首と目の動脈に注意する

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首と目の動脈に注意する

 

かつて日本人には、東北などの寒い地方を中心に高血圧の傾向がありました。

漬物などの保存食に、塩をたくさん使ったからです。

その結果、脳の血管に障害が生じ、死因の多くも脳卒中(脳出血脳梗塞)でした。

 

そのあとに待っているのが、血管性認知症です。

 

脳血管に障害があると、周りにある神経細胞がダメージを受けて認知症に至るのです。

かつての日本では海外諸国と異なり、血管性認知症認知症の原因疾患の代表でした。

しかし、その後、血管性認知症が大きく減ったのは、塩分摂取量が控えめになり、脳血管障害が克服されてきたためです。

 

原因となる血管を守れば、血管性認知症は一次予防(発症させない)が可能です。

ほかの認知症とは、そこが最も違うところです。

 

一方で、脂肪の取り過ぎも問題です。

多くの人がその傾向をもっている糖尿病や脂質異常症のダメージは、長い時間をかけてやってきます。

 

 

脳の血管の老化について考えるとき、まず大事なのは首と目です

脳はたくさんの血液を必要とします。

心臓から脳へ向かう動脈は左右の頸動脈と椎骨動脈です。

したがって首の血管が大切なのは、わかりやすいと思います。

 

暑い日に首筋を冷やしたり、冬にマフラーを巻いたりするのは、動脈を流れる血液を冷やしたり温めたりするためです

首の血流は、とても大事なのです

 

では、なぜ目が大事なのかというと、脳の血管を直接見ることができるからです

画像検査をしなくても、網膜の奥に脳の中の動脈が見えるのです。

眼科に行くと瞳を覗き込まれますが、網膜の色素変性などのほか、眼底動脈の硬化も見ているのです。

 

 

脳の血管に関係する病気について説明しましょう。

 

動脈瘤は、脳の動脈の壁が薄くなったりもろくなったりした部分に血液が溜まって、コブのようになることです。

これが破裂すると、くも膜下出血です。

 

慢性硬膜下血腫は、たとえば転んで頭を打ち、直後は何ともないように見えながら数週間から数カ月かけてじわじわと出血して症状が出てきます。

血管が損傷を受けて血種ができ、次第に神経を圧迫してくるのです。

 

その結果、頭痛や物忘れ、認知症状や失禁、歩行障害などの症状をきたします。

それが「慢性」の意味です。

 

慢性硬膜外といって硬膜の外に血種ができる場合もありますが、慢性硬膜下のほうが多いです。

 

いわゆる脳卒中は、脳出血脳梗塞に分かれます。

脳梗塞にも2つあって、ひとつは心臓などから動脈を通ってプラーク(動脈硬化などの血管壁に見られる、扁平もしくは隆起したかたまり)のような塊が飛んでくるケース。

もうひとつは、血管の細くなっている部分が詰まってしまうケース。

つまり心筋梗塞と同じ症状です。

血管が破れて出血してしまうのが、脳出血です。

 

 

脳の血管障害にはパターンがいろいろあるのですが、症状の出方は、発生する場所によります。

脳の寿命に影響するかどうかも、やはり場所次第です。

大脳に大きな脳梗塞ができると手足が不自由になったり、脳幹に近ければ呼吸に支障が出たりします。

脳梗塞でも脳出血でも、小さかったり、損傷しても大きな影響が及ばない場所であれば、症状は軽くてすみます。

 

昔は、脳の表面まで巻き込むような大梗塞が多かったのですが、最近は血管の老化に伴う小梗塞の多発が増えてきています。

身体に麻痺が残ったり、ろれつが回らなくなるような大梗塞は、最近では珍しくなりました。

 

生活習慣病への備えが進んだことが大きいし、脳梗塞を起こしやすいかどうか前もってMRI(磁気共鳴断層撮影)などで調べられるようになったために、予防が進みました。

MRIで小脳梗塞が見つかったら、脳梗塞にならないように血液がサラサラになる薬を飲むなど、前もって対策を取れるようになったのです。

 

昔は日本人の死因は脳卒中が1位でしたが、いまは順位が下がってきています。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法 より」

 

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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

 

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

 

ビタミンB12について?

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