<第1章>内臓脂肪がたまるまでのプロセス
《皮下→内臓→異所性の順に蓄積する》
食事をとると、エネルギー源となる中性脂肪がつくられ体の各器官に運ばれます。
ただ、糖質・脂質のとり過ぎや運動不足などによって、中性脂肪がエネルギーとして消費しきれないと、脂肪となって体内に蓄えられることになります。
脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪、異所性脂肪の3種類があります。
最初に蓄えられるのは、皮膚のすぐ下にある皮下脂肪です。
皮下脂肪は全身につきますが、とくに女性の下半身(下腹部、太もも、お尻など)につきやすいのが特徴です。
皮下脂肪として蓄えきれなかった中性脂肪は、内臓のまわりなどにつく内臓脂肪として蓄えられます。
特徴は、お腹がぽっこりと出るようになることと指でつまめないこと。
皮下脂肪は指でつまむことができます。
さらに、内臓脂肪にも蓄えきれず余った中性脂肪は、異所性脂肪として蓄えられることになります。
異所性脂肪とは、肝臓やすい臓、筋肉など本来たまるべきではない場所にたまってしまうもので、第3の脂肪とも呼ばれています。
特徴は、外見では痩せて見える人にもたまっている場合が多いことです。
とくに自覚症状もないうえ、異所性脂肪がたまった臓器や筋肉は、本来の機能が低下してしまいます。
2型糖尿病などの病気を悪化させるリスクが高まるため注意が必要です。
どうして糖ではなく脂肪でためるの?
体内で蓄えておくエネルギーをわざわざ糖から脂肪に変えるのは、同じ量の場合、脂肪のほうが約2倍のエネルギーを格納できるからです。
また、糖を備蓄するには脂肪の約3倍の水分が必要となり、脂肪で備蓄するよりも重くなってしまいます。
ブドウ糖1g:4kcal < 脂肪1g:9kcal
※ブドウ糖を備蓄するのに脂肪の約3倍の水分が必要!
脂肪でためるほうが効率的!
脂肪が体にたまる順番
糖質を過剰に摂取してしまうと、エネルギーとして消費しきれなかった分が、体内に中性脂肪としてたまります。
中性脂肪はまず、皮下脂肪として蓄えられ、蓄えきれずに余った分が内臓脂肪となり、さらに余ると筋肉や臓器にたまって異所性脂肪となるのです。
皮下脂肪
↓ 余った分が内臓のまわりにたまる
内臓脂肪
↓ さらに余った分が筋肉や臓器にたまる
異所性脂肪
「内臓脂肪の話 より」
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血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
でも、LDLには2種類あることをごぞんじですか?
それは、酸化したLDLと酸化していないLDLです。
LDLの中でも血管に悪さをしていたのは、実は酸化LDLだったのです。
ということは、血管を酸化から守るシステムがしっかりできていれば、酸化LDLは血管に付着しづらくなる。
それが血管老化を防ぎ、血管強化につながるということです。
この、血管の酸化を抑えてくれるのが、実はビタミンなのです。
ビタミンの中でも特に大事なビタミンが、ビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCとビタミンEの抗酸化力は、非常に強力です。
心筋梗塞を起こした患者さんのグループが正常のグループよりも血中のビタミンC、ビタミンEの濃度が低かったとする報告もあります。
この2つのビタミンに、ビタミンAを加えた3つのビタミンは、いずれも抗酸化力が強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。
そしてもうひとつ忘れてはいけない大事なビタミンがあります。
それはビタミンBです。
ビタミンBにはいくつかの種類があり、ビタミンBグループとして存在しています。
ビタミンBの抗酸化力は強くありませんが、細胞のエネルギー産生やエネルギー代謝を効率よくするためにはなくてはならないビタミンです。
体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンBは8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12について?
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