慢性疲労は、人を攻撃的にする

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慢性疲労は、人を攻撃的にする

 

「怒り」のコントロールにも、「セロトニン」が重要な役割を担います。

「切り替え脳」がスムーズに働くためには、潤滑油としてのセロトニンが不可欠なのです。

 

その証拠として、脳内のセロトニンが枯渇すると、「攻撃行動」に歯止めが利かなきなるという実験報告があります。

 

前頭前野の「切り替え脳」は、脳幹の「セロトニン神経」から濃密な神経連絡があることが解剖学的に知られています。

 

そのデータをベースに、次のような実験が行われました。

 

ラットのセロトニン神経を薬物で破壊して、脳内にセロトニンの分泌が起こらないようにします。

 

そうすると、ラットはマウス殺しをするのです。

 

同じケージに大きな体のラットと小さなマウスを一緒に棲まわせると、通常はちょっとしたちょっかいをかける程度で、大きな争いもなく、ケージ内でともに過ごします。

 

ところが、セロトニン神経が破壊されたラットの場合は、衝動的な攻撃行動に歯止めが利かなくなって、マウスを殺してしまうのです。

 

これは「切り替え脳」がスムーズに働く潤滑油(セロトニン)がないために、攻撃行動にブレーキが作動しなくなるからです。

 

つまり、「切り替え脳」をスムーズに働かせるためには、セロトニンが不可欠だと考えられます。

 

 

人間も同じです。

 

慢性疲労の状態に陥ってしまうと、セロトニンの分泌が減少し、さまざまなメンタルヘルスの症状が現れます。

そのなかに、「キレやすい」すなわち、「怒り」をコントロールできなくなる症状もふくまれます。

 

誰でも疲労がたまってくると、キレやすくなりますが、その理由は、セロトニンという潤滑油が足らなくなったために、「切り替え脳」がうまく作動しなくなるからです。

 

セロトニン欠乏脳」にならなければ、「切り替え脳」は正常に作動するわけなのですから、これは、人が怒りやすくなるのは、人格の異常などではなく、「疲労」が原因だと考えられます。

 

ですから、なんだかイライラする、怒りっぽくなっている、と思ったら、疲れがたまっている、ストレスがたまっていると考える、セロトニンの分泌が減少していると理解する。

そして、「セロトニン神経」を再活性化させる営みを積極的に行なって、その暴発リスクを回避しなければなりません。

「医者が教える疲れない人の脳 より」

 

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最近、電車の中でキレる人を見かけます。

少し前までは、電車の中で暴れるのは酔っぱらいか、普段から暴力的な人と相場が決まっていました。

でも、最近は違ってきています。

しかも、普段はおとなしく、礼儀正しい人なのに、ついカッとしてキレてしまったという人がとても多いのです。

受けたストレスをコントロールすることができず、感情を爆発させ、普段では決してしないような行動をとってしまう、これがいわゆる「キレる」という状態です。

この「キレる」という行為、原因を簡単に言うと、「ストレス」です。

これはまさに「セロトニン神経」の機能低下が原因だと考えています。

 

セロトニンは脳に静かな覚醒をもたらします。

これは別の言い方をすれば「平常心」をもたらすということでもあります。

平常心を保つというのは、脳の切り換えがスムーズに行われ、どこも暴走も興奮もしていない状態のまま、スムーズに働いているということです。

セロトニン神経の機能が低下すると、感情や精神状態を普段の冷静な状態にキープすることが難しくなることは充分に推測できます。

そしてこのことは、キレる人が朝の満員電車よりも、夜の帰宅時に多いということからも証明されます。

 

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。

そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。

脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

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