<第1章>内臓脂肪を減らすのに運動はいらない
ぼっこりお腹の正体って何?
《内臓周辺の脂肪が生活習慣病の原因に》
ぽっこり突き出したお腹や年々増えていくウエストサイズ……お腹まわりの脂肪に悩まされている人は少なくないでしょう。
ぽっこりお腹の原因は、「内臓脂肪」と呼ばれている脂肪の蓄積です。
内臓脂肪とはその名のとおり、内臓の周囲、腸などの消化管を固定している膜にたまる脂肪。
たまり過ぎた状態は「内臓脂肪型肥満」といわれ、そのシルエットがリンゴに似ていることから「リンゴ型肥満」とも呼ばれています。
そもそも体につく脂肪には3種類あり、内臓脂肪のほかにまず「皮下脂肪」があります。
皮下脂肪は皮膚のすぐ下につく脂肪で、腰から太ももにかけて蓄積しやすいという特徴があります。
過剰にたまった状態は「皮下脂肪型肥満」、あるいはそのシルエットから「洋ナシ型肥満」と呼ばれています。
もうひとつは「異所性脂肪」です。
体のたまるべきではない場所、筋肉や臓器についた脂肪のことをいいます。
厚生労働省は腹囲をメタボリックシンドローム(心臓病や脳卒中などになりやすい病態)の診断基準のひとつとしていますが、これは内臓脂肪が健康を害する物質を放出することがわかっているから。
ぽっこりお腹は生活習慣病を引き起こす危険信号ともいえるのです。
体にたまる主な脂肪
人体の約20%が脂肪でできており、大きく内臓脂肪、皮下脂肪、異所性脂肪の3つがあります。
その中で最も落としやすいのが内臓脂肪です。
つまめる
↓
皮下脂肪
皮膚の下につく脂肪です。
体温の維持やエネルギーの蓄積、外部の圧力から身を守るなどの役割があります。
つまめない
↓
内臓脂肪
皮下脂肪の下、腸などの消化管を固定している膜にたまる脂肪です。
たまり過ぎると様々な病気の原因になります。
ついたらやっかい
↓
異所性脂肪 危険度大!
筋肉や臓器の細胞に直接つく脂肪です。
健康に悪影響があり、外見にあらわれにくいため隠れ肥満の原因にもなります。
こんなところにつきやすい!
筋肉・肝臓・すい臓
「内臓脂肪の話 より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
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