第1章 炭水化物を食べなくても大丈夫な理由
エネルギーは体内で作られる
糖質は体内でブドウ糖となり、身体を動かすエネルギー源となります。
ということは、糖質を制限してしまったらエネルギー不足になって、身体に悪影響が出てしまうように思われます。
しかし、安心してください。
人間は飢えた状態でも生き延びられるよう、体内でエネルギーを作り出す機能が備わっていて、糖質を摂らなくても変わりの方法でエネルギーを得られるのです。
その仕組みについて見ていきましょう。
まず、なんらかの理由で糖質が不足すると、血中を流れるブドウ糖が不足します。
すると、肝臓や筋肉の細胞に取り込まれていたグリコーゲンを分解してブドウ糖に戻して血中に放出しエネルギー源とするのです。
そして、このグリコーゲンも尽きてしまうと、今度は脂肪細胞に取り込まれた中性脂肪がエネルギーとして使われ、一部はブドウ糖になって血中に戻されます。
この仕組みにより、糖質を摂らなくても、体内でエネルギーを作り出せるのです。
そのため、なんらかの理由でまったく食事が摂れなくても、水さえ飲むことができれば、ある程度は生き延びることができます。
脂肪細胞内の中性脂肪がエネルギーに変われば、やせていきます。
これが糖質を制限することでやせるメカニズムなのです。
血中のブドウ糖が低下すると……
血中のブドウ糖が少なくなってきた……
↓
肝臓や筋肉に取り込まれていたグリコーゲンを分解して血中にブドウ糖を放出
グリコーゲンが尽きてしまうと……
脂肪細胞に取り込まれた中性脂肪がエネルギーに!
「糖質の話 より」
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
ビタミンB12について?