望ましい食生活と「体質」の関係
最近の研究から、海藻を分解できるのは世界でもほぼ日本人だけの特徴であることが明らかになりました。
日本人の腸に住んでいる特殊な腸内細菌が海藻の食物繊維を分解してくれているようです。
このときできる物質に、内臓脂肪をたまりにくくする作用があることも示されていますが、大多数の欧米人は海藻を分解できないので、この効果は期待できません。
人種によってはビタミンDも問題です。
ビタミンDには骨を強くする働きがあり、食品に含まれているだけでなく、紫外線を浴びることで体内でも合成できます。
アフリカは紫外線が強いので、アフリカ人はビタミンDを体内でしっかり作り出すことができますが、それと引き換えに、食品からビタミンDを吸収する力があまり発達していないとされています。
そのため、紫外線が弱いアメリカで暮らすアフリカ系アメリカ人はビタミンDが不足しがちで、これを補うために、ビタミンDを他の人種よりたくさん摂取する必要があるといわれています。
そして、日本人にとってやっかいなのが脂肪です。
日本人は脂肪を摂り過ぎると生活習慣病や、がんの発生と関係する内臓脂肪が増えてしまう不利な体質を持っています。
そのためでしょうか、もともと脂っこい食事を好まない傾向があります。
カレーライス、コロッケ、とんかつ、しゃぶしゃぶなど、海外の料理にヒントを得て、日本風に生まれ変わった料理はたくさんあります。
いずれも自分たちの嗜好に合わせて、脂肪と、刺激の強い香辛料を減らし、代わりに醤油、だしなど、慣れ親しんだ風味を加えています。
中華料理の味つけは穏やかになり、和風パスタや魚肉ソーセージもできました。
これに対して、長年にわたって脂肪をがっちり摂取してきた欧米人の体は脂肪の処理に慣れており、摂り過ぎた脂肪を、内臓脂肪よりも安全な皮下脂肪の形でたくわえることができます。
このおかげで、脂肪を多く摂取しても、日本人ほどは問題が起きにくいのです。
欧米食が日本で変化したように、海外の和食も現地風に変化しています。
日本人の職人さんが握る本格的な寿司だけでなく、生魚が苦手で脂肪を好むアメリカ人への配慮から、カニカマボコとアボカドを使うカリフォルニアロールなどが開発されて人気を集めました。
望ましい食生活は、遺伝、生活習慣、気候風土などが形作る体質によって変わります。
経験と知恵を積み重ね、現代の科学的なデータを参考にしながら、国ごと、人種ごと、民族ごとに追求するべきものでしょう。
「「日本人の体質」研究でわかった長寿の習慣 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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