百寿者は「あの病気」が少ない
百寿者の健康状態を調べた調査から、百寿者のほぼ全員が定期的に通院していることが明らかになっています。
病気知らずで来た人より、ひとつくらい持病がある人のほうが、体をいたわることで長生きするのかもしれません。
「無病促進」より「一病息災」ということです。
ある調査によると、百寿者の60~70パーセントが、重い軽いは別として認知症を発症していました。
自分のことは自分でできる人は約40パーセントで、それに加えて、目も耳も問題なく機能している人は全体の約4パーセントだったそうです。
少なく思えるかもしれませんが、見ようによっては、100歳を超えてもおとろえ知らずの人が一定数いることになります。
認知症を除くと、もっとも多いのが高血圧で、次いで骨折、白内障でした。
ただし、百寿者には大きな特徴があります。
糖尿病が明らかに少ないのです。
高血圧も少ない傾向が見られました。
なかでも110歳以上のスーパーセンテナリアンと呼ばれる人たちに限ると、糖尿病の人の割合は百寿者全体よりさらに下がり、85~90歳の人たちの約6分の1になります。
同じ結果は海外で実施された百寿者研究でも示されているようです。
「センテナリアン」は「100歳以上の人」という意味で、「1世紀=100年」を意味するセンチュリーと同じ語源を持つ言葉です。
100歳の人のなかで110歳まで生きるのは250人に1人といわれていますから、110歳を超えた人はまさしく「スーパー」センテナリアンなのです。
糖尿病があると平均寿命も健康寿命も低くなります。
繰り返しになりますが、まずは予防し、すでに治療中の人はコントロールにつとめてください。
この逆に、百寿者の血液には、糖尿病を防いでくれるアディポネクチンという物質が多い傾向が示されました。
何だって? と驚かないでください。
お腹の内臓脂肪は、生活習慣病やがんの発生を促す悪い物質の他に、これらの病気になりにくくして脂肪の燃焼を助ける良い物質も作っています。
この良い物質こそ、アディボネクチンなのです。
内臓脂肪が増えると、良い物質=アディポネクチンが少なくなるのですから、アディポネクチンが多いというのは、余分な内臓脂肪がついていないことを意味しています。
これが「4つの習慣」の第二、腹八分目の効果です。
腹八分目を続けることで、日本人の弱点である内臓脂肪の蓄積を確実に防ぐことができます。
それにしても、生活習慣病のなかで、とくに糖尿病が問題なのはなぜでしょうか。
近年、糖尿病の研究をあしがかりにして、老化の解明につながるさまざまな報告が集まってきています。
「「日本人の体質」研究でわかった長寿の習慣 より」
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「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?
顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。
それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。
わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。
動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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