◆AGEの蓄積を減らせば、老化を防げる!

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◆AGEの蓄積を減らせば、老化を防げる!

 

AGEの蓄積が、老化・寿命の決定因子になることを示唆する別のエビデンスもあります。

それは「高血糖は記憶される」ことを証明した大規模臨床研究の結果です。

 

この研究では、糖尿病患者をAとBの2グループに無作為に分け、Aグループは厳しい管理で血糖値が上がらないようにコントロールします(厳格血糖管理群)。

Bグループは、適度な治療をしつつ、あまり厳しい血糖管理はしないようにしました(標準血糖管理群)。

 

当然、治療期間中、Aの厳格血糖管理群の人たちのAGEの蓄積は抑えられ、Bの標準血糖管理群の人たちのAGEは蓄積されていきました。

 

こうして6.5年間にわたり経過観察を続けたところ、Bの標準血糖管理群に比べてAの厳格血糖管理群では、小さな血管の合併症、つまり網膜症や腎症の進行が抑えられることが明らかになりました。

しかし、両グループ間で心筋梗塞の発症率や死亡率に統計学的に有意な差は見られませんでした。

この事実は、6.5年というタイムスパンで考える限り、きちんとした血糖管理は一部の小さな血管の合併症に効果を発揮するものの、命に関わるような心臓病の発症や死亡率にはあまり効果がないことを示唆しています。

 

しかし、ここから非常に興味深い展開を見せます。

同研究では、その後、血糖管理の仕方を統一して両群の経過を長期にわたって観察したのです。

 

すると、両群の血糖値は同等レベルにコントロールされるようになりました。

そして、その状態が20年以上続いたにもかかわらず、Aのグループの人たちに比べ、Bのグループの人たちの心筋梗塞の発症リスクや死亡率がジワジワ上昇。

じつに1.5倍になったのです。

 

これはいったい、どういうことでしょう。

 

B群では血糖管理に取り組み、それに伴ってヘモグロビンA1c(HbA1c:検診などで使われる血糖コントロールのマーカー、糖化ヘモグロビンとも呼ばれ、AGEになる一歩手前の物質)の値も改善されていったにもかかわらず、逆に死亡率が高くなりだすのはおかしいのではないか、という話になりました。

たしかにおかしな話です。

 

じつは、この現象にAGEが関わっていたのです。

高血糖状態はAGEの形成と蓄積を促します

そして一度蓄積されたAGEは、その後、仮に血糖値が下がっても、長期にわたって組織にとどまり続けます

なにせ一度できたAGEは元には戻りませんし、簡単に私たちの体から排出もされないからです。

 

高血糖にさらされた過去がツケとして残り、将来の死亡リスクを規定してしまう。

この「高血糖の呪い(記憶)」ともいうべき現象は、AGEが心臓病や寿命に深く関わっていることを示唆しています。

 

つまり、高血糖の存在だけでは、臓器合併症の死亡リスクを十分には説明できず、高血糖が長期に及んでAGEとなって初めて老年病のリスクが高まっていくと考えられるわけです。

 

以上の事実をまとめると、

 

糖尿病になる⇒血糖コントロールが悪化し、それが長期間続く⇒AGEが蓄積する⇒老年病にかかりやすくなる⇒寿命が縮む

 

という構図が考えられます。

AGEの蓄積を減らすことが、老化や老年病の予防につながる可能性があるわけです。

「老けない人は何が違うのか より」

 

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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。

たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。

LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。

 

でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?

それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。

LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。

ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。

それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。

 

この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。

ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。

ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。

心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。

この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。

そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。

 

それはビタミンBです。

ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。

ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。

体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。

B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。

 

ビタミンB12について?

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