悪循環する思考を修正する「反証」

f:id:endokoro728:20200625205717j:plain

悪循環する思考を修正する「反証」

 

厚生省の事業「こころの健康科学研究事業」が作成した、『うつ病認知療法認知行動療法治療者用マニュアル』によれば、認知療法で、治療者がうつ病の患者に行う問答の「反証」の例が紹介されています。

 

「状況」「感情」「自動思考」では、3つの問答、分析でした(「3つのコラム法」)が、ほかに「5つのコラム法」「7つのコラム法」などがあります。

 

「7つのコラム法」では、3つに加えて、「根拠」「反証」「バランス思考・プラン」「心の変化」の4つが加わります。

 

その問答の中で、治療者が「反証」を見つける手がかりの「4つの例」が「マニュアル」に出ていますので紹介しましょう。

 

これは、うつ病の人が「自動思考」で不適応思考の方向に迷い込んでいるときに、きわめて客観的に「適応思考」に導くための視点の例です。

 

・ポイント1:第3者の立場で

「もしほかの人が同じような考え方をしていたら、あなたはなんと言ってあげますか?」

「あなたがそう考えていることを知ったら、あなたの親しい人はどのような言葉をかけてくれるでしょうか?」

 

うつ病の人は、心理的に「視野狭窄(視野が狭くなること)」で、客観的な見方ができなくなっています。

第3者の立場に立って自分の姿を見たときに、客観的な見方ができるのではないか、と問いかけ,視野を広げる手助けをしまする

 

・ポイント2:過去や未来の自分だったら?

「元気な時だったら、違う見方をしないでしょうか?」

「5年後、10年後に同じ体験をしたとしたら、どのように考えるでしょうか?」

 

ポイント1の「第3者の立場」と似た見方で、過去の自分だったらどう見るか、未来の自分が見たらどう判断するだろうか、と問いかけます。

現在の自分は、うつ病でいっぱいいっぱいになっていますが、過去の自分なら、または未来の自分なら、別の見方をするのではないか、と問いかけます。

 

・ポイント3:経験を踏まえて

「以前にも似たような経験をしてことはありませんか? その時はどうなりましたか?」

「その時と今回では、どのようなところが違うのでしょうか?」

「その体験から、今回役に立ちそうなものはありますか?」

 

現在の自分は、うつ病のために悲観的な見方しかできなくなっています。

しかし、過去の自分であれば、同じような状況を経験して、別の見方をしていたのではないか、そう問いかけます。

 

・ポイント4:もう一度、冷静に

「自動思考は100%正しいですか?」

「どんな小さなことでも、自動思考に矛盾することはありませんか?」

「自分の力だけではどうしようもない事柄について、自分を責めていませんか?」

 

うつ病人が、自分の自動思考の「不適応」によって、悪循環の方向にパターン化されているということに気づけば、それまで「100%、自分が正しい」「100%、相手が間違っている」と思い込んでいた思考も、「ちょっと違っていたかもしれない」という自分の矛盾に気づきます。

 

これは健康な人でも陥りやすい思考法なので、日々自らを振り返り、「反証」するといいと思います。

 

このような思考パターンを変えるための面接は、原則として週に1回、一定期間続けて行います。

状況によっては、延長が必要なこともあるようです。

 

うつ病『3つの予防法』の「1.考え方のパターンを変える」というのが、この認知療法の「不適応思考」を修正する、という治療法に通じます。

 

日頃から誰でも陥りやすい「自動思考」と「不適応思考」の迷路についてよく考えて日常を過ごすことは、効果的なうつ病予防になると思います。

 

※「自動思考」とは、人が生活し、活動する中で遭遇するいろいろな場面で自動的に生まれる「思考パターン」のことです。うつ病の人は、この「思考パターン」によって、うつ病の状態をより悪化させているのです。

 

たとえば、人のことを敵か味方か、正義か悪の二つにだけ分けて考える「二分割思考」をする人は、味方と思っていた人が自分を批判すると、「敵になった」という自動思考が生じて落ち込んでしまいます。実際には味方のまま批判をしたかもしれないのに、敵でも味方でもないグレーゾーンが想定できないわけです。このようなマイナスに偏った自動思考を起こしやすくする思考パターンを「不適応思考」といいます。

 

不適応思考を指摘し自覚させることで、うつ病の患者と問答をしながら、「起こったこと=状況」「感じたこと=感情」「自動思考の内容=どんな否定的な感情に至ったか」といったことを書き記すなどして、自動思考以外の思考ができるように仕向けていきます。

「「脳が老化」する前に知っておきたいこと より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。

そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。

自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。

ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。

いわば元気の素です。

ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html

https://www.endokoro.com/

※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!

https://www.facebook.com/endokorob12