【心得8】「リアルの体験」を大事にする
普段からスマホやパソコンに依存していると、どうしてもディスプレイ画面上で情報をやり取りすることが多くなります。
部屋から一歩も出ずに仕事や生活をすることも可能。
いまはたいていのことがわざわざ外に出て足を運ばなくても、ディスプレイ上のやり取りで済んでしまうわけですね。
しかし、こうした状態は、脳に健康的だとは到底言えません。
なぜなら、ディスプレイ上でやり取りされる情報は、ほとんどが視覚情報だから。
視覚刺激ばかりが多くて、他の刺激が少ない生活を長く続けていると、脳のバランスが偏って、たいへん脳が疲れやすくなるのです。
「脳過労」「スマホ認知症」に陥る患者さんにも、こういう方がたくさんいらっしゃいます。
では、どうすればいいのでしょう。
答えは簡単。
できるだけ人に会ったり直接足を運んだりするようにして「リアルの体験」を重ねるようにしていけばいいのです。
「リアル」の人や物に積極的にふれあっていくようにすればいいわけです。
そうすれば、「人」にしても「物」にしても、ディスプレイ上では感じることのできない“生身の質感”が感じられるはずです。
人に会えば、その人の“表情変化”“声の抑揚の変化”“体温”“息づかい”などが感じられるでしょうし、物にしても、たとえば本屋さんに行って本を手に取れば、その本の“手触り”“厚みや重み”“インクの匂い”などが感じられるでしょう。
このように、「視覚」だけでなく、「嗅覚」「聴覚」「触覚」などの五感が刺激されるような体験を積んでいくことが大切なのです。
また、人や物だけでなく、動植物とふれあったり、森、川、山、海などに出て自然と触れ合ったりする機会も大事にしてください。
たとえば、時間を忘れてペットとふれあったり、ガーデニングで草花や土をいじってみたり、緑の多い公園で昼寝をしたり、森林浴に出かけて深呼吸をしてみたり、川で無邪気に遊んでみたり……そういうふうに動植物や自然に親しむ機会を積極的に増やしていくのです。
意識して野外に出かけ、四季折々の自然の表情の変化を肌で感じ取るようにしていくといいでしょう。
脳が疲れている人は、そうやってできるだけ動植物や自然の声に耳を澄ましていくほうがいいのです。
とくに、「スマホ認知症」の人には、自分の部屋にこもったり自分の世界にこもったりしている人が多く、「リアルの自然」からすっかり遠ざかってしまっているケースが目立ちます。
なかには、いつもディスプレイばかり眺めていて、季節の変化にさえうとくなっているような人も少なくありません、
ですから、意識して外に出て、人、動物、自然との接触を求めるようにしてください。
動植物や自然には、脳の疲れを癒す力があります。
ぜひ、五感を総動員して、その自然の癒しの力をキャッチするようにしましょう。
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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。
しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。
このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。
これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。
ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。
新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。
この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。
しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。
このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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