それは「感情年齢」の老化から始まる

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それは「感情年齢」の老化から始まる

 

精神科医として30年以上にわたって高齢者医療を専門とし、さまざまなケースに接してきました。

体の健康のほかに、認知症、うつなどの数々の「心の問題」と「脳の問題」を診てきています。

 

「年を取ると、何が起こるのか」を長年見てきたのです。

 

そして、多くの方々にアドバイスをしてきたことから、みなさんの「不安」への具体的な「予防と対策」をいくつかお伝えできると思います。

 

その経験からまずいえることは、多くの人の老化は「感情の老化」から始まる、ということです。

 

たくさんの高齢の方々を診てきて、感情機能や自発性、そして意欲を司る脳の「前頭葉」の働きが低下することで、人は、「感情年齢」が高齢化し、そのために体全体に老化が進んでしまうことに気づいたのです。

 

40代からすでに始まっている脳の老化

 

人間の脳(大脳皮質)の表面積は、新聞紙一面(約2200平方センチメートル)くらいで、そのうち脳の各部が占める面積は、前頭葉41%、側頭葉21%、頭頂葉21%、後頭葉17%となっています。

 

前頭葉がこれほど発達している動物は、ほかにはいません。

人間が人間らしくあることの裏づけが前頭葉の働きだといえるでしょう。

 

ところが、この大切な前頭葉の萎縮は、40代から目に見えるようになります。

臨床現場で膨大な脳のCT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴コンピューター断層撮影)などの検査画像を観察する中で、「人間の脳で最初に老化が始まるのが前頭葉だということを確認したのです。

 

いわゆる「脳の画像」では、頭蓋骨の内側に隙間なく詰め込まれている脳をイメージしますが、こういった「きれいな脳」の状態を維持できるのは、普通は30代が限界です。

個人差はありますが、40歳過ぎから、脳には頭蓋骨との間などに隙間が少しずつできます。

 

40代になって前頭葉が肉眼でわかるほどに委縮すると、その人は30代までより創造性、自活性、意欲などの能力が低下してしまいます。

 

50代、60代になると、さらに前頭葉の機能が低下し、「感情抑制機能」が衰えることから、些細なことで怒ったり、怒鳴ったりするようになる人もいます。

 

ただ、みんながみんな「問題行動」が生じるわけではありません。

そして、前頭葉が委縮しても、「知能・記憶力はほとんど落ちない」という点が重要です。

 

前頭葉の機能が落ちても、若い頃からむずかしい本を読んできた人は、これは側頭葉の機能ですので、相変わらず読んで理解できるし、文章力も落ちません。

頭頂葉の機能である計算力にも影響はありません。

 

日々の生活も、全く変わることなく送ることができます。

そのため、かえって自分の感情年齢が変化していることには、なかなか気づかないのです。

「「脳が老化」する前に知っておきたいこと より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。

また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

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