本来の脳のパワーを取り戻すためのハウツー(16-18)

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本来の脳のパワーを取り戻すためのハウツー(16-18)

 

16.スマホをオフにして散歩をしてみる

 

デフォルトモード・ネットワークの活動は、散歩やウォーキングをしているときに活発になることもあります。

たとえば、のんびりと歩いているときに、頭の中にいろいろなイメージや記憶が浮かんでは消えていくような経験をすることがあるのではないでしょうか。

これは、脳のぼんやり機能が稼働している証拠。

歩行など、“あまり頭を使わなくてもいい身体動作”をしていると、だんだん大脳の意識的活動のレベルが下がってきて、代わりにデフォルトモード・ネットワークが活発になってくるのです。

 

デフォルトモード・ネットワークは、「スマホ認知症」や「脳過労」を防いで脳を健全にキープしていくために欠かせないシステム。

ですから、スマホ漬けのような日々を送っている人ほど、時間が空いたときに、ぼんやりと散歩をしてみることをおすすめします。

そしてその際は、できればスマホの電源をオフにして、着信や電話などの邪魔が入らない状態にして歩くようにするといいでしょう。

 

 

17.無心になれるような単純作業を行なう

 

デフォルトモード・ネットワークは、「脳が退屈するような単純作業」をしているときに活発になってくる場合もあります。

 

たとえば、何足もの靴をピカピカに磨き上げているときや大量のジャガイモの皮をひとつひとつ剥いているとき、風呂のタイルをひとつひとつピカピカに掃除しているとき……。

こういう単純作業に無心に打ち込んでいると、いつの間にか「ぼんやりモード」が台頭してくるようになるのです。

また、編み物のように、さかんに手先を動かしてしても他のことを考えられるような状態であれば、やはりデフォルトモード・ネットワークが稼働することが多くなります。

普段スマホ漬けで疲れている人は、おそらく、こういうふうに無心でひとつの作業労働に没頭するような機会が少ないのではないでしょうか。

だからこそ、たまには頭を空っぽにして、こうした単純作業に没頭してみてはいかがでしょう。

 

ちなみに、アップル社の故スティーブ・ジョブズは、毎晩、皿洗いをすることを日課としていました。

これも「ぼんやりモード」をオンにする儀式だったのかもしれませんね。

 

 

18.「緑の香り」で脳の疲れを解消させる

 

森林浴やハイキングをすると心身が癒されるものですが、じつはこれには科学的な理由があります。

森の木々や草木が放つ青々とした香りには、「青葉アルコール」「青葉アルデヒド」と呼ばれる香り成分が含まれています。

これらの成分が脳の奥底を刺激して、疲れを解消してくれているのです。

 

ですから、普段から仕事やスマホ使用で脳が疲れている人は、意識して自らを緑の多い環境に置くようにするといいでしょう。

そのうえで緑の多い公園を歩いたり、森や林、草原、田園などを散歩したりし、大きく深呼吸をして「緑の香り」を体内に取り入れていくことをおすすめします。

 

それと、山や川、海などへ出かけた際は、ぜひ、スマホのスイッチをオフにして、せせらぎの音、小鳥の鳴き声、木々の梢が揺れる音、波が打ち寄せる音などに、心静かにに耳を澄ますようにしましょう。

こうした自然の音には、疲れを癒すリズムが含まれています。

きっと、疲れた心が洗われるように感じるのではないでしょうか。

「その「もの忘れ」はスマホ認知症だった より」

 

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記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。

その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。

 

脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。

 

アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。

同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。

通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。

 

レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。

とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。

血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。

これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。

そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。

 

また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。

B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。

糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

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