ボケより怖い「うつ病」
ボケ、認知症とは異なる「心の老化」で、とくに気をつけたいのが「うつ病」です。
「心の老い支度」としては、むしろこちらのほうが大切です。
そう呼ばれるほど、だれもが発症する可能性がある「心の病気」です。
ただし、「心の風邪」という言葉の響きほど「軽い病ではない」こともしっかり知っておく必要があります。
うつ病は、放っておいてよくなるものではなく、「こじらせるリスクが大きい」という点で、「万病の元」といわれる風邪と共通点があります。
軽いからといって放置していい病気ではありません。
とくに高齢者の人のうつ病は、認知症と勘違いされたり、放置されたりしがちで、気をつけないと大問題につながるのです。
うつ病についての誤解や偏見もまだあるので、本人も、家族をはじめとする周囲の人も、うつ病についてきちんと知っておくべきことがいろいろあります。
いちばんの問題は、「うつ病が原因で自殺する人」がかなり多いということです。
欧米での推定では、自殺した人の約70%は、うつ病にかかっていたとみられているのです。
ほんの数年前まで、日本では「年間3万人超」の人たちが、さまざまな理由で悩みを抱えたあげく、自殺の道を選択していました。
しかし、その後の対策によって、自殺者は減少しています。
この自殺者の減少には、かつての民主党政権が、自殺対策を行ったことが影響したといわれています。
民主党政権のときに、うつ病対策として、「お父さん、眠れてる?」というポスター告知を展開するなど、「うつ病の疑いがあれば早期に医者にかかる」ことを推奨したのです。
その結果かどうかははっきりとはわかりませんが、2012年に「日本人の自殺者数が15年ぶりに3万人を切った」という報道がありました。
「不眠」が、実はうつ病の症状の一つだということを強調した結果ではないかと思います。
そして現在では自殺者数は2万1000人を切っています(2018年)。
しかしながら、自殺者が年間3万人を超えていた14年間で、約45万人が不本意な死を選んでいたのです。
バブル崩壊後の長期不況が影響したともいわれますが、「自殺者、年間3万人は異常」という指摘があっても、これといった対策を講じなかったそれまでの無策ぶりは、大問題だったと思います。
不眠がうつ病の症状だと知らせること、そして、うつ病が疑われたら医者にかかること、ほかの症状が目立たない、軽症のうちにうつ病を治しておいたほうがいいこと、放っておくと、脳が変化して非常に治りにくくなること……こうしたうつ病の真実を知っておくことが大切です。
「「脳が老化」する前に知っておきたいこと より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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