第3章 あなたの脳の老化度がわかる診断
あなたの脳の老化度がすぐわかる方法1
老人脳の症状は、以前と比較して頻度が高くなった、度合がひどくなったことに自分で気づくのはなかなか難しいので「老人脳自己診断チェックリスト」を用意しました。
この診断で自分の脳の状態を知ることができます。
この35項目をチェックして、あなたの老人脳度を診断してください。
あなたは老人脳?
老人脳自己診断チェックリスト
あなたの老人脳のタイプがわかる診断です。
A.~E.のそれぞれの項目で、該当するものにチェックをつけて、該当した数を記入してください。
時間をかけて頭で考えると正確な結果が出ないことがありますから、時間をかけずに直感でチェックをつけてみてください。
A. → 個
□新しい場所に行くのが億劫
□集中力が続かない
□最近、流行っている曲を聞いてもわからない
□食べたいと思えるものがあまりない
□新商品には興味がない
□昔と比べると本を読まなくなった
□昔話や「あの時代」がいかによかったかばかりを話す
B. → 個
□人の名前や顔が覚えられない
(アイドルが同じ顔に見える)
□同じことを何度も言うことがある
□約束の日時や場所を忘れる
□何度も忘れ物がないか確かめる
□用事があってその場所に行っても何をするか忘れてしまう
□ものをどこに置いたかわからなくなる
□同じものと気付かずに2度買ったことがある
C. → 個
□考えて買うより感覚で買うことが多くなった
□情報を鵜呑みにしてしまう傾向がある
□同時に2つの作業ができなくなってきた
□スケジュールを甘く見積もって遅れてしまう
□料理・計算・運転でうっかりミスをすることがある
□過去の成功体験に縛られて同じ選択をしてしまう
(同じメニューを頼む、いつも同じ人と付き合うなど)
□衝動的に行動することが多くなった(待てなくなった)
D. → 個
□他人の意見に共感することが少なくなってきた
□服装に気を使わなくなってきた
□人の話をあまり聞いていない
□批判されても気にならなくなってきた
□店員さんにタメ語をよく使う
□プレゼントをあげても喜ばれなくなってきた
□気付いたら相手を傷つけていることがあった
E. → 個
□名前をよく聞き間違える
□ボリュームを上げないと聞こえにくい
□騒音の中では、会話や電話がしづらい
□高い音が聞こえにくいときがある
□テレビや音楽の音が大きいと周りから言われる
□音がどこから聞こえてくるかわかりづらい
□早口でしゃべられると理解できない
診断結果
A.~E.それぞれの項目で4つ以上該当することがある場合は、あなたは下記の老人脳タイプである可能性が高いです。
A.→やる気低下型の老人脳
やる気のホルモン、ドーパミンを分泌する線条体の働きが衰えている可能性があります。
B.→記憶低下型の老人脳
記憶の中枢とも言われる海馬や記憶に関連する部分の働きが低下している可能性があります。
C.→客観・抑制低下型の老人脳
ものごとを客観視したり、判断したり、感情を抑制する前頭前野を中心とした部分に衰えが見らせれる可能性があります。
D.→共感低下型の老人脳
人の気持ちを理解する前帯状皮質や島皮質などを含む場所が衰えてきている可能性があります。
E.→聴覚低下型の老人脳
音声の刺激が入力される内耳組織や聴覚中枢、認知機能全般が衰えてきている可能性があります。
老人脳自己診断は、自分の認識が間違っている危険性もあるので、家族や友人など、第三者にもやってもらい、自分の診断と第三者の診断を比較すると、より正確に判断できます。
予想以上に老人脳に当てはまった人もいるかもしれませんし、意外とまだ大丈夫だと感じた人もいるかもしれません。
ただ、ここで大切なことは、どんな人でも脳の老化が進むことはよくないということ。
しかし、老人脳をこれ以上進行させない、もしくは老人脳を遠ざける方法が最新の研究からいろいろわかってきました。
それが、紹介する方法です。
また、いまはまだ老人脳になっていないという人も、そのままではいずれ老人脳に進んでしまう可能性もあるので、紹介する方法を予防に活用してください。
80代、90代になっても脳が老化しないために、そのための方法を数多く紹介していきます。
ここでひとつ世界を驚かせたある事実を伝えたいと思います。
それは、脳の神経細胞は70歳を超えても新しく生まれるという大発見です。
従来、脳の神経が新しく生まれるのは子どものみで、大人になると生まれなくなると思われていました。
しかし、世界的な研究で大人になっても、しかも90歳になっても、神経が再生されていることがわかったのです。
加齢で脳が委縮したとしても、脳の機能(認知機能)が全く衰えない人たちは、この神経新生が起きているため、いつまでも若い脳を保つことができます。
「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」
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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。
しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。
このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。
これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。
ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。
新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。
この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。
しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。
このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。
ビタミンB12について?