<第3章>熱い風呂に長時間入ると逆効果
《熱いお風呂はかえって疲れるだけ!?》
男性や年配の方に多い「熱いお風呂好き」。
風呂は熱ければ熱いほど体にいい、熱い風呂に入ると風邪をひかない、といった意見もよく耳にしますが、これは本当でしょうか?
医学的には42℃以上の高温浴を5分以上続けることは、かえって体によくないとされています。
熱いお風呂に我慢してつかっていると交感神経が優位になり、心身が緊張、興奮した「戦闘モード」のスイッチが入ってしまうためです。
熱いお風呂に入った瞬間、全身にグッと力が入るように筋肉は緊張し、血圧も急上昇。
脈も速まって、全身から一気に汗が吹き出します。
これは血管が緊張して血流が悪化し、さらに汗で体内の水分が放出され、血液の濃度が高くなっているということ。
リラックスするためのお風呂で逆に疲れを溜め込んでいるようなものです。
当然、温浴効果も低く、こんな入浴法が体によいわけがありません。
お風呂の温浴効果を高める方法はすでにご紹介しましたが、他にも体を温め、冷えや疲れを解消する入浴法はいろいろあります。
ゆっくりお湯につかる時間がないときは熱めのシャワーを短時間浴びたり、イスに座ったままできる足湯もいいでしょう。
休日にはぬるめのお湯でのんびり半身浴を楽しみ、1週間の疲れを癒すのもオススメです。
効果の高い入浴方法4選
1.熱めのシャワー(42℃)を3分
42℃前後のシャワーを約3分浴びることで免疫力の働きを強化し、乳酸の発生を遅らせることができる。
2.40℃前後のお風呂に10分ほどつかる
40℃前後のお湯に10分ほどつかるのが理想。
全身の血管を拡張し、手足の先までしっかり温まることができる。
3.ぬるめのお湯で半身浴
36~38℃のぬるめのお湯に半身浴でじっくりつかるのもいい。
副交感神経が働き、心身ともにリラックスできる。
4.足湯で全身の血行促進
40℃前後の足湯にじっくりつかることで全身を温めることができる。
お風呂に入れないときにオススメ。
「免疫力の話 より」
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寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンやアセチルコリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニン、アセチルコリン、ドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると、動脈硬化の原因として注目されているホモシステインが増えるといわれています。
ビタミンB12について?
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