第1章 長生きにもつながる糖質制限
長寿の秘訣は毎日満腹にならないこと
食事は腹7分目くらいに抑えるほうが長生きする――。
にわかには信じがたい話ですが、これはアメリカのアカゲザルを使った長寿に関する実験で明らかになった事実です。
いったいこれにはどういった理由があるのでしょうか?
この実験では、通常量の餌を与え満腹状態にしたアカゲザルと餌のカロリーを30%減らすことで飢餓状態にしたアカゲザルとで比較しています。
後者のアカゲザルは、カロリーが通常の70%までカットされているわけですから、三大栄養素のタンパク質、脂質、糖質も当然不足することになります。
ここでポイントになるのが糖質です。
糖質は生命維持に欠かせないエネルギー源となっていますので、できる限り効率よく、できる限り節約して使おうとするのが動物の基本システムです。
それが通常の70%しか入ってきませんので、そのシステムが限界まで稼働し、動物が本来持っている生命力や長寿遺伝子が活性化されることで、長生きしたのではないかと考えられます。
つまり、いつも満腹でいるとかえって長生きしにくいのです。
長寿遺伝子を活性化させるためにも、食事の管理は必要不可欠ということになります。
満腹状態 < 飢餓状態※カロリーを30%カット
飢餓状態のサルのほうが健康で長寿という結果に!
長生きの秘訣は“腹七分目”
満腹状態
生命の危機を感じないため長寿遺伝子は活性化しない
飢餓状態
人間の生命力がアップ!長寿遺伝子が活性化する
アカゲザルを使った実験の結果、長寿遺伝子が活性化するのは空腹状態であることがわかってきました。
これは、生命維持に欠かせない糖質が不足すると、動物は自らの生命を守るために長寿遺伝子を活性化させると考えられます。
「糖質の話 より」
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
ビタミンB12について?