重症化のもう一つの原因は「レギュラトリーT細胞」の不在

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症化のもう一つの原因は「レギュラトリーT細胞」の不在

 

サイトカインストームで、もうひとつ炎症を重症化させるファクターがあります。

それが、「免疫ブレーキの故障」です。

 

 

免疫細胞のなかで、とくにサイトカインを放出するのはマクロファージです。

暴走状態に陥ったB細胞は抗体をつくり続け、その抗体はマクロファージを刺激し、サイトカインを放出させます(重症患者ほど抗体の検出量が多いのも、このサイトカインストームによる免疫細胞の暴走の痕跡である可能性が考えられます)。

 

 

さらに、活性化し過ぎた好中球やマクロファージは、貪食だけでなく、自爆攻撃によってドロドロのネット状の物質を放出してウイルスを捕まえようとします。

その結果、血液がドロドロになって毛細血管に血栓を生じさせます。

さらにある種のサイトカインは直接、血管の細胞を刺激して、血栓ができやすくします。こうしてさまざまな臓器で血栓ができることにより、炎症の拡大や壊死を引き起こしていくのです。

 

さて、ここでもう一度、免疫の仕組みを思い出してみましょう。

正常な状態であれば、ウイルスの感染に対して免疫応答が行われたあと、免疫細胞たちに「撤収」を呼びかける細胞がいました。

 

「レギュラトリーT細胞」です。

 

ヘルパーT細胞、キラーT細胞と同じT細胞の一種で、免疫細胞たちを制御することが役割です。

この細胞が正常に機能していれば、サイトカインストームもまた抑制されたはずです。

 

しかし、新型コロナウイルスに感染し、重症化した患者の血液中からは、このレギュラトリーT細胞を含むT細胞全般が極端に減ってしまっていることがわかっています。

その原因はまだまだ研究途上ですが、以下のふたつの理由が想定されています。

 

1.新型コロナウイルスの感染によるT細胞の減少?

 

どうやら新型コロナウイルスは組織細胞だけでなく、免疫細胞であるT細胞にも感染し、減少させている可能性があると考えられています。

ただこれはまだ仮説の段階で、今後の研究が待たれます。

 

重症者の体内からは、ウイルス撃退の実行を担うキラーT細胞も減少していますが、司令官の役割を担うヘルパーT細胞と調節役のレギュラトリーT細胞の減少が著しく、これが免疫力低下の一因となり、サイトカインストームの発生を食い止めることができなくなっていると考えられています。

 

 

2.基礎疾患や生活習慣の乱れによるレギュラトリーT細胞の減少

 

免疫細胞はわたしたちの身体から生み出される、身体の一部分です。

そのため、健康状態を悪化させるような生活習慣や、基礎疾患による臓器の不調があれば、免疫細胞も不健康となり、正常に機能しません。

 

とくに、レギュラトリーT細胞は腸に多く生息する免疫細胞です。

腸内環境が著しく悪化している身体では、新型コロナウイルスが感染する前からレギュラトリーT細胞が少なく、サイトカインストームを起こしやすい状態にあることが予想されます。

 

 

こうした要因のなかでもとくに、2.の基礎疾患や生活習慣の乱れによる不健康がレギュラトリーT細胞減少の原因となっている点は、極めて重要です。

 

なぜなら、実際に国内外における新型コロナウイルスの死亡者の多くは、肥満症、あるいは糖尿病や高血圧などの基礎疾患を抱える患者であるからです。

 

 

基礎疾患を持つ方は、レギュラトリーT細胞の減少や機能低下によって、そもそもサイトカインの産生を誘発しやすい状態にあると考えられます。

「免疫力が10割 より」

 

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人の体の老化は20代ごろから始まります。

老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

 

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。

また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

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