特定のタンパク質には、不調を改善させる作用がある

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特定のタンパク質には、不調を改善させる作用がある

 

多くの病気には「タンパク質の異常」が影響していることを紹介しましたが、反対に、人体のさまざまな機能にかかわるタンパク質には、不調を改善させる作用があることがわかっています。

 

代表的なものとしては、ラクトフェリンでしょう。

人間の母乳や涙のほか、ヨーグルトなどに含まれるタンパク質で、古くから赤ん坊の免疫機能を向上させる作用があるといわれてきました。

その後の研究で、抗菌・抗ウイルス作用や抗酸化作用、貧血を改善する鉄吸収の調整作用、骨密度改善作用など、さまざまな機能があることが判明。

さらに、最近の研究で内臓脂肪を低減させることもわかり、「機能性表示食品制度」の第1号として届け出されました。

 

牛乳などに微量に含まれるMBP�というタンパク質には、骨の代謝に関係する細胞にはたらき、骨を強くする作用が見つかっています。

 

また、タンパク質のほかにも、アミノ酸が2~50個程度つながった状態であるペプチドにも、血圧を下げたり、痛みを抑えたり、疲労を抑えたりする作用があるものも見つかっています。

 

不調や病気を改善させるタンパク質・ペプチド

 

とても多くの作用がある機能的な赤いタンパク質

<タンパク質-ラクトフェリン>

出産後の母乳に多く含まれ、赤ん坊の健康に重要な役割をもつ、赤みがかった色のタンパク質。

下記以外にも、腸内環境をととのえたり、傷の治癒を促進するなどの作用も。

 

★含まれるもの

牛乳、ヨーグルト、ナチュラルチーズ、母乳、涙 など

 

★期待できる作用

・強力な抗菌、抗ウイルス効果

・抗がん・抗酸化作用

・貧血の改善

・骨形成の促進

・内臓脂肪の低減 など

 

牛乳で骨が強くなるのはこれのおかげ!?

<タンパク質-MBP>

MBP�は骨の合成をする骨芽細胞を増やしたり、骨芽細胞のコラーゲンの合成を促したりすることで、骨を強くします。

また、骨を溶かす破骨細胞を抑制する作用も。

低下するとうつやパニックなどを起こすといわれる

 

★含まれるもの

牛乳 など

 

★期待できる作用

・骨密度を高め、骨を丈夫にする

※MBP�は雪印メグミルク株式会社の登録商標です

 

食事で血圧を下げられるかも!

<ペプチド-アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害ペプチド>

心臓の収縮力を高めて血圧を上昇させルペプチドをつくる「ACE(アンジオテンシン変換酵素)」を阻害します。

高血圧の特定保健用食品として市販されているものも。

 

★含まれるもの

牛乳、大豆、いわし、鰹節 など

 

★期待できる作用

・血圧を降下させる

 

まるでモルヒネ!体内でつくられる脳内の麻薬

<ペプチド-オピオイドペプチド(エンドルフィンなど)>

オピオイドペプチドとは、モルヒネのような強力な鎮痛作用をもつペプチドの総称。

体の危機が迫ったときなどに体内で生成され、痛みやストレスなどを緩和します。

 

★含まれるもの

牛乳、小麦 など

※ただし食品に含まれるものには作用は少ない

 

★期待できる作用

・鎮痛作用

 

京都発のモルフィンで、この名前

<ペプチド-キョートルフィン>

1979年に日本人の研究者が世界で初めて牛の脳から精製した、脳内で痛みを抑制するペプチド。

京都で発見され、モルヒネ(モルフィン)に似た作用があり、この名前がついた。

 

★含まれるもの

牛の脳 など

 

★期待できる作用

・鎮痛作用

 

疲労を改善する、海の生物の体内に多いペプチド

<ペプチド-バレニン>

ヒゲクジラマッコウクジラ、ほたてなどから見つかっているタンパク質。

クジラなどはバレニンのおかげで長時間泳ぎ続けられるといわれています。

人体でも疲労を改善させる作用が!

 

★含まれるもの

ヒゲクジラマッコウクジラスルメイカ、ほたて など

 

★期待できる作用

疲労予防

疲労回復促進

認知症予防

「新しいタンパク質の教科書 より」

 

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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB1はエネルギーの供給だけでなく、老廃物の代謝にもかかわっています。

B1だけではありません。

B2、ナイアシンなどのほとんどのビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。

したがっていっしょにとるのが効果的です。

 

脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

ビタミンB12について?

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