第4章 時には「盛装」をする
単調な生活のなかにも、
いや、単調な生活だからこそ、
「メリハリ」を自らつけることが大事。
それをまずは、服装から始めてみよう
勤めているときには、休日はひがなパジャマ姿で過ごしていても、平日は、男性ならスーツとネクタイ、女性もきちんと感のあるファッションでしゃきっと見せています。
しかし仕事をリタイアしてしまうと、そんな、言ってみれば「ハレとケ」のメリハリもなくなってしまうのですが、そこから老化が進んでしまうので要注意です。
ところで、日本人は50、60代になったら和服を着るのがよいと思っています。
「和服は年寄りくさい」と思われがちですが、実はこれが「老化防止」にきわめて有効なのです。
和服を着るのはかなり面倒。
特に女性の場合は着付け教室にでも行って習ってこない限り、1人できるのは困難です。
しかも、和服にはそれなりにお金がかかります。
つまり、和服を着ようと思えば自分自身にかなりの「無理」を強いるわけですが、この無理して苦労するという行為が、老化防止に役立つのです。
さらに、毎日でなくても、たとえば美味しいものを食べに行くとき、子供や孫のお祝い事や演奏会に行くときなど「特別な日・ハレの日」に和服を着る。
あるいは洋服でも「盛装」をする――。
それによって生まれる生活のなかの「メリハリ」が、気持ちにもメリハリを生み、前頭葉を刺激して「脳の若さ」を保つことになります。
必要になったら迷わず老眼鏡をかける
気が付くと、眉間にしわを寄せ目を細めて
新聞を読んでいた。
小さな文字のカタログを、目を離して読むようになった。
「ああ、いよいよ……」と思ったら、
現実にあらがわず、早めのケアを
「最近のお年寄りは、昔より若々しい」――そう感じている人は多いと思います。
確かに平均寿命が延びるにつれ、臓器や筋肉、運動神経、それにルックスも含めて全体的に老化のスピードも落ちているようです。
しかしなぜだか、目や耳などの感覚器官ではほとんど昔と変わらず、一定の歳になるとそれなりに加齢現象が現れてきます。
特に目は、テレビやパソコンなど目の負担になるものが身の周りに多いせいか、40代くらいで老眼になる人も少なくありません。
ところが、それまでずっとメガネを使用していた人はともかく、視力は至って正常・良好だった人は特に、老眼鏡をかけたがらない傾向にあります。
これには、自らの肉体が「老化」しているという現実を認めたくない、という心理も働いているのでしょう。
しかし、新聞を読むのにいちいちしかめ面しているのも年寄りくさいものです。
それに、文字が見えにくくなると「読む」ことが億劫になり、新聞や本も読まなくなりがちです。
そのことによる脳への悪影響を考えたら、ここは観念して、早めに老眼鏡をつくることをお勧めします。
「50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?