がむしゃらな脳
14歳までに感性が整った脳は、その後、28歳までの14年間に、単純記憶力を最大限に使う。
単純記憶力は、多くの記憶を長くキープしておける能力で、その脳の機能だけ見ればたしかに“単純”なのだが、実はそう単純でもない。
記憶を長くキープしている間に、脳は、ばらばらの事象から共通項を切りだしたりして、知恵やセンスを創生できる。
このため、この時期の暗記は、単なる暗記に留まらない。
その陰で、センスを作りだしていくからだ。
たとえば、英単語を二千語覚える間に、英語の音韻センスを身に付けることができる。
千本ノックが、打撃センスを伸ばす。
つまり、がむしゃらな繰り返しで高度なセンスが作れる時期で、勉強の好機でもあり、スポーツの能力を高めるチャンスでもあり、仕事のコツを身に付ける好機でもある。
15歳から28歳までの脳は、四の五の言わずに、目の前に置かれた課題をがむしゃらにこなすことだ。
単純な作業に見えても、結果、脳に搭載されるセンスは崇高。
それが、この年代の特徴だから。
しかし、出力性能はいまいち
目の前の事象を素早く取り込み、新たな記憶やセンスをどんどん増やしていく、しなやかな脳。
もう一度戻ってみたい気がするが、残念ながら、この脳は、出力性能がいまいちなのである。
脳内の回路の多くが、入力装置として機能している時期は、どうしたって出力性能はプアになる。
とっさに本質を見極めるためには、「無駄なものをとりこまない」ことが不可欠なのだが、入力期の脳は「あらゆるものをとりこむ」覚悟を決めている。
入力系と出力系では、信号処理が矛盾するのだ。
このため、ものごとをすんなり覚えられるうちは、「瞬時に本質を見抜いて、腹に落ちる正解を迷わずに言い当てる」ことは難しい。
試行錯誤と逡巡が、青春のあかしなのは、脳の使い方のせいなのである。
というわけで、若者の脳は、正解を出すためにそこにいるのではない。
がむしゃらに世の中を知り、試行錯誤と逡巡をするために、そこにいる。
答えが導き出せないことに悩むなんてナンセンス。
答えが腹に落ちるのは、まだまだ、ずっと先の話である。
脳の出力性能がピークに達するのは56歳。
健康でさえあれば、ここから84歳までが、「ヒトの脳がもっとも使える時期」に当たる。
つまり、人の脳は、28年ごとに位相を変える。
人生最初の28年は、いちじるしい入力装置、次の28年をはさんで、第三ブロックの28年間は出力性能最大期になる。
「成熟脳 脳の本番は56歳から始まる より」
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
また、老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。
この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。
ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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