「睡眠負債」やストレスをためない
◆睡眠不足は糖化を進める
睡眠とAGEは関係があるのでしょうか。
一見、関係なさそうに見えるかもしれませんが、じつは大ありなのです。
人間は睡眠不足が続くと、意識・無意識に関わらず精神的にも肉体的にもストレスがたまっていきます。
この睡眠負債がたまっていくと、AGEが増えていく可能性があります。
睡眠は、自律神経と呼ばれる神経系によってコントロールされています。
自律神経とは、読んで字のごとしで、自ら律する神経のこと。
人間の意思では自由にならず、逆にいえばあまり意識しなくても勝手に働いてくれる神経です。
例えば、私たちは、別に意識しなくても呼吸をしています。
脈拍、血圧、体温、心拍、血流、さらには胃腸の収縮・弛緩、消化といった働きも、自律神経が勝手に調整してくれているのです。
自律神経は交感神経と副交感神経という2種類の神経系によって構成されています。
人間の体の働きというのは大きく「活動」と「休息」に分かれますが、「活動」を受け持っているのが交感神経であり、反対に「休息」を受け持っているのが副交感神経になります。
例えば、脈拍の場合は、上昇させるのが交感神経、低下させるのが副交感神経。
血圧なら上昇させるのが交感神経、下降させるのが副交感神経。
呼吸なら浅くし速めるのが交感神経、深くゆっくりさせるのが副交感神経といった具合です。
この2種類の自律神経がきっちり役割分担しながら、お互いに適度なバランスをとって働いている間は、体調は維持されます。
しかし、両者のバランスが崩れ、どちらか一方の働きが過敏になってくると、体調不良を感じ、病気を発症しやすくなります。
この自律神経のバランスを乱すのが精神的、肉体的ストレス。
睡眠負債も引き金のひとつになります。
ストレスや睡眠不足が続くと、交感神経が過剰に反応して働きだし、その際にコルチゾールやアドレナリンというホルモンを分泌します。
コルチゾールはインスリンの効きを悪くする一方で、アドレナリンは肝臓に蓄えられている糖を体中にばらまきます。
つまり、どちらも高血糖を引き起こし、糖化を進め、AGE蓄積させていくのです。
また、交感神経が活発に働くと、活性酸素が生じAGEがたまりやすくなったり、RAGEの数が増えてしまったりすることがネズミを使った実験で確認されています。
逆に交感神経の緊張や活性をゆるめてやると、AGEができにくくなることが示されています。
したがって、交感神経・副交感神経をバランスよく働かせて、AGE抑制するという観点から考えて、適度な睡眠時間は7時間半前後でしょう。
平均睡眠時間が5時間を切るような人は要注意といえるでしょう。
「老けない人は何が違うのか より」
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心の病との関連で関心を集めているストレスホルモンが「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎から分泌されると、血液にのって体内を循環しながら、エネルギー源の補充などの重要な役割を果たします。
役割を終えると脳にたどり着いて、脳に吸収されます。
これが、正常なストレス反応の流れです。
ところが、主に「我慢するストレス」状態が長い期間にわたって続き、ストレスが積み重なっていくと、コルチゾールがとめどなく分泌され続けるようになってしまいます。
こうなると、状況が一変します。
コルチゾールが脳にあふれて、その一部をむしばんでいくのです。
まさに、ストレス反応が暴走して、ありふれたストレスが「キラーストレス」と化してしまうのです。
副腎が疲れている人に圧倒的な足りない栄養素は、ビタミンB群になります。
ビタミンB群は、抗ストレスホルモンを合成するときに必要な栄養素です。
そのため、ストレスが多く抗ストレスホルモンを大量に必要とする人などは、体内のビタミンB群が不足しがちになります。
その結果、抗ストレスホルモンが十分につくれなくなり、副腎がますます疲れてしまうのです。
また、ビタミンB群は、体を動かすエネルギーをつくりだすためにも必要な栄養素。
私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアというエネルギー生成工場があり、摂取した食べ物を燃焼させて、「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギー物質をつくっています。
このATPをつくり出す過程で必要なのがビタミンB群です。
ビタミンB群が不足すると、ミトコンドリアでATPが十分につくれなくなる。
ATPが足りなくなると、体がだるくて疲れが取れなくなったり、頭の回転が悪くなってきたりします。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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