高齢者は意識的にたんぱく質を摂るべき
十分なたんぱく質で同化抵抗性に抗う(あらがう)
加齢によって筋肉量が減少するのは、歳をとるほど筋肉を合成する力が衰えてくるから。
若者と同じ量のたんぱく質を摂っても、高齢者は同じように筋肉をつくることができなくなります。
これをたんぱく質の「同化抵抗性」といいます。
糖の代謝を担うインスリンは、実は筋肉の合成にも力を貸しています。
インスリンの血管拡張作用により、食事から摂取したアミノ酸が筋肉の中に運び込まれ、筋肉の合成が促される仕組みです。
ところが、加齢によりインスリンの作用が十分に発揮されなくなると、血管の拡張機能も低下。
筋肉にアミノ酸が届きにくくなるため、筋肉の合成も衰えてしまうのです。
そして、「ロイシン」に対する感受性の低下も、たんぱく質の同化抵抗性を生じさせる要因のひとつ。
ロイシンは筋肉の合成に大きく関わる分岐鎖アミノ酸の一種。
若者と高齢者を比較した場合、ロイシンを摂取した後の筋肉の合成速度が、高齢者は低下していることが報告されています。
70歳以上では一般の成人男性よりも多い、体重1kgあたり1.06gのたんぱく質摂取が推奨されています。
歳をとるほど、たんぱく質の重要性はますます高まるというわけです。
加えて、適度な運動で血流を改善することも、筋肉合成の助けになります。
同量のたんぱく質を摂取しても若いころより筋肉がつくられない
◎筋肉の合成に関わるインスリン抵抗性
通常、食後に血糖値が上昇し、インスリンが分泌されることで多くのアミノ酸が筋肉に運ばれます。
高齢者の場合、インスリン刺激による血流量の増加が抑制され、筋肉の合成速度が若年者ほど増加しません。
空腹時に1回のたんぱく質の摂取量と筋肉の合成速度の関係性を評価した結果、筋肉の合成速度を最大限に高めるために必要なたんぱく質摂取量は、若年者では0.24g/kg体重であったのに対し、高齢者で1回の摂取に0.4g/kg体重が必要であることが示されました。
つまり、高齢期に若年期と同じ量の食事を摂取しても、若いころと比較して筋肉の合成率が低いのです。
※「BCAA」と呼ばれるアミノ酸が、筋肉の増強に大きく関わっています。
BCAAとは「Branched Chain Amino Acids」の総略で、日本語では「分岐鎖アミノ酸」と訳されます。
「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3つの必須アミノ酸がこれにあたります。
BCAAの特徴は、他のアミノ酸と比べて、筋肉の合成を促す働きが高いことに加え、筋肉の分解を抑える作用もあることです。
なかでも重要な役割を担っているのがロイシンです。
調査によると、ロイシンの摂取量が少ない高齢者は、筋肉の量も減少傾向にあることがわかっています。
ロイシンを豊富に含む食材としては、牛肉や卵、白身魚などが挙げられます。
(高野豆腐(乾燥1食分40g)ロイシン:1800mg、ほっけ(1食分120g)ロイシン:2000mg、くろまぐろ(1食分100g)ロイシン:2000mg、かつお(1食分100g)ロイシン:1800mg、鶏むね肉(1食分100g)ロイシン:1800mg)
「たんぱく質の話 より」
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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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