たった一つの臓器の機能不全が寿命を決める

f:id:endokoro728:20210831210729j:plain

たった一つの臓器の機能不全が寿命を決める

 

◆「全身」のメンテナンスが大切

 

少し古いエピソードですが、アメリカのある有名な自動車メーカーの社長が工場視察をした時のことです。

 

案内役の工場長は製品の質を自信満々に語りました。

 

「社長、このバンパーは10年もちます。このバルブも10年もちます」と、次々と耐用年数(寿命)の長さを誇りました。

 

ところが、最後に小さな部品を目にした社長が「これは何年もつの?」とたずねると、工場長は「それだけは3カ月しかもちません」と少し顔を曇らせた後、「それ以外はすべて長持ちです」と、また胸を張りました。

 

すると、社長は苦笑い。

「他が十年もとうと、たった一つでも必要な部品が3カ月しか持たなければ、その車の寿命は3カ月ということになるじゃないか!」

 

全くもってその通りで、私たちの体もまた然りです。

 

いくら肝臓や腎臓や脳が元気でも、心臓が健康でなければ、その人の寿命は心臓で決まってしまいます。

 

したがって、健康やアンチエイジングを考えるときは、心臓や腸、脳といった個々のパーツだけの健康を考えるのではなく、体全体の細胞の機能の調和を保つことを優先させなくてはなりません

 

細胞や個体を老化させる根源的な原因を追究し、それに基づいて全身の老化予防や維持(メンテナンス)をしっかり行うことが、健康寿命を延ばす、より効果的でより確実な戦略になるというわけです。

 

先頃、ある新聞の投書欄に「医者はすぐ『お年ですから』と言うけれど……」と、疑問を投げかけているお年寄りがおられました。

 

お気持ちはよくわかります。

何でもかんでも「年だから」と片付けてしまうのはよくありませんし、そもそも患者さんに対して失礼でもあります。

 

その点は十分に肝に銘じているつもりですが、ただ、その一方で、年をとるにつれて病気にかかりやすくなったり、あちこちに痛みが出てくるようになるのも、これもまた否定しがたい真実です。

「老けない人は何が違うのか より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*

 

「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?

顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。

それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。

わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。

動脈硬化とは、血管が「硬くなること」「狭くなること」「血栓で詰まりやすくなること」。

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

 

近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。

虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。

そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。

このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

 

ビタミンB群は、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。

また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。

神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 

ビタミンB12について?

http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html

http://www.endokoro.com/

※ちょっと使える身近な情報をお届けしています!

https://www.facebook.com/endokorob12