<第2章>がん予防になる「デザイナーフーズ・ピラミッド」
《がんを予防する食材を積極的にとる》
今や、日本人の死因第1位となったがん。
日本ではふたりにひとりが何らかのがんを発症するともいわれています。
がんを予防することは、多くの人が望んでいることでしょう。
日本よりも早い段階でがんによる死亡率が増加していたアメリカでは、研究も先行しており、さまざまな調査によって、「野菜や果物を中心とした食事は、がんの予防に効果があるらしい」という報告がなされてきました。
そのような研究を元に、1990年にアメリカ国立がん研究所では、がんを予防する効果のある食品として「デザイナーズフード・ピラミッド」を発表しました。
これは、上段にある食材ほどがんを予防する効果が高いとされ、一番上には、ニンニクがあげられています。
ニンニクは強力な抗酸化力を持ち、活性酸素を除去する働きがあるので、積極的にとりたい野菜です。
上位に挙げられた食材は、がんを予防するだけでなく、免疫力を上げたり生活習慣病を予防したりすることかも期待できるものです。
この研究成果が発表された後、アメリカでは、「1日5皿以上の野菜と、200gの果物を食べよう」という「5A DAY運動」というものが展開されました。
この運動が行なわれたことにより、アメリカでは野菜の摂取量が増え、がんによる死亡率も減少したといわれています。
デザイナーズ・ピラミッド
高
↑ がんを予防する効果
ニンニク
キャベツ
大豆
しょうが
にんじん
↑
たまねぎ
ウコン
お茶
なす
柑橘類
↑
大麦
メロン
バジル
はっか
きゅうり
じゃがいも
ベリー
↑ がんを予防する効果
低
ここにあげられた食材は、どれも特別なものではなく、近所のスーパーなどでも手に入るもの。
とくに上位の、ニンニク、キャベツ、しょうがはさまざまな調理法があるので、飽きのこないように工夫して食べるのがよいだろう。
「免疫力の話 より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
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