ストレスを“意欲”に切り替える「ドーパミン神経」

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ストレスを“意欲”に切り替える「ドーパミン神経」

 

脳の疲れを回復する、あるいは疲れない脳をつくる方法として、人間の「認知機能」を活用した方法を紹介しましょう。

 

簡単にいえば「ポジティブ思考」です。

 

この時脳内では、ドーパミン神経」が中心的な役割を果たします。

脳内の「情動中枢」である「扁桃体」が「快」の判定をくだす状況が発生すると、脳幹・中脳の「ドーパミン神経」が活性化されて、その快をもっと味わいたいという信号を前頭前野に送り、意欲、渇望が生まれます。

 

たとえば、何か食べ物を口に入れて、脳がそれを「美味しい!」と判定する。

すると、もっと食べたいという気分と行動をうながします。

 

「快」の判定は、通常、眼、耳、鼻、舌、皮膚の五感を介した身体的感覚によって無意識に行ないます。

 

しかし、意識的あるいは認知的な快の感情、たとえば、他者からの励ましの言葉をもらったとき、好ましい評価を受けたとき、あるいは自分のなかで何か好ましい状況を思い描いたときも、渇望は生まれるのです。

具体的にいうと、「会社でトップの成績をあげたい!」「昇進したい!」「大儲けしたい!」「試験に合格したい!」「試合に勝ちたい!」「彼女(彼)と付き合いたい!」などです。

 

 

ここで重要なポイントは、そういった「快」のイメージを抱くと、「不安・怒りの神経回路」の働きが弱まる、ということです。

 

「こうなりたい!」という意欲を持って行動すると、実際には厳しいストレス状況にさらされます。

 

たとえば、忙しく仕事をしたり、夜遅くまで勉強をしたり、激しく練習をしたりするなど、さまざまなストレスを受けることになるわけです。

 

そのようなハードワークを他人から強制されれば、間違いなく、「不安・怒りの神経回路」が活性化されてしまいます。

 

しかし、自らの意思、すなわちポジティブ思考によってそれを行なうのであれば、「不安や怒り」は発生しないのです。

 

これは、ポジティブ思考が、ストレス状況においても「不安・怒りの神経回路」を活性化させずに、逆にドーパミン神経を活性化させ、前頭前野に信号を送って、前向きに、活発に物事に臨むようにしてくれるからです。

 

ようするに、「考え方」や「発想の違い」だけで、活性化される脳内の回路が変わるということです。

こうした脳のメカニズムをうまく利用して、ストレス対策を行なうのも一つの方法です。

 

 

ただし、それには前提があります。

 

ポジティブ思考をするにも、やはり、心と体の元気を演出する「セロトニン神経」をちゃんと活性化させる工夫や努力を実践して、元気でいなければならないということです。

 

心と体が元気でなければ、ポジティブ思考はうまくできません。

空回りするだけになってしまいます。

 

逆に、ネガティブ思考が「心の疲労」を悪化させてしまうことを、脳科学で解説するとこうなります。

 

失敗や挫折などを経験すると、自分に対するネガティブな評価や感情が大脳(認知機能)に記憶されます。

 

この記憶が何かのきっかけで思い起こされると、「扁桃体」で不快の判定が下されて、「不安・怒りの神経回路」が刺激され、「ストレス中枢」の活性化と同時に「セロトニン神経」の抑制かが起こります。

 

ネガティブ思考が一時的でなく、クセになってしまうと、やっかいなことになります。

「心の疲れ」の回復力を弱めるのです。

自分で自分を疲弊させ続けてしまうのです。

 

そうならないために、「疲れない脳をつくる」生活や方法を実践するのに加え、日記を書いたり、家族や友人に相談してたり、あるいは心理カウンセラーにアドバイスを求めたりしながら、ネガティブ思考のクセを矯正していきましょう。

「医者が教える疲れない人の脳 より」

 

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新しい生活パターンへの対応、とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。

気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。

とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。

しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。

 

私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。

この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。

セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。

 

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 

ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。

十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。

脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。

また、ビタミンB12は、葉酸をはじめとするビタミンB群、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒に摂ることが望ましいとされています。

 

ビタミンB12について?

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