◆糖質制限ダイエットのからくり
糖質制限について考えてみましょう。
私たちは食事をとり血糖値が上がると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンにより、ブドウ糖は細胞の中に取り込まれ、エネルギー源として利用されます。
また、余分な糖分は、脂肪として蓄積されます。
そこで、次のような考え方が生まれてきます。
肥満は、食後の高血糖によるインスリンの過剰分泌ですべて説明できる。
そのため、食後の血糖値を抑えることができれば、肥満を完全に抑えられる、というものです。
これは、肥満の原因を単純に食後の高血糖のみに還元した極端な考え方です。
そして、食後の血糖値の上昇を引き起こす糖質は、いかなる場合においても「悪」であり、決して「善」とはなり得ない――これが糖尿病にも活用されて一世を風靡した感がある糖質制限ダイエットです。
一定の評価はしていますが、極端な糖質制限ダイエットの根底にも、還元主義と二項対立的に思考を見ることができます。
このように原因と結果を1対1で捉え、善悪のみで判断すれば、話は単純化され、とても分かりやすくなります。
しかし、体全体の機能は、必ずしも部分である各臓器の働きの総和では説明できないでしょう。
各臓器は互いに連関し、影響を及ぼし合いながら、体の恒常性を維持しているのです。
つまり、食事などの環境が多少変わっても、体はいつもと同じように機能が保持されるようにできているのです。
そして、このバランスが崩れた状態が病気ということになります。
そのため、糖質に限りませんが、ある特定の栄養素のみを制限することで生活習慣病を予防できると考えるのは極端すぎます。
また、危険ですらあります。
これまでの医学論文のエビデンス(科学的根拠)をまとめると、糖質制限ダイエットでは、低脂肪ダイエットなどの他のダイエットと比較して体重減少効果が少し早めに観察され、いく分その効果が強い傾向にあるようです。
その一方で、悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)を低下させる効果は劣ります。
ただし、これらは全て観察期間が2年以内の小規模な研究で、それぞれのダイエットによる違いもわずかです。
このことから、糖質の摂取量だけで体重が規定されているわけではないこと、また、少なくとも医師の観察下で短期間行うものであれば、反対派が主張するほど、糖質制限ダイエットは他のダイエットに比べて、特に危険が高いものではないことが分かります。
とはいうものの、糖質制限ダイエットの功罪を巡る議論は、いつもかみ合いません。
それは、エビデンスより、信念に基づいてお互いの主張が展開されているからかもしれません。
「老けない人は何が違うのか より」
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各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12は水溶性と脂溶性という特徴を併せ持つため体の隅々にまでいきわたりさまざまな働きをします。
細胞の生成にとって重要な核酸(DNA)・たんぱく質の合成や末梢神経(手足)、 中枢神経(頭)、認知機能に関わりがあるため、健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
細胞が入れ替わることにより若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?
http://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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