歯医者の「デンタル・リフレクソロジー」とは?
歯医者さんというと、ちょっと前までは、虫歯治療や義歯装着が主要な仕事でしたが、近年は、噛み合わせが心身の健康に影響しているとの知見から、「咬合治療」などによるメンタルヘルスへのアプローチも盛んに行われるようになりました。
たとえば、頭痛などさまざまな不定愁訴のほか、うつ病の原因にも噛み合わせが影響している可能性もあることがわかってきて、それを歯科医が治療する時代になっているのです。
ところで、私は、英国発祥の「リフレクソロジー」を施術・指導する協会(日本ヒーリングリラクゼーション協会)の会長を依頼され、脳科学者の立場から支援をしています。
リフレクソロジーは、皮膚への心地よい「触刺激」が心身の不調を癒す効果があるという医学理論(一種の反射学)に基づいています。
このリフレクソロジー理論には、「オキシトシン」が大きく関係しています。
心地よい触刺激が脳内のオキシトシンの合成・分泌をうながし、未病を治すということで、これは、「エステ」や「マッサージ」にも適用される理論です。
通常のリフレクソロジーでは、おもに足裏へのマッサージが行なわれますが、それを、歯医者さんの場合は、口腔内に施すわけです。
口腔が引き金になって発生するさまざまな不調(頭痛、肩こり、うつ傾向など)に対処する――それが、デンタル・リフレクソロジーであり、数年前、実際に施術治療を実施している歯科医が、私の「セロトニン道場」に、オキシトシンとセロトニンについて学びに来られました。
なお、最近は、頭部へのマッサージも流行っています。
ヘッドスパ、ヘッドマッサージなどと称されていますが、ようするに、いずれも施術することでオキシトシンの分泌をうながし、心身の疲れを癒すことが目的なのです。
「医者が教える疲れない人の脳 より」
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+
寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!