害物質が拡散していくのを待つといった受動的なものではなく、もっと積極的に脳神経細胞のまわりから有害物質を排除することが分かりました。

 

私たちの身体の中には血管とは別にリンパ管による循環系があります。

リンパ管の中を流れるリンパ液は細胞のまわりを取り巻く間質液で、細胞から出た老廃物を最終的には静脈に送り込むという働きがあります。

細胞から出た微小な老廃物は毛細血管に入ることができるので静脈血により除去できますが、老廃物がタンパク質のように大きな場合は血管に入ることができないのでリンパ管によって運ばれるのです。

 

脳の中にリンパ管はありませんが、脳と脊髄はリンパ液のような脳脊髄液で包まれ、それは脳の底部で鼻粘膜リンパ管とつながっています。

大脳皮質の神経細胞グリア細胞のまわりにある脳間質液とこの脳脊髄液のあいだは上衣細胞 ependymal sellによって隔たれているので、タンパク質のように大きなものは自由に行き来できません。

そこで、脳脊髄液は脳内に入り込む血管の周囲にある隙間(血管周囲腔)に沿って流入して脳内に生じた大きな老廃物を含む脳間質液を外に押し出します。

老廃物は脳脊髄液によって脳の底部まで運ばれ、鼻粘膜リンパ管を通じて除去されます。

脳脊髄液を流す際にグリア細胞 glial cellが重要な働きしているので、リンパ系 lymphatic system と類似したこの経路はグリンパ系 glymphatic system と呼ばれます。

 

 アルツハイマー病の原因は、アミロイドβの集合体(アミロイド斑)が脳間質液中にできるためではないかと考えられています。

このアミロイド斑が脳内で炎症反応を起こし神経細胞に損傷を与えるというのが多くの研究者が考えているアルツハイマー病発症の仕組みですが、アミロイド斑が脳間質液の流れを妨げて有害物質の除去を妨害するためと考える研究者もいます。

「老化と脳科学 より」

 

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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。

これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。

 

血管はアミノ酸たんぱく質コレステロールなどの脂質によってつくられます。

アミノ酸は普通の食事をしていれば十分にとれるので、動物性たんぱく質を意識しましょう。

たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。

動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。

 

各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。

多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。

たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。

よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。

 

ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。

8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。

血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

 

ビタミンB12について?

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