<第3章>貧血の症状は自律神経症状に似ている
《鉄分不足でなければ自律神経を疑え》
めまい、立ちくらみ、息切れ、動悸、疲れやすく体がだるい、朝起きるのが辛い、頭痛、肩こり、イライラ、これらはすべて貧血でも、自律神経が乱れたときでも現れる症状。
つまり、貧血の症状と自律神経症状はよく似ていて、普通の人には見分けがつきにくいのです。
ただ、症状は似ていても、原因はまったく違います。
貧血の原因の多くは鉄分不足。
鉄分が足りないと、血液の赤血球に含まれるヘモグロビンが生成できず減少します。
ヘモグロビンは体全体に酸素を運ぶという重要な役割を担っているので、ヘモグロビンが減ってしまうと体の隅々まで酸素が行き渡らず、息切れや動悸、倦怠感などの不調が現れるのです。
一方、自律神経症状は日ごろのストレスや疲れ、不規則な生活などにより、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて起こるもの。
貧血の場合は鉄分をサプリメントや食事をとることで改善しますが、自律神経症状を治すために必要なのは心身を休めることです。
両者を見分ける簡単な方法は血液検査。
鉄分が不足していたら、貧血であることは一目瞭然です。
もし血液検査で問題がなければ、自律神経のバランスが崩れている可能性があります。
休息と睡眠をしっかりとること。
もしそれでも改善しない場合は自律神経外来を受診し、自身の自律神経のバランスを一度測定してみてもよいでしょう。
貧血は血液検査ですぐ判定できる
だるさやフラフラする症状など貧血と自律神経の乱れの症状で似ている部分も多い。
貧血は、血液検査ですぐに判定できます。
一方、自律神経の乱れによる不調なら血液検査では異常はありません。
だるい、フラフラする……
自律神経の乱れかな?
↓
血液検査の結果は明らかに貧血です
そうだったんだ!
貧血の改善は食事やサプリメントで
貧血は食事の改善や鉄分・ビタミンB12等サプリメントなどの摂取で改善します。
ただし子宮筋腫ほか、病気が原因の場合などもありますので、この場合は別の治療が必要です。
自律神経の乱れによる貧血症状ならしっかりとした休息が必要です。
◆貧血
サプリメントや食事です以前。
◆自律神経の乱れ
心身を休めて改善。
「自律神経の話 より」
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今から60余年前、アメリカの月刊誌『リーダーズダイジェスト』は、“赤いビタミン(ビタミンB12)が悪性貧血の患者を救う特効薬だ”と報じてセンセーショナルな話題を提供しました。
以来、“ビタミンB12”は、世界的に研究者の注目を集め、それに関連した研究にはいくつものノーベル賞が与えられてきました。
そして今では、ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています。
食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
胃の病気、ストレスなどでも不足します。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
ビタミンB12について?
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