<第2章>内臓脂肪が招く最悪の結末
《ご長寿ホルモンと満腹ホルモンを阻害》
内臓脂肪はたまり過ぎると生活習慣病のリスクが増すなど、私たちの命をおびやかしかねない危険なものです。
内臓脂肪が危険な理由のひとつは、「ご長寿ホルモン」と呼ばれる「アディポネクチン」の働きを阻害すること。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌される生理活性物質のひとつで、体内で糖の代謝をスムーズにして血糖値を下げたり、血管を広げて血圧を下げたり、細胞壁を修復して動脈硬化を抑えたりと様々な働きがあり、健康を保つうえで重要な役割を果たしています。
内臓脂肪が増え過ぎると、アディポネクチンの分泌量が減少します。
さらに、悪玉の生理活性物質が分泌されて、血管の壁に炎症を起こして動脈硬化が進行してしまいます。
もうひとつの危険な理由は、増え過ぎた内臓脂肪は脂肪細胞から分泌されるホルモン「レプチン」の働きを阻害してしまうことです。
レプチンは「満腹ホルモン」とも呼ばれるもので、食事をして十分なエネルギーが得られたときに、「十分ですよ」と脳に伝える役割があります。
しかし、内臓脂肪が増え過ぎるとレプチンのメッセージを脳が正確に受け取れなくなり、満腹感が得にくくなってしまうのです。
そうなるとつい食べすぎてしまう習慣が続き、結果的に内臓脂肪が増え続けるという負のスパイラルにはまってしまいます。
内臓脂肪が万病を引き起こす
脂肪は生きていくうえで必要不可欠なエネルギーとなるものですが、増え過ぎてしまうと生命活動を阻害します。
自覚症状がないからといって放置すれば、生活習慣病をはじめとした様々な病気の原因となり、とり返しのつかない状態になってしまうのです。
・糖尿病
・高血圧
・がん
・動脈硬化
・脳卒中
・心臓病
・認知症
あらゆる病気のリスクが高まる!
善玉ホルモンの働きを阻害
中性脂肪が阻害
↓↓
◆レプチン=満腹ホルモン
満腹感を知らせるホルモン。
レプチンが発したメッセージを脳が正しく受け取れなくなるとなかなか満腹感を得られず、食べ過ぎてしまうという悪循環に陥ります。
◆アディポネクチン=ご長寿ホルモン
血糖値や血圧、血液内の脂質量の調整や細胞壁の修復をしてくれる生理活性物質。
動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病を予防する効果や脂肪を燃焼させる働きがあります。
「内臓脂肪の話 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?
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